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人工授精におけるドナーの匿名性廃止と家族

オーストラリア・ビクトリア州の事例を中心に

定価:本体 6,000 円+税
人工授精におけるドナーの匿名性廃止は何をもたらすのか。家族は本当にドナーの匿名性を望んできたのか。揺らぐ家族の生き方を海外の事例をもとに解き明かす。

【著者略歴】
南 貴子(みなみ たかこ)
1978年 愛媛県に生まれる
2001年 東京外国語大学外国語学部欧米第一課程(英語専攻)卒業
2004年 恵泉女学園大学大学院人文学研究科修士課程修了
2008年 お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了
博士(学術)
現在 お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科研究院研究員

☆☆☆第4回西尾学術奨励賞(ジェンダー法学会)受賞☆☆☆
目次を表示します。
まえがき
序 章 家族の視点から見た生殖補助医療における問題
 第1節 問題の所在―第三者の配偶子を利用する生殖補助医療における問題の原点―
 第2節 研究課題の設定―提供精子による人工授精(DI)と家族―
第1章 「DIと家族」に関する先行研究の検討と研究の視角・方法
 第1節 先行研究の検討
  1.DI家族の問題化の推移
  2.DIに対する社会的認識
  3.DI家族の追跡調査研究
  4.DI子の視点からの研究
  5.匿名性廃止のDI家族への影響についての研究
 第2節 研究の視角と研究方法
  1.研究の視角
  2.研究対象と研究方法
 第3節 用語説明
第2章 DIを巡る現状と背景―日本及び世界におけるDIの法制度化の動向を中心に―
 第1節 日本におけるドナーの匿名性廃止に向けた法制度化の流れ
  1.日本における法制度化の現状
  2.DIと日本における養子縁組制度
 第2節 世界におけるドナーの匿名性廃止に向けた法制度化の流れ
 第3節 DI子の出自を知る権利
 まとめ
第3章 ドナーの匿名性からの「脱皮」と家族の揺らぎ
 第1節 イギリス社会におけるDIの対する認識の変遷
  1.British Medical Journal(1945年1月~1945年3月)の読者欄への寄稿論評
  2.The Times(1945年~1984年)に見られるイギリス社会におけるDIに対する認識の変遷とDIに対する政策上の変化
 第2節 ドナーの「非人間化」とレシピエント
 第3節 男性不妊とDI家族
 第4節 DI家族とその子ども
 第5節 新しいドナーの存在
 第6節 ドナーの「人間化」と揺らぐ父親の男性性
 第7節 ドナーの「人間化」と新しいDI家族の在り方
 まとめ
第4章 ドナーの匿名性廃止の法制度化がもたらした課題―オーストラリア・ビクトリア州の事例を中心に―
 第1節 ビクトリア州のInfertility(Medical Procedures)Act 1984及びInfertility Treatment Act 1995について
     (DI子が自己の出自に関する情報を得るためにはどのような登録制度が設けられ、機能しているのか)
  1.Infertility Treatment Authority(ITA)による登録の管理
  2.Infertility Treatment Authority(ITA)における登録制度・登録内容
  3.Infertility Treatment Authority(ITA)による登録管理制度が示すもの
 第2節 DI子の出自を知る権利はどう守られたのか
 第3節 法律の施行がもたらした子どもの出自を知る権利における格差
 第4節 ドナーの匿名性廃止の法制度化がドナーによる精子提供に及ぼす影響と対策
 第5節 ビクトリア州の事例分析が示唆するもの
  1.医療側の問題  
  2.政府側の問題
  3.「家族」の問題
 まとめ
第5章 オーストラリア・ビクトリア州のシングル女性、レズビアン女性のDI利用を巡って生じた「新たな課題」
    ―McBain裁判とPatrick事件を巡って―
 第1節 レズビアン家族とDI
 第2節 McBain裁判とシングル女性、レズビアン女性の生殖補助技術へのアクセス権
 第3節 シングル女性、レズビアン女性の生殖補助技術へのアクセス権と子どもの父を持つ権利
 第4節 シングル女性、レズビアン女性のDIへのアクセスのその後
 第5節 Patrick事件にみられるレズビアン女性とドナーのDI子を巡る対立
 第6節 DI家族と残された課題
 まとめ
第6章 Assisted Reproducitve Treatment Act 2008制度によるオーストラリア・ビクトリア州のDI利用における「新たな取り組み」
 第1節 Assisted Reproductive Treatment Act 2008の制定
  1.Assisted Reproductive Treatment Act 2008の制定に向けたビクトリア州の社会的な動き
  2.Assisted Reproductive Treatment Act 2008の制定
 第2節 Assisted Reproductive Treatment Act 2008に見られるDIの利用(生殖補助技術の利用)に対する「新たな取り組み」  
  1.子どもの出自を知る権利の問題
  2.ドナーのDI子(DC-person)へのアクセス権
  3.シングル女性、レズビアン女性の生殖補助技術の利用へのアクセス権
  4.Assisted Reproductive Treatment Act 2008のもとでの生殖補助技術の利用における新たな議論 
 まとめ
終 章 日本における生殖補助医療の法制度化に向けて
 第1節 ドナーの匿名性廃止の法制度化における政策上の提言
  1.ドナーの匿名性廃止と家族の変容
  2.政策上の提言
 第2節 本研究の意義
 第3節 今後の課題

文献
巻末表
参考資料
初出一覧
Abstract

あとがき
著者南貴子 著
発行年月日2010年06月30日
頁数366頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1799-4