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イギリス芸術教育思想における独創性と公共性

レノルズ,ブレイクとロマン主義の子ども観

定価:本体 8,000 円+税

子どもとは? 天才とは? 個性とは? 英国の芸術家たちによる思想の軌跡を克明に辿り、独創性と公共性の調和を鍵とする新たな芸術教育の可能性を提示する。

【著者略歴】
池亀直子(いけがめ なおこ)
1972年神奈川県生まれ。立教大学文学部英米文学科卒業,お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程人間発達科学専攻単位取得退学。お茶の水女子大学助手,同COE研究員,放送大学・専修大学・群馬大学非常勤講師,蒲田保育専門学校専任講師などを経て,現在,秋田公立美術大学美術教育センター准教授。
博士(社会科学)(お茶の水女子大学)。
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
図版一覧
序章 子どもと独創性の思想史
 1 ロマン主義の子ども観と子どもの独立
 2 近代子ども観研究におけるロマン主義の子ども観の位置づけ
 3 子どもの孤立と独創性概念の形成史
 4 18世紀の天才論における想像力と独創性
 5 「子ども」と「独創性」の思想史に向けて
 6 公共性への展望とブレイク,レノルズの芸術教育思想
 7 各章の構成
第1章 イギリスロマン主義の子ども観と想像力
 1 感性の時代―ロマン主義と子どもの礼賛―
 2 経験論とキリスト教の融合―教訓派作家の子ども観―
 3 教訓のパロディとして―初期ロマン主義作品の子ども観―
 4 ロマン主義作品における自己成熟と社会化
 5 教育の「子ども」と想像力の「子ども」
 6 想像力論としてのルソーの影響と18世紀の天才論
第2章 ロマン主義と18世紀の天才論
 1 ロマン主義の子ども観に対する天才論の影響
 2 18世紀イギリスにおける天才論の展開
 3 エドワード・ヤングと『独創的作品に関する考察』
 4 ヤングの天才論における独創性
 5 インプットの孤立―独創性と〈無からの創造〉―
第3章 ブレイクとレノルズの芸術教育思想にみる想像力
 1 芸術教育と天才論
 2 芸術制作における創意
 3 創意の才能としての天才
 4 ヴィジョンの「永遠なる形」
 5 「芸術の技法」と模写による学習
第4章 ブレイクとレノルズの芸術教育思想にみる生得観念
 1 天才と生得観念―法則か生得か―
 2 「無からは何も生じない」―レノルズの生得観念否定論―
 3 「確固たる手で線を描く」―ブレイクにおける輪郭線―
 4 輪郭線による「特殊化された知識」
 5 直観による同一化―ブレイクの独創性―
 6 『無垢と経験の歌』にみる同一化
第5章 芸術教育と近代的所有
 1 独創性と近代的所有
 2 教育における所有の概念
 3 「芸術の一般的原理」の構築―レノルズとロイヤル・アカデミー―
 4 独創性と天才の占有―ヤングとブレイク―
 5 アウトプットの孤立―所有をめぐる独創性の問題点―
第6章 両義性の芸術教育思想
 1 二重の孤立から社会科へ
 2 レノルズの『美学講義』にみる公共性
 3 芸術教育による公共財の創出
 4 オーディエンスの群衆化と芸術市場の登場
 5 レノルズにみるイギリス芸術の〈両義性〉
 6 ブレイクの〈両義性〉と独創性と公共性の調和
第7章 柳宗悦の『ヰリアム・ブレーク』における〈生命〉
 1 近代日本におけるブレイク受容と個性論の形成
 2 科学と〈生命〉の問題
 3 個性に基づく真理の創造
 4 対立と「二元的一元論」
 5 直観と「純粋の直接経験」
終章 子どもの公共性に向けて
 1 各章で明らかにしたこと
 2 20世紀から現代に至るイギリス芸術教育思想の展開
 3 子どもの公共性に向けて

文献表
初出一覧
あとがき
著者池亀直子 著
発行年月日2014年03月31日
頁数240頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2038-3