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中世ドイツ文学における恋愛指南書

文学ジャンルとしての「ミンネの教訓詩」の成立・発展

定価:本体 8,000 円+税

中世ドイツ文学において繰り返し唱えられた「愛(ミンネ)とは何か」に対する詩的応答の一形式としての「ミンネの教訓詩」を文学史的視点から考察。

【著者略歴】
田中一嘉(たなか かずよし)
1979年生まれ、東京都出身
成蹊大学文学部卒業、成蹊大学大学院文学研究科博士前期課程修了
一橋大学大学院言語社会研究科博士課程修了
博士(学術) 研究領域:中世ドイツ文学・文化
現在 成蹊大学文学部助手
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。

 1.「ミンネ(minne)」という語について
 2.「ミンネとは何か」…文学史的問題設定
 3.文学ジャンル「ミンネの教訓詩」の可能性(1)…「ミンネの弁論」研究の視座から
 4.文学ジャンル「ミンネの教訓詩」の可能性(2)…受容史理論の視座から
 5.本書で扱う作品について
第1部 文学ジャンル「ミンネの教訓詩」の形式的特徴
第1章 アンドレアス・カペルラヌス:‘De amore'
 1.作者と作品の成立について
 2.‘De amore'におけるアモールの論理的分析・記述
 3.討論形式とアレゴリー
 4.アモールの定式化
 5.‘De amore'から「ミンネの教訓詩」へ
第2章 『秘密の使者』
 1.テクスト・成立年代
 2.前後半部分の内容的差異
 3.「恋文」か「助言書」か
 4.宗教的「教訓詩」の可能性
第3章 ハルトマン・フォン・アウエ:『哀歌』
 1.作品の構成と基本コンセプト
 2.討論における役割分担
 3.ミンネの心理学
 4.「冊子」としての再定義
第4章 トマジン・フォン・ツイルクレーレ:『異国の客』
 1.作者とその背景
 2.一般教書
 3.『異国の客』におけるミンネの取り扱い
 4.テクストと受容
第5章 「ヴィンスベッケン詩」
 1.「ヴィンスベッケ」
 2.「ヴィンスベッキン」
 3.「教訓詩」としての特徴
第6章 デア・シュトリッカー:『婦人の名誉』
 1.作品の成立年代の文学史的考察
 2.作品の主題
 3.mareの複合体としての「冊子」
第7章 ウルリヒ・フォン・リヒテンシュタイン:『婦人の書』
 1.『婦人奉仕』と『婦人の書』
 2.史学的詩人研究
 3.『婦人の書』における討論の機能
 4.真剣さと滑稽さ
小括:中世盛期における三つのミンネの教訓詩の抽出
 1.ミンネに対する親近性
 2.「冊子」形式
 3.ミンネの教訓詩における通時性と共時性
第2部 「ミンネの教訓詩」の内的構造
第1章 ミンネにおける奉仕の理念
 1.ミンネ概念の核
  1-1.「喜びと苦悩」
  1-2.「皇帝のトポス」と「奉仕」
  1-3.ミンネの諸相と性愛
 2.奉仕の理念
  2-1.「騎士」
  2-2.美徳のカタログと「分別」
  2-3.共同体秩序における「この世の喜び」
第2章 ミンネにおける女性の理想化
 1.「ご婦人」の理念
  1-1.地上の天使としての「ご婦人」
  1-2.「名誉の導き手」の美
  1-3.「ご婦人」と「女性」
  1-4.「喜び」をもたらす存在としての「ご婦人」
 2.ミンネと官能性
  2-1.「魅惑的な場所(locus amoenus)」
  2-2.性的放埓・「娯楽」
  2-3.ミンネの賞味期限
 3.ミンネと結婚
  3-1.(女)性と結婚
  3-2.中世盛期文学における結婚の描写
  3-3.『婦人の書』における女性の五様態
  3-4.ミンネの「場」としての結婚
第3章 「ミンネの教訓詩」における理想と現実、伝統と革新
 1.受容者の射程
  1-1.作者と作品の距離感
  1-2.批判者との対決
  1-3.「世間」
  1-4.宮廷の「紳士淑女」
 2.〈批判の書〉としてのミンネの教訓詩
  2-1.問題の所在を確認する機能
  2-2.過去との対比
  2-3.世相批判
 3.〈指南書〉としてのミンネの教訓詩
  3-1.ミンネの実効性
  3-2.理想郷
  3-3.理想と現実
総括:ミンネの教訓詩の文学史的意義
 1.ミンネの教訓詩の形式的特徴と内的構造
 2.ミンネと女性
あとがき
略記一覧
文献リスト
著者田中一嘉 著
発行年月日2014年02月06日
頁数232頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2021-5

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