博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

呂赫若研究

1943年までの分析を中心として

定価:本体 11,000 円+税

台湾の日本語文学を代表する作家呂赫若は、複数の文化間を縦横に移動する存在であった。挫折・苦闘も含むその軌跡は困難な時代の心強い指標となるであろう。

【著者略歴】
垂水千恵(たるみ ちえ)
1957年、香川県生まれ。
お茶の水女子大学大学院修士課程修了。
博士(人文科学)。
現在、横浜国立大学留学生センター教授。
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
序章
 1.『呂赫若研究』執筆の動機と研究状況
 2.本稿の構成―内容と方法
一章 「牛車」執筆以前(1914-1934)
   1.はじめに 
   2.出生から台中師範学校入学前まで
     i.生い立ち ii.時代的背景 iii.公学校への入学
   3.台中師範学校時代
     i.台中師範学校の沿革 ii.同級生の回想中の呂  iii.台中師範学校の紛擾  iv.文学への接近 V.婚約
   4.小括
二章 「牛車」の執筆(1934-1935)
   1.はじめに
   2.『フォルモサ』への投稿
     i.「牛車」執筆直前の行動 
     ii.台湾人留学生の政治活動と林賛煙 
     iii.『フォルモサ』の創刊とその同人
   3.「牛車」の内容およびその時代背景 
     i.「牛車」の内容 ii.「牛車」の時代背景―自動車の発達 
     iii.「牛車」の時代背景―工業化
   4.『文学評論』と呂赫若の接点
     i.『文学評論』掲載の経線 ii・『文学評論』の特質
     iii.「南国風景」と「牛車」の関係
   5.日本農民文学としての「牛車」
     i.『農民』派の主張 ii・日本プロレタリア作家同盟(ナルプ)の主張  iii.張赫宙との共通性
   6.小括
三章 初期作品群(1935-1937)
   1.はじめに
   2.「嵐の物語」
    i.梗概 ii・「牛車」との比較 iii・中候百合子の「牛車」評価と「新聞配達夫」 iv・「嵐の物語」の評価
   3.「婚約奇談」
    i.発表誌『台湾文芸』の性格 
    ii・「婚約奇談」梗概およびその解釈
   4.評論「文学雑感」
    i.「文学雑感」要旨 ii・「文学雑感」と森山啓  
    iii.社会主義リアリズムの受容
   5.「文学雑感」以降の初期作品
    i.「行末の記―或る小さな記凱 ii・「女の場合」
    iii.呂作品における女性像の変遷 iv・「逃げ去る男」
   6.小括
四章 文学的空白と音楽・演劇活動(1937-1942)
   1.はじめに
   2.文学的空自と音楽への接近
    i.文学的空白期の分類 ii・音楽への接近
    iii・台中師範学校時代の音楽教育と磯江清 iv.磯江清の経歴      V.呂の日本留学時期について
   3.「台湾の女性」の執筆
    i.『台湾芸術』の創刊 ii.第3回「花の表情」 
    iii.第4回「深山にて」 iv.第5回「暁の露か」 
    V.第6回「転落の日」 vi.「台湾の女性」の意義
   4.日本滞在期の活動 
    i.下八川圭祐声楽研究所および欧文社編集部 
    ii.東宝声楽隊への入隊 iii.東宝声楽隊の活動と国民演劇 
    iv.東宝舞踊隊  V.李香蘭 vi.音楽活動と山田耕筰
   5.小括
五章『台湾文学』時代の文学活動(1942-1943)
   1.はじめに 
   2.『台湾文学』と『陳夫人』
     i.『台湾文学』の創刊 ii.地方文化の振興 
     iii.『文芸台湾』の方向転換 
     iv.「陳夫人」の公演
   3.「財子寿」(1942.3)から「柘榴」(1943.7)まで
     i.「財子寿」 ii.「廟庭」「月夜」 iii.「風水」
     iv.「隣居」 V.「合家平安」  vi.「柘榴」
   4.小括
六章 台湾における音楽・演劇活動(1942-1943)
   1.はじめに
   2.呂の帰台と1942年当時の台湾の文化状況
     i.『日記』に見る帰台直前の状況 
     ii.台湾演劇協会設立に至る経緯 
     iii.台湾演劇協会と株式会社台湾興行統制会社
   3.台湾における呂の音楽活動
     i.評論活動 ii.新台湾音楽運動 iii.台湾放送協会第二放送
   4.台湾における呂の演劇活動
     i.戯曲の執筆 ii.株式会社台湾興行統制会社への入社 
     iii.評論活動 iv.厚生演劇研究会
   5.小括 
終章 呂赫若研究の可能性
   1.一章から六章までの要旨
   2.今後の研究の展望 
    i.「清秋」再論 ii.その他の日本語小説 iii.戦後の中文作品
    iv.戦後呂の参加した文化・政治運動
   3.結論―呂赫若の提起するもの
主な参考文献
あとがき 
著者垂水千恵 著
発行年月日2002年02月15日
頁数350頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1301-9