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フランス公教育論と市民育成の原理

コンドルセ公教育論を起点として

定価:本体 13,000 円+税
公教育論発祥の地であるフランスに焦点を定め、18世紀以降の公教育論を詳細に究明。フランス型学校教育の基幹課題をその哲学に迫って纏めた著者半世紀に亙る大著。

【著者略歴】
石堂常世(いしどう つねよ)
早稲田大学教育学部、同大学院文学研究科で教育哲学を専攻、1975年にフランス政府給費留学生としてパリ第1大学(ソルボンヌ)博士課程留学、La philisophie et éducation chez René Hubert で哲学博士号を取得。早稲田大学大学院教育学研究科修士課程・博士課程の教育哲学研究指導教授、2013年4月1日より、郡山女子大学副学長。
目次を表示します。
第一部 コンドルセ公教育論の研究
 第一章 啓蒙思潮
  第一節 啓蒙思想の前提的精神
  第二節 フランス啓蒙思想の基本的態度とその本質
 第二章 アンシャン・レジームと教育問題
  第一節 一八世紀の教育施設と教育内容
   一、初等教育の状況
   二、中等教育の状況
   三、高等教育の状況
  第二節 教育の改革―公教育の先駆的理論
   一、ラ・シャロテーの公教育論
   二、チュルゴの公教育論
   三、ディドロの公教育思想
  導入の部 コンドルセへの架橋―タレーランの公教育論
 第三章 コンドルセ―その孤高なる生涯
  序論(参考文献を含む)
  第一節 幼年期から青年期へ
  第二節 社会問題への論及
  第三節 公教育法案の策定と暗転
  第四節 革命の変質と人類への遺稿
 第四章 コンドルセ公教育論の思想史的考察
  第一節 「最後の哲学者―コンドルセ」の解釈について
  第二節 コンドルセ公教育論の著作における相互関係
  第三節 コンドルセ公教育論の基本的構造―第一覚え書き「公教育の本質と目的」を中核とした解釈
  第四節 「公教育に伴なう三つの問題に対する解答」について
   一、知育限定論について
   二、教育における公権力の制限について
   三、男女平等の教育論について―女子教育問題に関するコンドルセ理論の斬新性
  第五節 教育権の独立性について―「公教育の一般組織に関する報告および法案」を中心として
  第六節 カリキュラム編成から考察したコンドルセ公教育論の相互関係
  〈翻訳〉コンドルセ 公教育の必要性について(一七九三年)
第二部 フランス公民教育の研究
 第一章 学校における道徳教育―フランスにおける教育世俗化の問題を中心に
  一、ライシテの語義
  (一)教皇権と国王権の対立
  (二)定義
  二、教育史の中のライシテ
  (一)フランス革命期からファルー法まで
  (二)ジュール・フェリとライシテ
  (三)道徳と共和国精神
  (四)ライシテ政策への反動
  (五)ライシテの攻勢
  (六)教会側の抵抗
  (七)両派の歩み寄りと反目
  (八)第五共和政の共存政策
  三、道徳・公民教育
  (一)目標と内容
  (二)ライシテ問題の今日的課題
 第二章 新編「公民教育」にみるフランス革命の“遺産”について―共和国的理念を中心に
  まえがき
  一、フランス共和国の市民の育成
  二、フランス革命の遺産と「公民教育」
  三、結論に替えて フランスのシンボルとメモワール
 第三章 フランスの学校教育におけるシヴィスム civisme の再編・強化をめぐる考察
  はじめに
  一、公民教育か市民育成か―語彙分析から
  二、シヴィスムをめぐる歴史的含意
  三、今日的シヴィスムの内容と理論的葛藤
 第四章 教育改革と教育理論―ロマンティスムからリアリスムへ
  はじめに
  一、教育学的ロマンの追究 教育の民主化
  (一)教育のまえの「平等」
  (二)教育改革のなかの「個人」「子ども」
  (三)教育課程と教育方法の「現代化」
  (四)教育実践・理論にみる「体制批判」
  (五)教育研究の「科学化」
  二、教育をめぐる現実的要請 国家的団結
  (一)「知識」・「道徳」・「歴史」の見直し
  (二)企業と学校/テクノロジーと教育
  (三)国際社会と明日のヒューマニズム
  (四)「効率」をねらう二一世紀の教育戦略
 第五章 市民性育成教育の論理と構造―フランスの「公民教育」再興を事例として
  はじめに
  本論「公民教育」再興の論理
   A 後退から再興への潮流
   B 再興を促した論理
    その一 フランス共和国活性化論
    その二 アナール学派流歴史教育への不満
    その三 現代思想克服の論理
  おわりに
   〈注記〉「公民教育・市民教育」「市民・国民・公民」
 第六章 “市民性”の育成を日仏教科書にさぐる―特にフランスの教科書について
  はじめに
  一、教科書にみる「市民」と「人間」の育成
  二、歴史教育の問題
  三、異文化・異国へのまなざしと理解
  四、知識・情報・イメージの提示方法の多様さ
  五、記述内容の詳細さと字の小ささ
  六、実証的・現実的提示と美的センス
  七、科学知か、道徳性か
 第七章 フランスの学校教育にみる“ライシテ”の歴史性と今日性―研究状況と課題
  はじめに
  一、政教分離の歴史的意味
  二、政教分離の今日的解釈
  三、研究動向
  四、おわりに―課題に代えて
 第八章 価値教育の実践原理―フランスの現行「公民教育」の論理構造を中心に
  はじめに
  一、価値への回帰
  二、今日的価値論の基礎
  三、公民的道徳の実践原理

付録(資料翻訳)
 省令、通達、答申書
 ●国民教育省 小学校教育局通達(一九八五年五月一五日 通達 circulaire,一九八四年四月二三日の学習指導要領 Programmes et instructions 小学校の部「公民教育」への補則)
  「共和国のシンボル」Les symboles de la R★(eにアクサンテギュ)publique(翻訳)
 ●フランスの国家について
  ・「なぜ「ラ・マルセイエーズ」なのか」Pourquoi La Malseillaise?
国立教育資料センター(CNDP)制作、一九八六年(スライド付きカセットテープ説明文の翻訳)
  ・国歌「ラ・マルセイエーズ」の成立と定着に関する年表
 ●国民教育省 小学校・コレージュ・リセ教育局通達
  Circulaire du 21 avril 1988 n°88-110「フランス革命および「人間と市民の権利の宣言」二〇〇周年記念祭」
  Comm★(eにアクサンテギュ)moration du bicentenaire de la R★(eにアクサンテギュ)volution francaise et de la D★(eにアクサンテギュ)claration des droits de L'homme et du citoyen(翻訳)
 ●エコール・ノルマルの初等教育教員養成カリキュラム(一九八六年三月一四日 国民教育省通達)
  Circulaire n°86-134 du 14 mars 1986,Programme de formation dispens★(eにアクサンテギュ)e dans les ★(eにアクサンテギュ)coles normales d'instituteurs et d'institutrices(関連箇所抜粋翻訳)
 ●いわゆるブルデュー委員会 Commission Bourdieu「地理、歴史、経済検討委員会」答申書にみる「公民教育についての提言」1989(翻訳)
 公民教育、人権教育に関する研究会報告書
  フランス国立教育研究所(CNRP)「道徳・公民教育 今日の問題を考察するための歴史的諸要因」研究代表、フランソワ・オーディジェ 1988(翻訳)

 フランスの道徳・公民教育関連年表
 フランスの道徳・公民教育関係 邦語文献目録
 フランスの道徳・公民教育関係 仏語文献目録
 フランスの学校制度と学年の呼称

初出一覧
あとがき
   
著者石堂常世 著
発行年月日2013年03月15日
頁数558頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1991-2