博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

ドイツ田園教育舎研究

「田園」型寄宿制学校の秩序形成

定価:本体 14,000 円+税

世紀転換期の「新教育」を代表する寄宿制学校を題材にして、近代教育の捉え直しを試みる。「自己活動」を重視する学校の秩序はどのようにして実現されるのかを問う。

【著者略歴】
山名 淳(やまな じゅん)
1963年 鳥取県生まれ
1991年 広島大学大学院教育学研究科博士課程後期(教育学専攻)単位取得退学、広島大学教育学部文部教官助手
1992年 ドイツ学術交流会奨学生(ベルリン・フンボルト大学)
1995年 神戸市外国語大学外国語学部専任講師
1997年 神戸市外国語大学外国語学部助教授
1999年 東京学芸大学教育学部助教授
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
序章 ―課題と方法―
 第1節 問題設定―「田園」型寄宿制学校の秩序形成―
 第2節 考察の視座
 (1)「新教育」に関する二重の<創作>を超えて 
 (2)「近代教育」批判と「新教育」研究 
 第3節 先行研究の概観
 第4節 考察の焦点
 (1)「田園」型寄宿制学校の要としての教育舎 
 (2)ハウビンダ校への注目
 第5節 本書の構成
第1章 「大都市」をめぐる教育学的思考
―H.リーツとJ.テフスの<大都市/田園>図式を中心に―
 第1節 問題の所在
 (1)「田園」型教育論
 (2)「大都市」型教育論との対比 
 第2節「大都市」の時代
 (1)大規模都市の叢生と「大都市」の意味論
 (2)教育学における「大都市」問題の登場
 第3節 テフスの「大都市」像
 (1)「大都市教育学」者としてのテフス
 (2)「大都市」内部のまなざし
 (3)「街路」の両義性
 (4)「大都市」が教育する 
 第4節 リーツの「大都市」像
(1)「大都市」外部のまなざし
 (2)「地獄の沼」としての「大都市」
 (3)「田園」が教育する
 第5節 〈大都市/田園〉教育論の地平
 第6節 教育学的思考の触媒としての「大都市」―まとめにかえて―
第2章 リーツの教育構想―『エムローシュトッバ』の検討を中心として―
 第1節 教育の方へ
 第2節 『エムローシュトッバ』の構成
第3節 リーツの教育構想―「授業の学校」から「教育の学校」への移行―
(1)「教育」による子どもの包囲 
 (2)寄宿制の要請
 (3)「田園」「教育」「(寄宿)舎」の接合 
 第4節「国家のなかの小国家」における教育的権威
 (1)「ドイツ」に込められた意味 
 (2)「学校国家」における「自己活動」
第3章 ドイツ田園教育合の生活規則―衣食に関する規則を中心として―
 第1節 問題の所在
 第2節 生活改革運動・「新教育」運動・ドイツ田園教育舎―予備的考察―
 第3節 許容される物とされない物―衣食の領域を対象とした場合―
 (1)〈衣〉に関する規則 
 (2)〈食〉に関する規則
 第4節 自然療法による日常生活の規定
 (1)自然療法医ハインリヒ・ラーマン
 (2)教育舎における生活規則と自然療法の連関 
 第5節 自然療法の時代
 第6節 生活改革運動的意味世界の基底と「新教育」
 (1)自然療法と健康「幻想」 
 (2)〈自然性〉の循環論証―教育舎における治療と教育の接合―
 第7節 学校衛生における近代主義と反近代主義の間―まとめにかえて―
第4章 ドイツ田園教育舎の時間
 第1節 教育舎における日課の基本的な流れ
 第2節 教育舎の教科課程
 (1)世紀転換期の中等教育制度 
 (2)高等実科学校型の教科課程 
 第3節 課外活動の時間
 第4節 試験制度をめぐるリーツのジレンマ
 補論 実科学校型から高等実科学校型へ―教育舎の三分割運営について―
第5章 ドイツ田園教育舎の空間(その1)
―ハウビンダ校キャンパスの構築過程およびその基本特徴について―
 第1節 身体活動の場としての教育舎空間
 第2節 広大なキャンパス 
 第3節「無秩序」からの出発―ハウビンダ校キャンパスの構築過程
 第4節 諸施設の特徴
 (1)主校舎
 (2)副校舎
 (3)厩舎
 (4)各種作業場 
 (5)ファミリー・ハウス
 第5節 屋外空間
 (1)農作業の場
 (2)スポーツ・遊戯の場
 (3)森林
 補論「新教育」における身体問題に関する覚え書き 
第6章 ドイツ田園教育合の空間(その2)
    ―ハウビンダ校における〈見通し性〉構造をめぐって―
 第1節 ハウビンダ校キャンパスにおける施設配置の問題
 第2節 近代教育における〈見通し性〉の仮説と「新教育」
―考察の枠組み―
 第3節 諸施設が織りなす構図
 (1)ハウビンダ校における中心と両翼
 (2)人間関係の投影としてのハウビンダ校空間 
 (3)扇状の平地を覆う施設 
 第4節 教育舎における生徒たちの「アジール」
 第5節 ハウビンダ校空間におけるリーツの位置と意志
第7章 ドイツ田園教育舎の空間(その3)
―ハウビンダ校の隔絶性問題について―
 第1節 教育舎の隔絶性問題
 第2節 公爵領ザクセン・マイニンゲン 
 第3節 ハウビンダ校とその外部
 (1)近隣の村との関係
 (2)小規模都市との関係
 第4節 鉄道網
 第5節 大規模都市との接続
 (1)保護者との距離
 (2)修学旅行 
 第6節 遮断の方略
第8章 ドイツ田園教育合の人間関係(その1)
―ファミリー制の成立過程とその特徴について―
 第1節 人間関係の要としてのファミリー制
 第2節 教育舎におけるプリーフェクト制
 第3節 プリーフェクト制からファミリー制へ
 第4節 ファミリー制導入の背景
 (1)三分割運営にともなうブリーフェクト制続行の困難
 (2)ブリーフェクト制に対する内部批判
 第5節 教育舎組織における樹状構造
 第6節 ファミリー制のなかの樹状構造
 (1)ファミリー制の実施形態―ハウビンダ校の場合―
 (2)ファミリー制とハウビンダ校キャンパス 
 第7節 意図せざる戦略としてのファミリー制
第9章 ドイツ田園教育合の人間関係(その2)
―ハウビンダ校における教師離反事件について―
 第1節 問題の所在
 第2節 焦点としての二度の教師離反
 第3節 ゲへ-プおよびヴィネケンの離反
 (1)ハウビンダ校賃貸をめぐる乱轢
 (2)ゲへ-プらの離反がもたらしたもの 
 第4節 マルセイの離反
 (1)マルセイとリーツの確執 
 (2)マルセイ離反の帰結
 第5節 内部の統制化と流布のダイナミズム―まとめにかえて―
結章 「田園」型寄宿制学校の秩序形成に関する一解釈
付録
文献一覧
あとがき 
人名索引 
申し訳ございませんが、只今品切れ中です。
著者山名淳 著
発行年月日2000年02月15日
頁数468頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1188-6