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教科教育学研究の可能性を求めて

定価:本体 3,800 円+税

教科教育学研究における課題として、授業研究、教師教育、カリキュラム・マネジメント、資質・能力(コンピテンシー)、アクティブ・ラーニングなどの鍵概念を示して、今後の研究のあり方を提案する。

【編著者紹介】
原田 智仁(はらだ ともひと)
1952年愛知県生まれ。愛知県立高等学校教諭、兵庫教育大学学校教育学部講師、同助教授を経て、現在、兵庫教育大学大学院学校教育研究科教授。主著『世界史教育内容開発研究―理論批判学習―』(風間書房、2000年)、『世界を舞台に歴史授業をつくる―嫌われても世界史はやめない―』(明治図書、2008年)など。

關 浩和(せき ひろかず)
1958年愛媛県生まれ。愛媛県松山市立たちばな小学校教諭、広島大学附属小学校を経て、現在、兵庫教育大学大学院学校教育研究科教授。主著『ウェッビング法―子どもと創出する教材研究法―』(明治図書、2002年)、『情報リテラシーと社会科授業の改善』(明治図書、2007年)、『情報読解力形成に関わる社会科授業構成論―構成主義的アプローチの理論と展開―』(風間書房、2009年)など。

二井 正浩(にい まさひろ)
1962年広島県生まれ。広島県立高等学校教諭、広島県立教育センター指導主事を経て、2001年より国立教育政策研究所教育課程研究センター基礎研究部主任研究官に着任。現在、同研究所総括研究官。著書は『新社会科教育学ハンドブック』(共著、明治図書、2012年)、『社会科教育のルネサンス』(共著、保育出版社、2016年)など。
目次を表示します。
はじめに(關 浩和)
第Ⅰ章 教科教育において育成すべき資質・能力
 第1節 説明的文章の批判的読みの授業づくりの初期段階における要点(吉川芳則)
  1 説明的文章の批判的読みの授業づくりの課題
  2 筆者に対する自己の考えを主張・表現する授業づくりの観点
  3 批判的読みの授業デザイン
  4 叙述の内容・形式に関する自己の読みを優先した批判的読みの実際と考察
  5 説明的文章の批判的読みの授業づくりの道筋
 第2節 歴史系教科において育成すべき資質・能力の設定に向けて(宇都宮明子)
  1 高等学校歴史系教科で育成がめざされる資質・能力の現状
  2 高等学校歴史系教科で育成がめざされる資質・能力の課題
  3 歴史系教科における資質・能力の課題を克服するための展望
 第3節 社会科のコンピテンシーと歴史教育―英国の歴史教科書SHPの分析から―(岩野清美)
  1 発信する資質・能力を育成する歴史授業
  2 SHPの概要
  3 発信する資質・能力を育成する歴史授業を可能にするために
 第4節 高等学校における歴史リテラシー育成の試み―授業実践「原爆はなぜ投下されたか」を中心に―(虫本隆一)
  1 市民的資質の育成と史料読解学習の意義
  2 市民的資質と歴史リテラシー
  3 授業開発「原爆はなぜ投下されたか」
  4 授業実践を通じて
 第5節 資質・能力を直接育成する公民授業実践の在り方(橋本康弘)
  1 次期学習指導要領で育成が求められる資質・能力
  2 授業実践としての「死刑制度の存続か廃止か」
  3 資質・能力を成長させるための前提作業:「立論メモ」の作成
  4 資質・能力を成長させるための工夫1:根拠事実の吟味
  5 資質・能力を成長させるための工夫2:理由・理由の裏づけの吟味
  6 公民授業において資質・能力を直接育成・成長させる戦略
 第6節 科学的リテラシーとしてのアーギュメント構成能力の育成(山本智一)
  1 科学的リテラシー
  2 アーギュメントの導入
  3 児童生徒のアーギュメント構成能力の実態
  4 理科教育におけるアーギュメント構成能力育成の指導
  5 アーギュメント構成能力の可能性
 第7節 非言語コミュニケーションの教育としての学校体育の意義(筒井茂喜)
  1 コミュニケーションについての検討
  2 非言語コミュニケーションと体育授業の関係
  3 体育授業で生起する非言語コミュニケーションの意義
第Ⅱ章 教科教育学研究のストラテジー
 第1節 社会科授業研究の理論(米田 豊)
  1 学校教育現場における社会科授業研究の現状と課題
  2 目標記述と授業仮説の理論
  3 探究Ⅰ・探究Ⅱの授業構成理論
  4 社会科授業研究の理念型
 第2節 社会的な見方・考え方の一つとしてのスケール(吉水裕也)
  1 スケールとは
  2 スケールを枠組みとした多面的・多角的考察
  3 批判的思考及びプラスサム解決策生成の枠組みとしてのリスケーリング
  4 社会的な見方・考え方としてのスケール概念の可能性
 第3節 歴史教育と重層的アイデンティティの育成―「国民国家相対化型歴史教育」の展開とグローバルヒストリー教育―(二井正浩)
  1 歴史教育におけるアイデンティティ形成の課題
  2 国民国家と歴史学
  3 グローバルヒストリー教育の展開
  4 国民国家相対化型歴史教育とアイデンティティ形成
 第4節 社会科教育による社会的レリバンスの構築―コミュニケーション理論を用いた授業開発方略―(田中 伸)
  1 社会的レリバンスと社会科教育
  2 コミュニケーション理論を用いた教育実践開発方略
  3 子どもの文化的文脈を活用した授業開発
 第5節 「デス・エデュケーション」としての美術教育研究序説(初田 隆)
  1 はじめに
  2 日本における「デス・エデュケーション」の歴史と現状
  3 美術における死
  4 デス・エデュケーションとしての美術教育の構想
  5 おわりに
 第6節 質的評価の力量としての鑑識眼の意義と新たな可能性(勝見健史)
  1 活動論と評価論を乖離させない
  2 「鑑識眼」とは何か
  3 質的評価力「鑑識眼」の諸相―熟達教師と若手教師の差異に着目して―
  4 鑑識眼の新たな可能性―動的な鑑識眼評価―
  5 学習のための評価における「客観性」の問い直しを
 第7節 社会科教育におけるソーシャル・キャピタル(社会関係資本)の価値観育成(ナスティオンNasution)
  1 なぜソーシャル・キャピタルなのか
  2 ソーシャル・キャピタルとは何か
  3 社会正義と平等社会の創造に必要なソーシャル・キャピタルと規範の創出
  4 社会科教育においてのソーシャル・キャピタルの価値の育成
  5 民主主義はソーシャル・キャピタルと社会科教育の基本を成長させる最適な手段
第Ⅲ章 教科教育の本質に迫る授業研究
 第1節 理論批判学習の射程―アクティブ・ラーニングを越えて―(中本和彦)
  1 今日的要請としてのアクティブ・ラーニング
  2 理論批判学習の授業構成論とそのモデル―単元「カースト制度の歴史構造」を事例にして―
  3 「主体的な学び」を保証する理論批判学習
  4 「対話的な学び」を保証する理論批判学習
  5 「深い学び」を保証する理論批判学習
  6 アクティブ・ラーニングを越えて
 第2節 小学校中学年社会科における多文化的歴史教育の授業開発―単元「南京町の年中行事とその歴史」を通して―(太田 満)
  1 問題意識
  2 変換アプローチに基づく授業構成
  3 中学年歴史単元「南京町の年中行事とその歴史」の授業開発
  4 授業計画
 第3節 ヒストリー・リテラシーを意識した高校世界史授業(安達一紀)
  1 暗記教育,詰込み教育
  2 世界史教育の現状
  3 実用レベルの思考
  4 物語り・物語り語―世界史学習という浅瀬の思わぬ深み
  5 考察されてこなかった暗記教育―「詰め込み」「知識の羅列」
  6 「物語り語」を暗記するとは
  7 「満州か満洲か」―私の問い
  8 物語り語による誘導
  9 なぜ自分の誕生曜日を知らないのか
  10 世界史教科書の読み方
 第4節 社会科におけるアクティブ・ラーニングの可能性(森 才三)
  1 ALの由来とその問題状況
  2 「ALの視点」をふまえた授業改善の実践課題と手がかり
  3 社会科が育成を目指す資質・能力と「ALの視点」
  4 中等社会科における「ALの視点」をふまえた授業改善の可能性
 第5節 数学的表現とメタ認知を育てる算数科の授業づくり(加藤久恵)
  1 算数科の授業づくりにおける数学的表現
  2 数学的表現の特徴
  3 数学的表現の翻訳とメタ認知
  4 算数科授業における数学的表現の翻訳とメタ認知
 第6節 音楽的感覚の育成を基盤とした音楽表現活動の指導(河邊昭子)
  1 音楽科で育成すべき能力と〔共通事項〕との関係
  2 教科書にみる〈リズム〉の指導の系統性
  3 音楽的感覚の育成―〈拍〉から〈拍子〉,〈拍子〉から〈リズム〉へ―
  4 音高・音価に着目し,曲の特徴をとらえて音楽表現に生かす学習指導
 第7節 小学校英語教育における音声指導の課題と展望(和田あずさ)
  1 問題の所在と目的
  2 英語音声の特徴
  3 つまずきの事例の検討
  4 音声指導の方向性
  5 結び
第Ⅳ章 教科教育におけるカリキュラム・マネジメント
 第1節 社会科の本質に迫るカリキュラム・マネジメント(關 浩和)
  1 求められるカリキュラム・マネジメント
  2 R-PDCA サイクルによるカリキュラム・マネジメント
  3 情報ネットワーク時代に適用できる授業に
  4 アクティブに学ぶ社会科授業デザイン
 第2節 社会科カリキュラムマネジメントを支える研究方法論の諸相(溝口和宏)
  1 社会科におけるカリキュラムマネジメント
  2 方法主導的カリキュラムマネジメント
  3 内容主導的カリキュラムマネジメント
  4 目標主導的カリキュラムマネジメント
  5 結語
 第3節 世界史教育における内容編成の展望―学習指導要領「世界史」の現状と課題から―(祐岡武志)
  1 世界史教育の特質と意義
  2 世界史教育の現状
  3 世界史教育の課題
  4 世界史教育内容編成の展望
 第4節 若者の政治参加と主権者教育としての社会科の役割(桑原敏典)
  1 投票率と主権者教育
  2 主権者教育の課題と今後の展開
  3 地域社会と連携をしたワークショップ型主権者教育
第Ⅴ章 教科教育学研究のための教師教育
 第1節 小学校教師を自立と創造へと導く社会科現職研修の進め方―社会科の根源的要件を見据えて―(木村博一)
  1 小学校社会科現職研修(現職教育)の現状と課題
  2 社会科授業の根源的要件は何か―社会科の本質を見据えて―
  3 よりよい社会科授業を創る小学校現職研修の具体的展開
  4 社会科教育学の新たな可能性を拓く現職研修の進め方の研究
 第2節 教員養成教育における社会科授業力形成―協働による授業力形成の省察を原理とする学修―(梅津正美)
  1 「協働による授業力形成の省察」を原理とする学修の方法
  2 教科の授業力評価スタンダードの構成
  3 教育実践コア科目「初等中等教科教育実践Ⅱ(社会)」(2014年度学部2年次)の実践
  4 「主免教育実習」(2015年度学部3年次)の事後指導における授業力ポートフォリオの実践
  5 「教職実践演習」(2016年度学部4年次)における授業力ポートフォリオの実践
  6 教員養成教育と関わる社会科教師教育研究の課題
 第3節 社会科教師を育てる教師教育者の専門性開発―欧州委員会の報告書を手がかりにして―(草原和博)
  1 なぜ教師教育者なのか
  2 報告書の論点整理
  3 報告書の示唆―社会科教師を育てる教師教育者の専門性開発―
 第4節 美術と人間形成―教員並びに教員養成系大学に向けた教科内容学的考察―(前芝武史)
  はじめに
  1 創造の原点―人類の知性・文明・文化・生活・経済―
  2 創造と人類の感性
  3 美術―その世界の領域的構造―
  4 美術―その内容と学際性―
  5 美とは何か
  6 感じ方の違いと共通性について
  7 感性とは何か―その発生と発達に関する仮説―
  8 人間形成とは何か
  9 基礎・基本と授業構想について
  10 教育先進国と図工/美術科
  まとめにかえて―筆者の研究と大学教育について―
終 章 教科教育学研究の課題と展望―社会科教育実践学を事例にして―(原田智仁)
 第1節 現状をどう受け止めるか
 第2節 混沌を生む背景・要因は何か
 第3節 有効なパラダイムとは
 第4節 社会科教育開発研究に向けて
  1 中本和彦の研究―「学習材」の開発による研究と実践の結合―
  2 二井正浩の研究―実践者との共同研究による理論と実践の結合―
 第5節 社会科教育開発研究の要件―教科教育学の可能性―
おわりに(二井正浩)
著者原田智仁・關浩和・二井正浩 編著
発行年月日2017年02月28日
頁数336頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2177-9

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