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情動的実践としての教師の専門性

教師が授業中に経験し表出する情動の探究

定価:本体 8,000 円+税

教師の専門性を「情動」の点から初めて取り上げ、授業における教師の情動的実践の理論モデルを提案。教師の仕事の現実に迫る挑戦的な実践研究の学術書。

【著者略歴】
木村 優(きむら ゆう)
2011年 東京大学大学院教育学研究科博士課程修了
     博士(教育学)
2009年 福井大学教職大学院 機関研究院
2011年 福井大学教職大学院 准教授(現在に至る)
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
はじめに
第Ⅰ部 本研究の問題と目的
第1章 教師の情動的実践への探究
 第1節 教師の専門性における情動の意義
  1.教師の専門性を示す実践的知識と思考様式の特徴
  2.教師の情動的実践の社会文化的起源
  3.情動と認知・思考・動機づけ・行動との関連
  4.教師の情動研究の視座と範囲
 第2節 教師の内的過程における情動の役割
  1.教師の情動と認知
   (1)情動生起の認知評価過程で現れる教師の自己
   (2)情動が意思決定と実践的知識の検索に及ぼす影響
   (3)エピソード記憶としての感情経験とその省察による専門性開発過程
  2.教師の情動と動機づけ
   (1)心的報酬の獲得:教職への内発的動機づけ・自己効力感の高まり
   (2)ストレスとバーンアウト:脱専門職化と再専門職化の過程
 第3節 生徒との社会的関係における情動の役割
  1.教師による生徒の情動理解
   (1)情動理解を促す/脅かす生徒との心理的・情動的距離
   (2)教師による生徒の情動理解の2段階
  2.教師の情動管理と情動表出
   (1)教師の情動規則:教師の仕事と情動労働
   (2)教師の情動管理方法
   (3)教師の情動表出に内在する機能:ユーモア,賞賛,叱責の効果
 第4節 本研究の課題
  1.先行研究の知見と課題
   (1)研究対象の選定方法
   (2)情動と心理的事象との関連性,実践の省察過程における情動の役割
   (3)教師間で生起する情動の比較
   (4)快情動に焦点を当てた研究の必要性
   (5)情動表出様式の検討
   (6)情動表出に内在する社会的機能の検討
  2.本研究の課題と構成
第Ⅱ部 本研究の方法
第2章 本研究の方法と協力者
 第1節 教師の情動と心理的事象との関連に対する研究方法
  1.研究協力者と理論的サンプリング
  2.教師への半構造化面接調査
  3.授業観察調査
  4.教師へのESM質問紙調査
 第2節 教師の情動表出に対する研究方法
  1.研究協力者と学級の特徴
  2.授業観察調査
  3.教師への半構造化面接調査
  4.生徒への自由記述式調査
第Ⅲ部 授業における教師の情動と心理的事象
第3章 協働学習授業における教師の情動と認知・思考・動機づけ・行動との関連
 第1節 本章の目的
 第2節 方法
  1.研究方法
  2.分析手続き
 第3節 結果と考察
  1.《情動の生起》現象とその背景
  2.《情動の生起》現象の5つの過程
   (1)《快情動の生起》現象とその過程
   (2)《不快情動の生起》現象とその過程
  3.情動が教師に導く授業の省察過程
   (1)快情動が導く新たな実践的知識の創造・再構成・実験的実行
   (2)不快情動が導く中期的・長期的な省察と変容過程
   (3)自己意識情動が導く実践的知識の検索・実行・改善
  4.混在した情動
 第4節 本章の総合考察
第4章 授業における情動が教師の自律的な専門性開発に及ぼす影響
 第1節 本章の目的
 第2節 方法
  1.研究方法
  2.分析手続き
 第3節 結果と考察
  1.教師2名の授業目標の共通点と相違点
  2.授業の類似状況での教師2名の情動:共通点と相違点
   (1)教室の対話状況で生起する情動
   (2)生徒の授業参加行動・情動状態に対する情動
   (3)授業準備・授業展開がもたらす情動
  3.教師2名の《情動の生起》後の過程
 第4節 本章の総合考察
第5章 授業における教師のフロー体験
 第1節 本章の目的
 第2節 方法
  1.研究方法
  2.分析手続き
 第3節 結果と考察
  1.フロー状態の授業における教師の経験の質
  2.教師が授業中に快情動を経験する生徒及び自己の行為
  3.フロー状態の授業における教師―生徒間の相互作用の特徴
   (1)明確なフィードバックの存在
   (2)フローに伴う教師の即興性・生徒との協働探究
 第4節 本章の総合考察
第Ⅳ部 授業における教師の情動表出
第6章 授業における教師の自己開示と情動の物語
 第1節 本章の目的
 第2節 方法
  1.研究方法
  2.分析手続き
 第3節 結果と考察
  1.教師が授業中に行う自己開示の内容
  2.教師の自己開示様式の特徴
   (1)生徒に対する教師の願いの開示
   (2)教師による情動的出来事の物語
  3.教師が自己開示を行う場面,時期の特徴
 第4節 本章の総合考察
第7章 授業における教師の情動表出様式
 第1節 本章の目的
 第2節 方法
  1.研究方法
  2.分析手続き
 第3節 結果と考察
  1.教師の情動表出に含まれる意図
  2.授業における教師の快情動表出様式
   (1)楽しさの誘発と自発的表出
   (2)生徒の積極的授業参加行動が導く喜びと驚きの開示
  3.授業における教師の不快情動表出様式
   (1)不快情動の抑制:いらだちと困惑の表出
   (2)怒りの開示と哀しみの表出
 第4節 本章の総合考察
第8章 教師の情動表出を受けて生徒が示す授業参加行動
 第1節 本章の目的
 第2節 方法
  1.研究方法
  2.分析手続き
 第3節 結果と考察
  1.教師の情動表出に対する生徒の反応と受けとめ方
  2.教師の快情動表出を受けて生徒が示す授業参加行動
   (1)教師の快情動表出による生徒の積極的授業参加行動の促進
   (2)生徒の消極的授業参加行動の中断を促す教師の快情動表出
  3.教師の不快情動表出を受けて生徒が示す授業参加行動
   (1)生徒の消極的授業参加行動の中断を促す教師の不快情動表出
   (2)生徒の向社会的行動の生起
 第4節 本章の総合考察
第Ⅴ部 本研究の総合考察と今後の展望
第9章 情動的実践としての教師の専門性
 第1節 本研究知見の概観
  1.第Ⅲ部「授業における教師の情動と心理的事象」の知見と考察
   (1)第3章の知見と考察
   (2)第4章の知見と考察
   (3)第5章の知見と考察
   (4)第Ⅲ部の意義
  2.第Ⅳ部「授業における教師の情動表出」の知見と考察
   (1)第6章の知見と考察
   (2)第7章の知見と考察
   (3)第8章の知見と考察
   (4)第Ⅳ部の意義
 第2節 総合考察:情動的実践としての教師の専門性
 第3節 今後の研究課題

引用文献
謝辞
著者木村優 著
発行年月日2015年01月31日
頁数320頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2055-0

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