博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

日本における保健婦事業の成立と展開

戦前・戦中期を中心に

定価:本体 9,000 円+税
保健婦事業の草創期から発展期における施策と活動実践の関係に注目。事業の成立条件、都市・農村で展開した公衆衛生や社会事業領域の役割を地域実践に即して解明。

【著者略歴】
川上裕子(かわかみ ゆうこ)
1970年 千葉県生まれ
1992年 慶應義塾看護短期大学卒業
1999年 お茶の水女子大学生活科学部卒業
2011年 お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了,博士(学術)
現 在 千葉大学大学院看護学研究科助教
目次を表示します。
序章
 第1節 問題の所在
 第2節 先行研究の検討
  第1項 保健婦事業に関する研究
  第2項 保健婦の養成制度・養成機関に関する研究
  第3項 保健婦の資格制度に関する研究
  第4項 健民健兵政策下における保健婦の活動に関する研究
  第5項 小括
 第3節 本研究の課題
 第4節 対象とする時期と時期区分
 第5節 研究の方法
 第6節 章別構成
第1章 地域実践史としての保健婦事業―その基本的構造―
 第1節 保健婦の職業起源とその変遷
 第2節 内務省・厚生省のもとで実施された公衆衛生事業ならびに社会事業
  第1項 明治期から大正期―治療活動から予防活動へ―
  第2項 昭和初期―救貧活動から防貧活動へ―
  第3項 戦時体制期―健民健兵政策の一翼を担って―
 第3節 衛生、医療、社会事業問題における都市と農村
  第1項 衛生問題からみた都市と農村
  第2項 医療問題からみた都市と農村
  第3項 社会事業問題からみた都市と農村
 小括にかえて―実践記録からみた都市ならびに農村保健婦の活動
第2章 保健婦事業成立の史的前提―地域別・事業別分類による保健婦の活動―
 はじめに
 第1節 公衆衛生行政と保健婦事業
  第1項 公衆衛生行政の組織構造
  第2項 公衆衛生専門機関の設置
   1)公衆衛生院
   2)都市保健館
   3)農村保健館
 第2節 都市を中心に展開した公衆衛生看護活動
  第1項 大阪乳幼児保護協会
   1)本多ちゑにみる実践活動の特徴
   2)社会事業的視点からのアプローチ
  第2項 朝日新聞社会事業団公衆衛生訪問婦協会
   1)事業展開のプロセス
   2)保良せきを中心とする看護的視点からのアプローチ
  第3項 聖路加国際病院公衆衛生看護部
   1)聖路加女子専門学校における看護教育の展開 
   2)公衆衛生的視点からのアプローチ
  第4項 東京市特別衛生地区保健館(都市保健館)
   1)公立施設としての組織構成
   2)事業展開からみた特徴
    (1)特別衛生地区(京橋区)の概況
    (2)保健指導部の役割
    (3)保健婦の職名
    (4)保健婦の活動
 第3節 農村を中心に展開した公衆衛生看護活動
  第1項 農村における公衆衛生看護活動の特徴
  第2項 恩賜財団愛育会
  第5項 埼玉県特別衛生地区保健館(農村保健館)
 小括
第3章 保健婦事業における制度化と専門化
 はじめに
 第1節 保健所法の成立
  第1項 保健所法制定以前の講習衛生行政
  第2項 保健所法の制定過程
  第3項 保健所法の実施と保健婦の活動
 第2節 保健婦規則の制定過程
  第1項 保健婦規則制定の契機
  第2項 資格の統一
  第3項 名称の変遷
 第3節 保健婦養成制度の成立と展開
  第1項 養成制度の統一化と種別化
  第2項 各地における養成機関設立の動向
 小括
第4章 農村地域における保健婦養成―島根県松江社会保健婦養成所一期生の経験からみた保健婦養成の実態―
 はじめに
 第1節 研究の対象と方法
  第1項 既存資料の分析
  第2項 関係者へのインタビュー調査
  第3項 分析方法
  第4項 倫理的配慮
 第2節 既存資料の分析結果
  第1項 社会保健婦養成所設立の経緯
   1)島根県の保健衛生状態と衛生施策
   2)島根県における保健婦養成と保健婦試験制度
  第2項 県学務部長加藤精三の社会保健婦養成所構想
   1)高等女学校に付設された社会保健婦養成所
   2)島根県学務部長加藤精三
   3)社会保健婦養成所の運営費
  第3項 社会保健婦養成所の概要
   1)第一種養成所の指定
   2)教員構成
   3)教育内容の概要
   4)社会保健婦養成に期待されたこと
 第3節 インタビュー調査の分析結果
  第1項 調査対象者のプロフィール
  第2項 養成所の入学経緯
  第3項 教育の概要
   1)教育科目と教員
   2)実習の位置づけ
   3)看護婦資格の取得
   4)教員三浦貞の保健婦観から見えてくるもの
   5)島根県の保健婦事業における養成所生徒の位置づけ
  第4項 養成所卒業後の進路
   1)一期生の就職先
   2)就職先の決定
   3)地域における活動とその受け入れ体制
 小括
第5章 戦時厚生事業と保健婦―制度化と地域実践の狭間で―
 はじめに
 第1節 国民健康保険制度と保健婦の活動
  第1項 国民健康保険制度の成立過程
  第2項 国民健康保険組合の普及過程と保健婦
 第2節 保健所における保健婦の活動
  第1項 保健所の拡充過程と保健婦の設置
  第2項 保健婦の活動の実際
 第3節 保健婦事業の拡大と組織化―専門職団体の確立に向けて―
  第1項 日本保健婦協会の設立
   1)設立に至る経緯
   2)日本保健婦協会会則
   3)会長の選任
   4)設立に関する政府の関与
   5)各地における保健婦団体結成の動き
  第2項 日本保健婦協会の活動実態
   1)加入状況
   2)財源問題
   3)総会
   4)加入形態
   5)活動方法
   6)講習会,機関紙の発行
   7)日本保健婦協会に対する期待と要望
 第4節 日本医療団結成と保健婦の活動
  第1項 国民医療法の制定
  第2項 保健婦に関わる制度の改正
   1)保健婦規則の改正
   2)養成制度の変化
   3)日本保健婦会への改組
 小括
終章 
 第1節 要約
 第2節 結論
  第1項 保健婦の活動基盤としての社会事業と公衆衛生
  第2項 保健婦養成制度の統一化への動きと地域実践
  第3項 健民健兵政策のもとで変容する保健婦事業の特徴
 第3節 今後の課題と展望
参考文献
巻末資料
あとがき
著者川上裕子 著
発行年月日2013年02月25日
頁数348頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1978-3