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カントの批判哲学の教育哲学的意義に関する研究

定価:本体 8,000 円+税

これまで主に『教育学』に依拠して展開されてきたカントの教育哲学研究の枠組みを抜け出し、批判哲学の体系の教育学的意義を解明した新たなカント研究の書。

【著者略歴】
鈴木 宏(すずき・ひろし)
1984年生まれ。山口大学教育学部講師。上智大学大学院総合人間科学研究科博士後期課程教育学専攻満期退学。博士(教育学)。
主な論文に「カントの教育思想にみる強制と自由との両立可能性」(『教育哲学研究』第99号、2009年)、「カントの公教育論――公共性(Öffentlichkeit)概念に基づく教育思想の現代的意義の探求――」(『上智大学教育学論集』第45号、2011年)等。
目次を表示します。
凡例
序章
 第1節 本書の目的と課題
 第2節 問題の背景
 第3節 本書の全体構成

第Ⅰ部 道徳教育論を主軸としたカントの教育哲学の再定位
 第1章 『教育学』と道徳哲学との関係性から読み解くカントの教育哲学
  本章の目的と課題
  第1節 『教育学』にみるカントの教育哲学
    (A)自然的教育
    (B)実践的教育
  第2節 カントの義務論と定言命法
   (1)義務
    (A)自分に対する完全義務
    (B)他者に対する完全義務
    (C)自分に対する不完全義務
    (D)他者に対する不完全義務
   (2)定言命法
  第3節 『教育学』と道徳哲学との関係性
  本章のまとめ
 第2章 カントの良心論とその教育学的位置づけ
  本章の目的と課題
  第1節 カントの良心論
   (1)良心の概念規定
   (2)誠実さとしての良心
   (3)良心と実践理性との関係性
   (4)良心法廷説
  第2節 良心の教育学的位置づけ
  本章のまとめ
 第3章 道徳教育の方法論としての「問答教示法」
  本章の目的と課題
  第1節 カントの道徳教育の方法論
   (1)『実践理性批判』にみる道徳教育の方法論
   (2)問答教示法
  第2節 カントの道徳教育論の現代的意義
   (1)『実践理性批判』から『道徳形而上学』までの哲学的関心の移り行き
   (2)道徳的判断力の育成の問題
  本章のまとめ
 小括

第Ⅱ部 カントの教育哲学と周辺思想家との関係性の検討
 第4章 カントの教育哲学に対するルソーの影響――公教育の概念を中心に――
  本章の目的と課題
  第1節 ルソーの社会哲学と公教育論との関係性
   (1)ルソーの社会哲学
   (2)ルソーの公教育論
  第2節 カントの社会哲学と公教育論との関係性
   (1)カントの社会哲学
   (2)カントの公教育論
  第3節 ルソーの社会哲学と公教育論が与えたカントへの影響
  本章のまとめ
 第5章 教育哲学者としてのロックとカント――理性の位置づけとその陶冶の方法をめぐる比較研究――
  本章の目的と課題
  第1節 ロックの教育哲学にみる理性の位置づけ
  第2節 カントの教育哲学にみる理性の位置づけ
  第3節 ロックとカントとの教育哲学における関係性
  本章のまとめ
 第6章 カントの道徳哲学に対するショーペンハウアーの批判
  本章の目的と課題
  第1節 ショーペンハウアーの道徳哲学にみる意志と同情の役割
   (1)意志
   (2)同情
   (3)意志の否定
  第2節 ショーペンハウアーによるカントの道徳哲学への批判
   (1)「最高善」に対する批判
   (2)「理性」に対する批判
   (3)「価値」に対する批判
  第3節 ショーペンハウアーの批判から導き出されるカントの道徳哲学の特性
   (1)カントの道徳哲学における「同情」の位置づけ
   (2)ディルタイの批判的視点からみたカントとショーペンハウアーの道徳哲学
  本章のまとめ
 小括

第Ⅲ部 カントの批判哲学と教育哲学
 第7章 カントの公教育論――世界市民的教育の現代的意義の探求――
  本章の目的と課題
  第1節 カントの公共性概念
  第2節 『教育学』にみるカントの公教育論
   (1)公教育の原理
   (2)公教育を担う教師像
  第3節 開かれた公教育を実現するための社会のあり方
  第4節 開かれた公教育で扱われるべき教育内容
  本章のまとめ
 第8章 カントの教育哲学にみる強制と自由との両立可能性
  本章の目的と課題
  第1節 カント哲学の諸自由概念とその関係性
   (1)前批判期の自由概念
   (2)『純粋理性批判』の自由概念――超越論的自由と実践的自由
   (3)意志の自由――意志の自律としての自由と選択意志の自由
  第2節 教育における強制と自由の問題
  本章のまとめ
 第9章 「物自体」の概念とその教育哲学との関係性
  本章の目的と課題
  第1節 「物自体」論の諸相
   (1)理論哲学における「物自体」の意味
   (2)実践哲学における「物自体」の意味
   (3)『判断力批判』における「物自体」の意味
  第2節 「物自体」の概念と教育哲学との関係性
  本章のまとめ
第10章 「絶対的価値」論と道徳教育の構想
  本章の目的と課題
  第1節 カントの価値論――絶対的価値とは何か――
  第2節 「絶対的価値」論と道徳教育の構想
   (1)人間性の尊厳
   (2)理性的であるということの意味
   (3)絶対的価値の意義を伝える教育の実践的なあり方
  本章のまとめ
 小括

結章
 第1節 各章の要約
 第2節 総合的考察
 第3節 今後の課題と展望

参考文献一覧
初出一覧
謝辞
索引
著者鈴木宏 著
発行年月日2017年11月30日
頁数282頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2195-3