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明治初期におけるアメリカ教育情報受容の研究

定価:本体 11,500 円+税
本書は、近代学制揺籃期におけるアメリカ教育情報受容の実態を斬新な視点から考証し、日本における草創期の教育学研究の特質を考察した実証的な研究である。
【1998年3月初版刊行】

【著者略歴】
橋本美保(はしもと みほ)
1963年 広島県生まれ
1986年 広島大学教育学部卒業
1990年 日本学術振興会特別研究員(DC)、広島大学大学院教育学研究科博士課程中途退学
東京学芸大学教育学部専任講師、助教授、准教授を経て
現在 東京学芸大学教育学部教授、博士(教育学)
目次を表示します。
序 ―研究の課題と方法―
第Ⅰ部 19世紀アメリカにおける教育情報の生成
第1章 州立師範学校運動と19世紀の教育ジャーナリズム
 第1節 アメリカ教師教育論の成立と州立師範学校運動
  1.教師教育論の成立
  2.州立師範学校の成立と普及
 第2節 アメリカにおける教育雑誌の誕生
 第3節 1825年から1850年における教育雑誌の発展
 第4節 1850年から1865年における教育雑誌の隆盛
 第5節 1865年から1885年における教育雑誌の多様化
第2章 教師向け教育専門書の刊行
 第1節 19世紀前半のアメリカ教育書
 第2節 Teachar's Libraryの成立
  1.バーンズ社の創設
  2.Teachar's Libraryの構成
  3.著者の群像
第3章 教育情報をめぐる連邦の施策
 第1節 連邦教育局の創設
  1.創設運動の起こり
  2.連邦議会への働きかけ
  3.法案をめぐる論争
  4.連邦教育省の設置と局への降格
 第2節 バーナードの運営理念とその実態
  1.初代教育長官への着任と運営理念
  2.教育情報の収集と普及
  3.バーナードへの批判
 第3節 イートンと連邦教育局の確立
  1.イートンの改革方針
  2.教育情報の収集と普及
  3.全米教育協会(NEA)との協力
  4.連邦教育局の出版物
第Ⅱ部 文部省によるアメリカ教育情報の受容施策
第4章 文部省によるアメリカ教育受容の態勢
 第1節 文部行政における御雇外国人
  1.フルベッキに対する教育政策の諮問
  2.学監モルレーの招へい
  3.スコットによる師範教育の実践
 第2節 小学師範学会取調員のアメリカ留学
  1.師範学科取調員派遣の決定
  2.伊沢修二のブリッジウォーター師範学校留学体験
  3.高嶺秀夫のオスウィーゴー師範学校留学体験
  4.神津専三郎のオルバニー師範学校留学体験
第5章 文部省によるアメリカ教育書・教育雑誌の収集と翻訳
 第1節 東京書籍館・教育博物館の創設とアメリカ教育情報の収集
  1.東京書籍館・教育博物館の設置
  2.東京書籍館における教育文献の収集
  3.教育博物館における教育文献の収集
 第2節 文部省によるアメリカ教育雑誌・報告書類の収集とその利用
  1.アメリカ教育雑誌・報告書類の収集
  2.文部省刊行誌の紹介されたアメリカ教育雑誌の記事
  3.アメリカ教育雑誌からの記事採択の特色
 第3節 Teachar's Libraryの訳出とその利用
  1.Teachar's Libraryの日本への輸入
  2.文部省によって翻訳刊行された書籍
  3.文部省刊行誌に翻訳紹介された書籍
 第4節 アメリカ教育情報の収集に携わった文部官僚
  1.米国駐在少弁務使時代の森有礼による教育書の収集
  2.留学生監督目賀田種太郎の役割
第6章 ファン・カステールによる西洋教育書の翻訳作業
 第1節 ファン・カステールの生涯
  1.先行研究の整理
  2.フルネーム
  3.出身・家族・学歴
  4.日本での商業活動
  5.日本での教育活動
  6.東京での私雇時代
 第2節 ファン・カステールの活動
  1.ファン・カステールによる翻訳書
  2.明治初期における文部省の翻訳事情
  3.ファン・カステールの協力者
 第3節 文部省の翻訳事業の問題点
第Ⅲ部 官立師範学校におけるアメリカ教育情報の試行的実践
第7章 官立師範学校における西洋教育学研究の態勢
 第1節 官立師範学校の研究設備および規則の整備
  1.教則にみる教育学関係の授業内容
  2.図書の整備状況
  3.図書に関する施設・規則の整備
 第2節 教職員の陣容
第8章 官立愛知師範学校長伊沢修二による西洋教育情報の受容と活用
 第1節 初期の教育論を形成したアメリカの教育関係書
  1.伊沢とクリーゲのThe Childとの出会い
  2.ページのTheory and Practice of Teachingの内容と特色
  3.ノルゼントのThe teacher's Assistantの内容と特色
 第2節 『教授真法』にみる西洋教育学説の受容
  1.『教授真法』の構成と概要
  2.『教授真法』にみる伊沢の西洋教育学説受容の特質
 第3節 官立愛知師範学校における教育実践
  1.伊沢の作成した「小学教則書」
  2.「口授」の導入
  3.「唱歌」「嬉戯」の実践
第9章 官立師範学校の小学教則にみるアメリカ教育情報の活用
 第1節 官立長崎師範学校の蔵書
 第2節 官立大阪師範学校の教育学研究とその実践
  1.小学教則の制定
  2.「附属小学校教則」の特色
  3.教職員と研究活動
 第3節 官立師範学校における小学教則の共通性と独自性
第Ⅳ部 地方におけるアメリカ教育情報の伝播状況
第10章 大学区教育議会にみるアメリカ教育情報
 第1節 大学区教育議会の開催とその審議状況
  1.各大学区における教育議会の開催状況
  2.大学区教育議会開催の契機
  3.大学区教育議会における議題
 第2節 第二大学区教育議会の概要
 第3節 第二大学区における小学教則についての審議
  1.「口授」論争
  2.唱歌・嬉戯に対する意見
  3.図画無用論
  4.議論に表れた西洋教育情報の受容と葛藤
 第4節 大学区教育議会の管下の府県への影響力
  1.官立愛知師範学校制定小学教則の特色
  2.第二大学区各県の小学教則改正
  (1)石川県・浜松県の小学教則改正
  (2)第二大学区教育議会成議案の小学教則
  (3)敦賀県・静岡県・岐阜県の小学教則改正
  (4)三重県の小学教則改正の特色
第11章 第三大学区におけるアメリカ教育情報の伝播
 第1節 官立大阪師範学校制定小学教則の管内府県への普及状況
 第2節 小学教則普及のルート
  1.府県の学事会議
  2.官立師範学校から府県の師範学校へ
  3.文献による普及
 第3節 兵庫県教育会議における小学教則の審議
  1.兵庫県教育会議の概要
  2.小学教則の審議状況
  (1)珠算廃止論
  (2)画法無用論
  (3)男女体操平等論
  3.小学教則の審議の特色
結び
初出誌一覧
あとがき
索引
著者橋本美保 著
発行年月日2013年04月30日
頁数374頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1076-6