教員の異文化体験
異文化適応・人間的成長・教員としての成長
定価9,900円(本体 9,000円+税)
日本からの教員海外派遣プログラムで海外に滞在した経験を持つ教員を対象に質的調査を実施。異文化接触による人間的成長と教員としての成長について明らかにした。
【著者略歴】
鈴木京子(すずき きょうこ)
1976年 お茶の水女子大学文教育学部文学科英文学英語学専攻卒業
1977年から2年間 オーストラリアクイーンズランド州教育省日本語教師
1979年から3年間 オーストラリアグリフィス大学アジア・国際学部日本語専任講師
1985年 米国コーネル大学大学院修士課程言語学科言語学専攻修了(Master of Arts)
2001年 お茶の水女子大学人間文化研究科発達社会科学専攻社会臨床論コース修了(人文科学修士)
2005年 お茶の水女子大学人間文化研究科人間発達科学専攻教育臨床論コース単位取得満期退学
現 在 首都大学東京国際センター特任助教
博士(社会科学)
※データは刊行当時のものです※
目次を表示
序 章 異文化接触による人間的成長と教員としての成長の関係を研究するにあたって
第一節 研究の課題と目的
第二節 本書における基本的な用語
第三節 本書の構成
第一章 異文化体験による人間的成長と教員としての成長をとらえるための視座の設定
第一節 異文化接触に関する先行研究の整理
1.異文化間学習モデルのレビュー
2.個人の内部に焦点を当てた最新の研究のレビュー
第二節 振り返りに関する先行研究の整理
第三節 教員の成長に関する先行研究の整理
第四節 本研究の研究枠組み
1.研究枠組みⅠ:異文化接触によるゲストとホストの変化への着目
2.研究枠組みⅡ:異文化接触による自己の振り返り
3.研究枠組みⅢ:人間的成長から教員としての成長へ
第五節 研究方法論
1.異文化接触による人間的成長および教員としての成長のプロセスを追うための解釈的アプローチ
2.データ収集と分析方法
3.調査方法
4.異文化接触による【人間的成長】と【教員としての成長】のプロセス
結果図
5.異文化接触による【人間的成長】と【教員としての成長】のプロセスストーリーライン
第二章 ゲストとホストが異文化接触により変化していくプロセス
第一節 〈教員としてのキャリア〉
第二節 [差異の認知]
1.〈日本語教育への従事〉
2.〈ホスト言語〉
3.〈教育システムの違い〉
4.〈ホストの行動〉
5.〈生徒の気質〉
6.〈人間関係の違い〉
7.〈物理的状況の違い〉
8.[差異の認知]が見られなかったケース
9.[差異の認知]の総括
第三節 [差異の認知]から〈肯定的な評価・感情〉、[ゲストの変化]へ
1.〈肯定的な評価・感情〉
2.〈肯定的な評価・感情〉から[ゲストの変化]へ
第四節 〈否定的な評価・感情〉から〈受け入れる心〉へ
1.〈否定的な評価・感情〉
2.〈否定的な評価・感情〉から〈受け入れる心〉への変化
3.〈受け入れる心〉の[形成促進要因]
4.〈受け入れる心〉が形成されない場合
5.〈否定的な評価・感情〉から〈受け入れる心〉へのプロセスの総括
第五節 〈受け入れる心〉から[ゲストの変化]、〈日本の文化実践の採用〉へ
1.〈受け入れる心〉から[ゲストの変化]へ至る〈肯定的な評価・感情〉
2.〈受け入れる心〉から〈日本の文化実践の採用〉へ
3.〈受け入れる心〉から[ゲストの変化]、〈日本の文化実践の採用〉への総括
第六節 〈否定的な評価・感情〉から[強要されたゲストの変化]へ
1.〈強要された日本語教育への適応〉
2.〈強要されたホスト言語への適応〉
3.〈強要された教育システムへの適応〉
4.〈強要された生徒の気質への適応〉
5.〈強要された人間関係への適応〉
6.〈強要された物理的状況への適応〉
7.[強要されたゲストの変化]のストレスを緩和する〈愚痴の共有〉
8.[強要されたゲストの変化]の総括
第七節 〈否定的な評価・感情〉、〈抵抗〉、〈日本の文化実践の採用〉、[ホストの変化]
1.〈否定的な評価・感情〉から〈抵抗〉、〈日本の文化実践の採用〉へ
2.[ホストの変化]
第八節 〈教員としてのキャリア〉、〈日本の文化実践の採用〉、[ホストの変化]
1.〈教員としてのキャリア〉から〈日本の文化実践の採用〉、[ホストの変化]へ
2.〈受け入れる心〉から〈日本の文化実践の採用〉へ
3.〈日本の文化実践の採用〉から[ホストの変化]への総括
第九節 [ゲストの変化]、[強要されたゲストの変化]、[ホストの変化]の関係
1.〈肯定的評価・感情〉と[ゲストの変化]
2.[ゲストの変化]、[強要されたゲストの変化]と[ホストの変化]
3.[ホストの変化]の析出
第十節 異文化適応のプロセス結果図
第三章 異文化接触による【人間的成長】
第一節 〈自己の振り返り〉
1.[差異の認知]があったときの〈自己の振り返り〉
2.[ゲストの変化]を伴う〈自己の振り返り〉
3.〈自己の振り返り〉の総括
第二節 [人間理解の深化]
1.〈自己理解の深化〉
2.〈他者理解の深化〉
3.[人間理解の深化]の総括
第三節 〈バイカルチュラリズムの萌芽〉
1.派遣教員たちの中に表れたバイカルチュラリズム
2.バイカルチュラリズムの表れ方
3.教員による〈バイカルチュラリズムの萌芽〉の意味は何か
4.帰国後に教育現場でバイカルチュラリズムな要素を持っていることの問題点
第四節 〈新たな目標の設定〉
1.生徒の教育に関する〈新たな目標の設定〉
2.教員の働き方に関する〈新たな目標の設定〉
3.〈新たな目標の設定〉の総括
第五節 〈反面教師〉
第六節 [強要されたゲストの変化]、[ゲストの変化]と〈バイカルチュラリズムの萌芽〉
1.[強要されたゲストの変化]と〈バイカルチュラリズムの萌芽〉
2.[ホストの変化]と〈バイカルチュラリズムの萌芽〉
3.〈バイカルチュラリズムの萌芽〉に至らない場合の派遣体験の意味
第七節 異文化接触による【人間的成長】のプロセス結果図とコア・カテゴリー
第四章 異文化接触による【教員としての成長】
第一節 [教職技術上の変化]
1.〈教育技術上の変化〉
2.〈指導技術上の変化〉
3.[教職技術上の変化]の総括
第二節 〈自己受容感の育成〉による[心理的な変化]
1.自己肯定感
2.自己主張
3.自信の獲得
4.忍耐力の獲得
5.ポジティブシンキング
6.精神的な自立
7.〈自己受容感の育成〉が成立しない場合
8.〈自己受容感の育成〉の総括
第三節 〈成長の後に〉
1.派遣体験が生かされていると感じている場合
2.派遣体験が生かされていないと感じている場合
3.派遣体験が生かされない理由
4.〈成長の後に〉の総括
第四節 異文化接触による【人間的成長】と【教員としての成長】の関係
第五節 異文化接触による【人間的成長】と【教員としての成長】の総括
終 章 異文化適応・人間的成長・教員としての成長―本書のまとめ
第一節 異文化適応=人間的成長理論再考
1.異文化接触による個人の変化のプロセス
2.異文化接触による個人の変化
3.異文化接触と【人間的成長】の関係
4.異文化接触と【教員としての成長】の関係
第二節 本書の意義
1.「適応する≠成長する」
2.「適応する=成長する」
3.〈自己の振り返り〉の視点の導入
4.〈バイカルチュラリズムの萌芽〉の視点の導入
5.〈馴化〉の概念の導入
6.異文化接触体験理解ツールとしての現象のネーミング
7.〈自己受容感の育成〉の重要性の指摘
第三節 本書の教員派遣プログラムへの示唆
1.派遣する側への示唆
2.今後派遣される教員への示唆
3.過去に派遣された教員への示唆
第四節 今後の研究の課題と展望
引用文献
資料1
資料2
資料3
あとがき
第一節 研究の課題と目的
第二節 本書における基本的な用語
第三節 本書の構成
第一章 異文化体験による人間的成長と教員としての成長をとらえるための視座の設定
第一節 異文化接触に関する先行研究の整理
1.異文化間学習モデルのレビュー
2.個人の内部に焦点を当てた最新の研究のレビュー
第二節 振り返りに関する先行研究の整理
第三節 教員の成長に関する先行研究の整理
第四節 本研究の研究枠組み
1.研究枠組みⅠ:異文化接触によるゲストとホストの変化への着目
2.研究枠組みⅡ:異文化接触による自己の振り返り
3.研究枠組みⅢ:人間的成長から教員としての成長へ
第五節 研究方法論
1.異文化接触による人間的成長および教員としての成長のプロセスを追うための解釈的アプローチ
2.データ収集と分析方法
3.調査方法
4.異文化接触による【人間的成長】と【教員としての成長】のプロセス
結果図
5.異文化接触による【人間的成長】と【教員としての成長】のプロセスストーリーライン
第二章 ゲストとホストが異文化接触により変化していくプロセス
第一節 〈教員としてのキャリア〉
第二節 [差異の認知]
1.〈日本語教育への従事〉
2.〈ホスト言語〉
3.〈教育システムの違い〉
4.〈ホストの行動〉
5.〈生徒の気質〉
6.〈人間関係の違い〉
7.〈物理的状況の違い〉
8.[差異の認知]が見られなかったケース
9.[差異の認知]の総括
第三節 [差異の認知]から〈肯定的な評価・感情〉、[ゲストの変化]へ
1.〈肯定的な評価・感情〉
2.〈肯定的な評価・感情〉から[ゲストの変化]へ
第四節 〈否定的な評価・感情〉から〈受け入れる心〉へ
1.〈否定的な評価・感情〉
2.〈否定的な評価・感情〉から〈受け入れる心〉への変化
3.〈受け入れる心〉の[形成促進要因]
4.〈受け入れる心〉が形成されない場合
5.〈否定的な評価・感情〉から〈受け入れる心〉へのプロセスの総括
第五節 〈受け入れる心〉から[ゲストの変化]、〈日本の文化実践の採用〉へ
1.〈受け入れる心〉から[ゲストの変化]へ至る〈肯定的な評価・感情〉
2.〈受け入れる心〉から〈日本の文化実践の採用〉へ
3.〈受け入れる心〉から[ゲストの変化]、〈日本の文化実践の採用〉への総括
第六節 〈否定的な評価・感情〉から[強要されたゲストの変化]へ
1.〈強要された日本語教育への適応〉
2.〈強要されたホスト言語への適応〉
3.〈強要された教育システムへの適応〉
4.〈強要された生徒の気質への適応〉
5.〈強要された人間関係への適応〉
6.〈強要された物理的状況への適応〉
7.[強要されたゲストの変化]のストレスを緩和する〈愚痴の共有〉
8.[強要されたゲストの変化]の総括
第七節 〈否定的な評価・感情〉、〈抵抗〉、〈日本の文化実践の採用〉、[ホストの変化]
1.〈否定的な評価・感情〉から〈抵抗〉、〈日本の文化実践の採用〉へ
2.[ホストの変化]
第八節 〈教員としてのキャリア〉、〈日本の文化実践の採用〉、[ホストの変化]
1.〈教員としてのキャリア〉から〈日本の文化実践の採用〉、[ホストの変化]へ
2.〈受け入れる心〉から〈日本の文化実践の採用〉へ
3.〈日本の文化実践の採用〉から[ホストの変化]への総括
第九節 [ゲストの変化]、[強要されたゲストの変化]、[ホストの変化]の関係
1.〈肯定的評価・感情〉と[ゲストの変化]
2.[ゲストの変化]、[強要されたゲストの変化]と[ホストの変化]
3.[ホストの変化]の析出
第十節 異文化適応のプロセス結果図
第三章 異文化接触による【人間的成長】
第一節 〈自己の振り返り〉
1.[差異の認知]があったときの〈自己の振り返り〉
2.[ゲストの変化]を伴う〈自己の振り返り〉
3.〈自己の振り返り〉の総括
第二節 [人間理解の深化]
1.〈自己理解の深化〉
2.〈他者理解の深化〉
3.[人間理解の深化]の総括
第三節 〈バイカルチュラリズムの萌芽〉
1.派遣教員たちの中に表れたバイカルチュラリズム
2.バイカルチュラリズムの表れ方
3.教員による〈バイカルチュラリズムの萌芽〉の意味は何か
4.帰国後に教育現場でバイカルチュラリズムな要素を持っていることの問題点
第四節 〈新たな目標の設定〉
1.生徒の教育に関する〈新たな目標の設定〉
2.教員の働き方に関する〈新たな目標の設定〉
3.〈新たな目標の設定〉の総括
第五節 〈反面教師〉
第六節 [強要されたゲストの変化]、[ゲストの変化]と〈バイカルチュラリズムの萌芽〉
1.[強要されたゲストの変化]と〈バイカルチュラリズムの萌芽〉
2.[ホストの変化]と〈バイカルチュラリズムの萌芽〉
3.〈バイカルチュラリズムの萌芽〉に至らない場合の派遣体験の意味
第七節 異文化接触による【人間的成長】のプロセス結果図とコア・カテゴリー
第四章 異文化接触による【教員としての成長】
第一節 [教職技術上の変化]
1.〈教育技術上の変化〉
2.〈指導技術上の変化〉
3.[教職技術上の変化]の総括
第二節 〈自己受容感の育成〉による[心理的な変化]
1.自己肯定感
2.自己主張
3.自信の獲得
4.忍耐力の獲得
5.ポジティブシンキング
6.精神的な自立
7.〈自己受容感の育成〉が成立しない場合
8.〈自己受容感の育成〉の総括
第三節 〈成長の後に〉
1.派遣体験が生かされていると感じている場合
2.派遣体験が生かされていないと感じている場合
3.派遣体験が生かされない理由
4.〈成長の後に〉の総括
第四節 異文化接触による【人間的成長】と【教員としての成長】の関係
第五節 異文化接触による【人間的成長】と【教員としての成長】の総括
終 章 異文化適応・人間的成長・教員としての成長―本書のまとめ
第一節 異文化適応=人間的成長理論再考
1.異文化接触による個人の変化のプロセス
2.異文化接触による個人の変化
3.異文化接触と【人間的成長】の関係
4.異文化接触と【教員としての成長】の関係
第二節 本書の意義
1.「適応する≠成長する」
2.「適応する=成長する」
3.〈自己の振り返り〉の視点の導入
4.〈バイカルチュラリズムの萌芽〉の視点の導入
5.〈馴化〉の概念の導入
6.異文化接触体験理解ツールとしての現象のネーミング
7.〈自己受容感の育成〉の重要性の指摘
第三節 本書の教員派遣プログラムへの示唆
1.派遣する側への示唆
2.今後派遣される教員への示唆
3.過去に派遣された教員への示唆
第四節 今後の研究の課題と展望
引用文献
資料1
資料2
資料3
あとがき