博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

子どもの言語学習能力

言語獲得の基盤

定価: 3,850 (本体 3,500 円+税)

内的な意味を経験し、それを言語で表現する子どもの能力の源は何か。言語獲得の初期段階から指示的な言語へと推移する過程を幅広い発達理論から論じたテキスト。

【訳者紹介】
小山 正(こやま ただし)
神戸学院大学人文学部人間心理学科 教授,博士(学術)
専攻:発達心理学,言語発達心理学,障害児発達学
(第1章,第2章,第4章,第6章,第7章,第9章担当)

坪倉美佳(つぼくら みか)
神戸学院大学大学院人間文化学研究科心理学専攻臨床心理学系
専攻:言語発達心理学,発達心理学
(第3章,第5章,第8章担当)
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
謝辞
訳者まえがき
第1章 展望
第2章 早期の関係性とシンボル状況
 関係の文脈における言語発達
 言語以前の意味の共有
 共同注意の発達:言語学習にとっての特別な文脈
 言語発達を支える相互交渉の多様な形態
 象徴的手段と指示物との関係の形成
 知覚的・表象的意味の共有
 力動的シェマ化
 シンボル状況―関係性からの結果
第3章 言語の世界へ:初期の段階
 初期言語発達の研究方法
 いつの語が語なのか
 対象と出来事の表象のパターンの構成
 語学習の例
 1語発話の全体性
 文脈依存的語
 指示的な語の性質
 語彙発達の速度:ボキャブラリー・スパート(Vaocabulary Spurt)
 1語発話期の語:ヴィマンとマッキューンのデータの分析
 まとめ
第4章 言語の認知的基盤
 認知主義者のメタファーとそれを超えて
 意識の状態としての心的表象
 言語への移行期の子どもの認知発達
 空間・時間の認識に関する実験結果
 認識,概念,言語
 カテゴリ化の研究
 「概念」を定義すること
 感覚運動的発達の指標と言語獲得に関する仮説
 まとめ
第5章 移動-出来事,力動-出来事語と動詞への移行
 経験における身体と心,そして意味の表出
 タルミーによる移動-出来事
 言語を伴わないイメージシェマ
 力動-出来事の意味のカテゴリ
 力動-出来事語と認知
 力動-出来事語と初期の動詞
 まとめ
第6章 表象的遊びと言語
 表象的遊びの発達
 遊びと言語における結合能力の比較
 表象的遊びと母親と子どもとの間主観性
 まとめ
第7章 音声発達:音声から語へ
 話しことばへの過渡期の音声的スキル
 音声運動的シェマ
 音声運動的シェマの子音レパートリーと語の産出
 音声運動的シェマのレパートリー:言語に関係する特定の子音スキルの尺度
 指示的段階への過渡期にみられる音声運動的シェマの使用
 指示的言語のレパートリーの予測
 安定した語の子音的な基礎
 音声運動的シェマと指示的語の発達との関連
 初期の安定した語彙の際立った特徴:両唇と声門による産出
 早期の指示的語の時期における「表象」と語の産出
 子どもの個々の産出パターン
 型の使用:マッキューンとヴィマンの実証的な結果の要約
 まとめ
第8章 前言語的コミュニケーション:言語につながる母音的音声
 なぜ母音的音声か
 人間の乳幼児の母音的音声の使用に関する研究計画
 コミュニケーションの起源についての分析
 母音的音声の発達的シークエンス
 母音的音声と指示的な語への移行
 身振りの役割
 伝達的母音的音声の始まりに伴う全般的な伝達の頻度の増加
 発達的シークエンスの解釈
 画期的な主張:言語的指示の基盤としての生理学と心的表象<
 母音的音声に進化的役割があるのか
 意図と産出
 まとめ
第9章 言語発達と言語産出におけるダイナミックシステム
 ダイナミックシステムと発達:その背景
 言語発達におけるダイナミックシステム
 統制パラメーターと指示的言語への変化
 心的表象と他のダイナミック変数
 文脈依存的語と指示的な言語のリアルタイムでの産出
 語の知識の神経学的側面について考える
 形態/意味の相乗作用
 まとめ
訳者あとがき
引用文献
索引 
著者L.マッキューン 著/小山正・坪倉美佳 訳
発行年月日2013年04月30日
頁数382頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1968-4