博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

フランクル教育学への招待

人間としての在り方、生き方の探究

定価:本体 3,800 円+税
フランクルの人間形成論・宗教教育論の内容を浮き彫りにした。ロゴセラピー(実存分析)を「超越性」との関わりで教育人間学の観点から把捉したところに特色がある。

【著者略歴】
広岡 義之(ひろおか・よしゆき)
1958年生まれ
関西学院大学大学院文学研究科博士課程(教育学専攻)単位取得満期退学
現在 兵庫大学健康科学部教授、博士(教育学)

専攻 教育学(教育哲学・教育思想)
目次を表示します。
推薦の言葉(日野原重明)
はしがき
序に代えて ウィーン訪問記
 フランクル夫人との面談およびフランクル・インスティチュートを訪問して
第一部 フランクルの「生涯と思想」
 第一章 フランクルの生涯と思想 (一)
   幼・少年時代から収容所抑留直前(ナチのオーストリア侵攻まで)
  第一節 早熟な幼・少年時代
  第二節 心理学の双璧フロイトとアドラーとの対峙
  第三節 医学生そして精神科医としての修業時代
 第二章 フランクルの生涯と思想 (二)
   妻ティリーとの出会いから収容所抑留中の苦悩の日々まで
  第一節 収容所抑留直前のできごと
  第二節 最初の妻ティリーとの出会いと結婚
  第三節 テレージエンシュタットからアウシュヴィッツまで
  第四節 アウシュヴィッツからカウフェリング第三収容所(ダッハウの支所)へ
  第五節 最後の収容所トゥルクハイムへ
 第三章 フランクルの生涯と思想 (三)
   収容所解放直前から最晩年まで
  第一節 トゥルクハイム収容所での苦悩
  第二節 収容所からの解放
  第三節 妹以外のすべての肉親を失ったフランクル
  第四節 絶望からの復帰
  第五節 念願の『医師による魂の癒し』(邦訳『死と愛』) の出版
  第六節 精力的な諸活動の開始
  第七節 人生の再出発
  第八節 晩年のフランクルおよび彼の思想継承について
 第四章 フランクルの『夜と霧』を読み解く
   混迷する二十一世紀への精神的メッセージ
  第一節 序に代えて フランクルという人物
  第二節 家族・妻との関わりにおける「フランクル自伝」 強制収容所抑留から解放まで
  第三節 『ある心理学者の強制収容所体験』
       (英語訳、『人間の意味探究』)(邦訳、『夜と霧』)の歴史的意義について
       歴史上これまで最も多く読まれた十冊の書物のうちの一冊
       (アメリカ図書館協議会)
  第四節 文学作品的価値のある『ある心理学者の強制収容所体験』
      (英語訳、『人間の意味探究』)(邦訳、『夜と霧』)
  第五節 フランクルの「発見的楽観主義」について
  第六節 収容所生活での被収容者の心理的反応の第一段階
  第七節 収容所生活での被収容者の心理的反応の第二段階
  第八節 「群居動物」としての「退行」
  第九節 内面的なものの発露 人間の尊厳としての「宗教的な関心」
  第十節 「期限なき仮の状態」としての被収容者
  第十一節 「生存」の分水嶺としての「未来の目的」
  第十二節 収容所生活での被収容者の心理的反応の第三段階 「恩寵」としての生還
第二部 フランクルの「人間学・人間形成論」
 第一章 フランクルにおける「精神的無意識」について
  第一節 「精神的無意識」と「ロゴセラピー」
  第二節 「精神的無意識」の名誉回復
  第三節 「責任存在」としての人間
  第四節 人間の「良心」と「超越性」
 第二章 フランクルにおける人間形成論
   シュタイナーの「無意識への教育」との関わりで
  第一節 「愛」と「良心」とのかかわり
  第二節 「愛」の決断
  第三節 精神的無意識としての「芸術的良心」
  第四節 結語に代えて シュタイナーの強調する「無意識の教育」
 第三章 フランクルにおける「実存分析」について
   その教育学的意義
  第一節 「実存分析」とは何か
  第二節 「問いかけられている存在」としての人間
  第三節 フランクルの「実存分析」概念の臨床教育学的意義
 第四章 フランクルにおける「幸福」「愛」「働くこと」
  第一節 問題の所在
  第二節 「幸福」であるということ
  第三節 「愛する」ということ
  第四節 「働く」ということ
 第五章 フランクルの「人格論」について(前編)
   『人格についての十の命題』を中心に
  第一節 問題の所在 現代のニヒリズムを打破する「人格論」の提唱
  第二節 第一の命題 人格とは分割しえない一人の個人である
  第三節 第二の命題 人格は分割も総合も不可能な存在である
  第四節 第三の命題 個々の人格は絶対的に新たなものである
  第五節 第四の命題 人格は精神的なものである。精神そのものはけっして病にならない
  第六節 第五の命題 人格は実存的なものであり、そして人格は決断する
 第六章 フランクルの「人格論」について(後編)
   『人格についての十の命題』を中心に
  第一節 第六の命題 人格は「自我的」なものであり「エス的」なものではない
  第二節 第七の命題 「人格」は統一体と全体とを成立させるものである
  第三節 第八の命題 人格は活動的なものである
  第四節 第九の命題 人格は自己を超越した存在である
  第五節 第十の命題 人格はただ「神の似姿」としてのみ理解される
第三部 フランクルの「宗教教育論」
 第一章 フランクルの思想(ロゴセラピー)は宗教教育にどのように貢献しうるか?
  「究極的な問い」の教育学的意義
  第一節 問題の所在
  第二節 近年の国内でのフランクル翻訳書および研究書の動向
  第三節 フランクルの提唱する「ロゴセラピー」と「実存分析」
  第四節 トウィディにおけるフランクル思想の受容と批判
  第五節 宗教教育における真正の「宗教性」とは?
  第六節 結語に代えて 宗教教育における「究極的な問い」
 第二章 フランクルにおける「超越」の問題
  第一節 「良心」と「超越性」
  第二節 「良心」と「宗教性」について
  第三節 「分け隔てられた存在」・「自己距離化」・「自己超越性」
  第四節 「実存的人格の無意識」を探究する「高層心理学」
  第五節 「意味」からの呼びかけに応える「存在」としての人間
  第六節 無意識の「精神性」について
 第三章 フランクル思想の「宗教性」について
   「苦悩」の教育的意義の可能性を中心に
  第一節 序に代えて 「人生の意味の問い」に気づかせる「ロゴセラピー」
  第二節 「態度価値」としての「苦悩」の意味について
  第三節 フランクル思想の宗教性を基礎づける「究極的意味」「超越性」について
  第四節 結語に代えて 「苦悩」の教育的意義
 第四章 フランクルにおける「態度価値」について
   「悲嘆教育」の可能性との関連で
  第一節 フランクルにおける「態度価値」(Einstellungswert)とはどのようなものか?
  第二節 「宗教教育」としての「悲嘆教育」の可能性 
 第五章 「正しい時への関わり=真の生きる意味」をめぐる宗教教育的視点
   ボルノーとフランクルに学びつつ
  第一節 問題の所在
  第二節 ボルノーの「希望」概念 「期待」(閉ざされた時間)と「希望」(開かれた時間)
  第三節 フランクルの「自己超越性」について
  第四節 聖書が語る「正しい時への関わり=真の生きる意味」のメッセージ
本書の摘要
付録 フランクル略年表
初出一覧
著者広岡義之 著
発行年月日2008年08月31日
頁数396頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1690-4