博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

探究的世界史学習論研究

史資料を活用した歴史的思考力育成型授業の構築

定価: 9,900 (本体 9,000 円+税)

地球化(グローバリゼーション)と知識基盤社会化に対応した資質・能力の育成を目指し、探究的学習の理論と方法を考察。史資料を活用した思考力育成型授業を構想し、授業モデルを提示する。

【著者紹介】
田尻信壹(たじり しんいち)
1955年 埼玉県生まれ
1978年 新潟大学人文学部史学科卒業
1991年 上越教育大学大学院学校教育研究科修士課程修了
2017年 日本女子大学大学院人間社会研究科教育学専攻博士後期課程修了
博士(教育学)
埼玉県立高等学校(秩父高等学校・吹上高等学校)教諭(1978年~1994年)、国立筑波大学附属高等学校教諭(1994年~2006年)、国立大学法人富山大学人間発達科学部教授(2006年~2011年)、共立女子大学家政学部教授(2011年~2014年)、文部科学省初等中等局教育課程課教科調査官(地歴科世界史、非常勤)(2008年~2012年)、国立教育政策研究所教育課程研究センター教育課程調査官(地歴科世界史、非常勤)(2011年~2012年)を経て、2014年より目白大学人間学部教授。

[主な著書・論文]
『探究的世界史学習の創造』梓出版社(単著)2013年、『大学生のための社会科授業実践ノート』風間書房(編著)2009年、『未来を拓く児童教育学』三恵社(編著)2015年、「ESDと世界史教育」『社会科教育研究』113(単著)2011年、「単元『黒死病と14世紀の世界』の構想」『新地理』61-1(単著)2013年、「歴史カリキュラム“歴史家のように読む”の教授方略」『目白大学総合科学研究』12(単著)2016年等。
目次を表示します。
序章 研究の目的と方法
 第1節 研究の目的
 第2節 研究の背景
 第3節 研究の意義と特質――先行研究の批判的検討を通して――
 第1項 先行研究の整理と研究史上の意義
 第2項 先行研究に対する批判的検討
 第4節 研究の方法と論文の構成

第Ⅰ部 歴史的思考力概念の変遷でたどる世界史学習の特質と課題

第1章 世界史学習における歴史的思考力の全般的検討
 第1節 歴史意識と歴史的思考力の概念規定
  第1項 歴史意識の概念規定
  第2項 歴史的思考力の概念規定
 第2節 世界史学習における歴史的思考力の位置付けと役割
  第1項 世界史学習における歴史的思考力の位置付け
  第2項 歴史的思考を図るための方策としての探究
 小括

第2章 学習指導要領世界史における歴史的思考力の位置付けと先行研究
 第1節 学習指導要領における歴史的思考力の概要と先行研究の整理
  第1項 歴代学習指導要領における歴史的思考力の特徴
  第2項 歴代学習指導要領における歴史的思考力に関する先行研究の整理と分析
 第2節 経験主義社会科期の学習指導要領における歴史的思考力
  第1項 学習指導要領社会科東洋史(試案)・西洋史(試案)(1947年)
  第2項 学習指導要領社会科世界史(試案)(1951年改訂)
  第3項 経験主義社会科期の学習指導要領における歴史的思考力の特徴
 第3節 系統主義社会科期の学習指導要領における歴史的思考力
  第1項 学習指導要領社会科世界史(1956年改訂)
  第2項 学習指導要領社会科世界史(1960年改訂、1970年改訂、1978年改訂)
  第3項 系統主義社会科期の学習指導要領における歴史的思考力の特徴
 第4節 社会科から地歴科への再編成と地歴科世界史における歴史的思考力
  第1項 学習指導要領地歴科世界史(1989年改訂、1999年改訂)
  第2項 学習指導要領地歴科世界史(2009年改訂=現行版)
   (1)学習指導要領(現行版)地歴科世界史Aにおける主題学習
   (2)学習指導要領(現行版)地歴科世界史Bにおける主題学習
  第3項 社会科から地歴科・公民科への再編成と地歴科世界史における歴史的思考力の特徴
 小括

第3章 戦後歴史教育の動向から見た歴史意識と歴史的思考力の系譜
 第1節 「終戦」から1950年代までの歴史意識研究の動向
  第1項 社会変革の意識としての歴史意識
  第2項 心理的側面としての歴史意識
  第3項 「終戦」から1950年代までの歴史意識研究の特徴
 第2節 1960年代から1980年代までの歴史意識・歴史的思考力研究の動向
  第1項 経験主義から系統主義への転換と唯物史観に基づく発展法則的理解の影響
  第2項 横山十四男、日本社会科教育研究会による調査研究
   (1)横山十四男の調査研究
   (2)日本社会科教育研究会の調査研究
  第3項 安井歴史教育論と『歴研』「歴史学と歴史教育のあいだ」の論争
  第4項 1960年代から1980年代までの歴史意識・歴史的思考力研究の特徴
 第3節 1990年代以降の歴史意識・歴史的思考力研究の動向
  第1項 加藤公明の討論授業をめぐる議論
  第2項 歴史の「全米指導基準」の紹介と歴史的思考力の新要素をめぐる議論
  第3項 地球化の進展に対応した歴史意識・歴史的思考力をめぐる議論――2000年以降に着目して――
 小括

第4章 現職教師への質問紙調査から見た歴史的思考力の現状
 第1節 質問紙調査を実施する目的
 第2節 質問紙調査の内容と対象者
  第1項 質問紙調査の実施時期と対象者
  第2項 質問紙調査の項目と内容
 第3節 被調査者の属性
 第4節 歴史的思考力に関する意識
  第1項 歴史的思考力の構成要素
  第2項 歴史的思考力の構成要素に関するとらえ方
   (1)「全体(全年齢層)」の傾向
   (2)「年齢層別」の傾向
  第3項 歴史的思考力の内容として重視する項目
 第5節 授業での歴史的思考力育成に向けての取組み
  第1項 歴史的思考力育成に向けての授業実践の状況
   (1)「全体(全年齢層)」の傾向
   (2)「年齢層別」の傾向
  第2項 現行教育課程における歴史的思考力育成に向けての授業実践の状況
   (1)「全体(全年齢層)」の傾向
   (2)「年齢層別」の傾向
  第3項 歴史的思考力育成に向けての授業実践に対する提案
 第6節 主題学習の導入による授業改革に対する意識
 第7節 中等教育段階での歴史授業の課題
 小括

第Ⅱ部 21世紀社会に対応した歴史的思考力育成型授業の開発

第5章 21世紀社会に対応した歴史的思考力育成型授業のためのカリキュラムのフレームワーク
 第1節 世界の教育改革と21世紀型能力
  第1項 世界の教育改革の潮流
   (1)DeSeCoプロジェクト
   (2)21世紀型スキル運動
  第2項 初等・中等教育段階の資質・能力モデルとしての21世紀型能力の意義と課題
  第3項 新しい資質・能力モデルとしてのコンピテンシー、リテラシー、スキル
 第2節 探究を取り入れた地歴科世界史カリキュラムの設計
  第1項 「改訂版ブルーム・タキソノミー」から見た歴史的思考力育成型授業の特徴
  第2項 高次の認知過程としての「真正の学習」
  第3項 「改訂版ブルーム・タキソノミー」テーブルとルーブリックを併用した評価方法
 小括

第6章 世界史学習における史資料活用の意義と方法
 第1節 世界史学習で活用する史資料の定義と分類・特徴
  第1項 史資料の定義
  第2項 史資料の分類と特徴
   (1)自然・自然物
   (2)なんらかの人為が加わっているもの
 第2節 史資料を活用した歴史的思考力育成型授業の意義と方法
  第1項 歴史的思考力育成型授業における史資料活用の意義
  第2項 歴史的思考力育成型授業における史資料活用の方法
 小括

第7章 考古学史資料の活用による授業構成モデル――単元「『新安沖沈船』の積み荷から見た14世紀の東アジアの海域世界」の構想――
 第1節 考古学史資料を活用した授業構成の論理
  第1項 考古学史資料の特徴
  第2項 考古学史資料による歴史的思考力育成の論理
 第2節 考古学史資料を生かす内容構成の論理
  第1項 グローバル・ヒストリーからの内容構成
  第2項 東アジア前近代史学習の意義と課題
 第3節 単元「『新安沖沈船』の積み荷から見た14世紀の東アジアの海域世界」の検討
  第1項 単元「『新安沖沈船』の積み荷から見た14世紀の東アジアの海域世界」の構成原理
  第2項 単元「『新安沖沈船』の積み荷から見た14世紀の東アジアの海域世界」の史資料面からの検討
 第4節 単元「『新安沖沈船』の積み荷から見た14世紀の東アジアの海域世界」のフレームワークと授業計画
  第1項 単元「『新安沖沈船』の積み荷から見た14世紀の東アジアの海域世界」の目標とフレームワーク
  第2項 単元「『新安沖沈船』の積み荷から見た14世紀の東アジアの海域世界」の構成
   (1)単元名
   (2)単元の構成
   (3)学習計画
   (4)教材
   (5)評価
 小括

第8章 博物館史資料の活用による授業構成モデル――単元「『大航海時代』以後の人の移動とものの交流は、人々に何をもたらしたのか?!」の構想――
 第1節 博物館史資料を活用した授業構成の論理
  第1項 博物館史資料の特徴
  第2項 博物館史資料による歴史的思考力育成の論理
 第2節 博物館史資料を生かす内容構成の論理
  第1項 異文化理解と多文化理解を深めるための国立民族学博物館の活用
  第2項 異文化理解と多文化理解の視点からの「大西洋世界」の位置付けと課題
 第3節 単元「『大航海時代』以後の人の移動とものの交流は、人々に何をもたらしたのか?!」の検討
  第1項 単元「『大航海時代』以後の人の移動とものの交流は、人々に何をもたらしたのか?!」の構成原理
  第2項 単元「『大航海時代』以後の人の移動とものの交流は、人々に何をもたらしたのか?!」の史資料面からの検討
 第4節 単元「『大航海時代』以後の人の移動とものの交流は、人々に何をもたらしたのか?!」のフレームワークと授業計画/活動計画
  第1項 単元「『大航海時代』以後の人の移動とものの交流は、人々に何をもたらしたのか?!」の目標とフレームワーク
  第2項 単元「『大航海時代』以後の人の移動とものの交流は、人々に何をもたらしたのか?!」の構成
   (1)単元名/活動名
   (2)単元の構成/活動の構成
   (3)学習計画
   (4)教材
   (5)評価
 小括

第9章 図像史資料の活用による授業構成モデル――単元「19世紀米国南部諸州の紙幣に描かれたアフリカ系アメリカ人のイメージ」の構想――
 第1節 図像史資料を活用した授業構成の論理
  第1項 図像史資料の特徴
  第2項 図像史資料による歴史的思考力育成の論理
 第2節 図像史資料を生かす内容構成の論理
  第1項 構築主義の視点からの移民史学習
  第2項 人種問題としてのアフリカ系アメリカ人の位置付けと課題
   (1)世界史教科書における人種問題の記述
   (2)高校生への人種問題に関する質問紙調査
 第3節 単元「19世紀米国南部諸州の紙幣に描かれたアフリカ系アメリカ人のイメージ」の検討
  第1項 単元「19世紀米国南部諸州の紙幣に描かれたアフリカ系アメリカ人のイメージ」の構成原理
  第2項 単元「19世紀米国南部諸州の紙幣に描かれたアフリカ系アメリカ人のイメージ」の史資料面からの検討
   (1)米国南部諸州の紙幣図案の特徴
   (2)米国南部諸州の紙幣に描かれたアフリカ系アメリカ人の特徴
   (3)米国南部諸州の紙幣に描かれたアフリカ系アメリカ人図案の読み解き
 第4節 単元「19世紀米国南部諸州の紙幣に描かれたアフリカ系アメリカ人のイメージ」のフレームワークと授業計画
  第1項 単元「19世紀米国南部諸州の紙幣に描かれたアフリカ系アメリカ人のイメージ」の目標とフレームワーク
  第2項 単元「19世紀米国南部諸州の紙幣に描かれたアフリカ系アメリカ人のイメージ」の構成
   (1)単元名
   (2)単元の構成
   (3)学習計画
   (4)教材
   (5)評価
 小括

第10章 地図史資料の活用による授業構成モデル――単元「黒死病と14世紀の世界」の構想――
 第1節 地図史資料を活用した授業構成の論理
  第1項 地図史資料の特徴
  第2項 地図史資料による歴史的思考力育成の論理
 第2節 地図史資料を生かす内容構成の論理
  第1項 環境史の新しい領域としての感染症
  第2項 14世紀のユーラシア史における黒死病の位置付けと課題
 第3節 単元「黒死病と14世紀の世界」の検討
  第1項 単元「黒死病と14世紀の世界」の構成原理
  第2項 単元「黒死病と14世紀の世界」の史資料面からの検討
 第4節 単元「黒死病と14世紀の世界」のフレームワークと授業計画
  第1項 単元「黒死病と14世紀の世界」の目標とフレームワーク
  第2項 単元「黒死病と14世紀の世界」の構成
   (1)単元名
   (2)単元の構成
   (3)学習計画
   (4)教材
   (5)評価
 小括

終章 21世紀社会に対応した探究的世界史授業の開発に向けての展望
 第1節 本研究における各章の論点整理
  第1項 第Ⅰ部「歴史的思考力概念の変遷でたどる世界史学習の特質と課題」の論点整理
  第2項 第Ⅱ部「21世紀社会に対応した歴史的思考力育成型授業の開発」の論点整理
 第2節 研究の成果とこれからの世界史教育に対する提言
  第1項 探究の可視化を目指した世界史カリキュラムのフレームワークの構築
  第2項 カリキュラムの構成原理としての「課題による組織」
  第3項 これからの研究に期待される史資料の発掘力と教材化力
 第3節 研究の課題と今後の展望
参考文献
あとがき
著者田尻信壹 著
発行年月日2017年12月24日
頁数432頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2197-7