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ジェンダー化された家庭内役割の平等化と母親ゲートキーピング

定価: 7,700 (本体 7,000 円+税)

父親の育児・家事参加に母親ゲートキーピングや就業はいかに作用するか。ジェンダー化された家庭役割の平等化を、ジェンダー理論に基づく分析により解き明かす。

【著者略歴】
中川まり(なかがわ まり)
大妻女子大学家政学部ライフデザイン学科准教授。専門は家族社会学・家族関係学。
お茶の水女子大学大学院博士後期課程修了,博士(社会科学)。企業勤務,カリタス女子短期大学,お茶の水女子大学,東京女子大学などを経て現職。主な論文は「子育て期における妻の家庭責任意識と夫の育児・家事参加」『家族社会学研究』22巻2号,2010年,「共働きの妻における家事のゲートキーピングと夫の家事参加との関連性」『日本家政学会誌』69巻12号,2018年など。他に日本家政学会編『家族を読み解く 12章』丸善出版,2018年での分担執筆がある。
目次を表示します。
序章 日本型近代家族における性別役割分業と男女の働き方
 はじめに 
 1.日本におけるジェンダー化された家庭内役割
  1-1.共働き世帯の増加と子育て期の女性の就業
  1-2.根強い性別役割分業
 2.家庭における男性,企業社会と女性
  2-1.日本の女性のライフコースと管理職比率
  2-2.父親の育児・家事参加に対する男性の意識
 3.ジェンダー化された家庭内役割の平等化を研究する必要性
 4.本書の目的

第1章 夫婦の性別役割分業に関する社会学的研究の展開
 1.家族役割理論と性別役割分業
 2.性別役割分業意識と家庭内労働の分担
 3.夫婦間での性別役割分業意識の相互影響
 4.性別役割分業に関する研究課題

第2章 家族のジェンダー研究における理論的枠組み
 1.ジェンダー理論
  1-1.家庭内役割に関するジェンダー理論
  1-2.男性の働き方とジェンダー・チェンジ・モデル
  1-3.ジェンダー化された家庭内役割
  1-4.家庭内役割の平等化
  1-5.Doing genderとUndoing gender
  1-6.父親の稼得役割と母親の家族役割
 2.フェミニスト理論
  2-1.フェミニズム
  2-2.家族についてのフェミニスト理論
  2-3.マルクス主義フェミニズム
  2-4.男性の特権,女性の抑圧と解放に向けた実践,抑圧の交差性
 3.父親に関する理論
 4.理論のつながり
 5.研究課題
 6.本研究の目的と研究概念図
 7.研究仮説の提示

第3章 母親の家庭役割と就業,母親ゲートキーピング研究の展開
 1.子育て期の母親の仕事と家庭の二重負担
 2.3歳児神話と育児ストレス,育児不安
 3.母親ゲートキーピングとは何か
  3-1.父親の育児や家事を促進する母親
  3-2.父親に育児・家事参加をさせない母親
 4.母親の就業は父親の育児・家事参加にどう影響するのか
  4-1.母親の就業
  4-2.母親の就業に対する父親の影響
 5.夫婦間の相対的資源差と育児・家事参加

第4章 母親の雇用形態と父親に対する家事参加の促進
 1.夫に家事参加を期待する共働きの妻
 2.先行研究と研究概念図,仮説の提示
 3.方法
 4.結果
 5.考察と結論

第5章 妻の家庭責任意識と父親の育児・家事参加
 1.女性の家庭内労働はなぜ多いのか
 2.先行研究と仮説の提示
 3.方法
 4.結果
 5.まとめと考察

第6章 父親の育児・家事参加に関する社会学的研究の展開
 1.父親の育児・家事参加に関する研究背景
  1-1.父親の育児・家事参加の現状とその規定要因
  1-2.父親の育児・家事参加の家族への影響
 2.新たな父親らしさと働き方
  2-1.新たな父親らしさとは
  2-2.働き方に対する父親の意識
  2-3.家族を優先する意識
  2-4.父親の育児・家事参加とワーク・ファミリー・コンフリクト
      (Work to Family Conflict)
 3.父親の性別役割分業意識と育児・家事参加
 4.父親の育児・家事参加のその他の規定要因
 5.父親研究における課題
  5-1.母親から父親への育児・家事の促進や抑制に着目する必要性
  5-2.父親の働き方への意識を取り上げる必要性
  5-3.父親の収入差の視点
 6.父親を対象にした分析概念図

第7章 父親は母親ゲートキーピングをどうとらえるのか:データと分析方法
 1.データとサンプリング
  1-1.データ
  1-2.サンプリング
 2.調査対象者の属性
  2-1.対象者全体
  2-2.未就学児をもつ父親の所得層別の特徴
 3.分析で用いる変数
  3-1.従属変数:父親の育児・子育て参加,家事参加
  3-2.独立変数
  3-3.媒介変数
 4.分析方法
  4-1.多母集団分析を用いる理由

第8章 分析1:母親ゲートキーピングを父親はどう受け取るのか
 1.変数の基本統計
  1-1.未就学児の父親
  1-2.就学児の父親
 2.因果モデルの検討
  2-1.未就学児をもつ父親
  2-2.就学児をもつ父親
  2-3.仮説の支持・不支持
  2-4.未就学児の父親と就学児の父親との分析結果の相違
  2-5.まとめと考察

第9章 分析2:父親の収入による育児・家事参加要因の相違
 1.変数の基本統計
 2.年収500万円以下の父親群と500万円超の父親群との多母集団分析
  2-1.年収500万円以下の父親
  2-2.年収500万円超の父親
 3.父親の収入によって育児・家事参加要因に相違があるのか
 4.分析2によって明らかになったこと

第10章 父親データの分析結果に対する理論の検討
 1.家庭内役割の平等化に関連する客観的要因
 2.母親ゲートキーピングに関する考察
 3.理論の検討
  3-1.ジェンダー理論
  3-2.フェミニスト理論
  3-3.分析結果に基づく理論間のつながり

第11章 外部サポートの利用と夫の育児・家事参加
 1.家事・育児の外部サポートによって夫の家事参加はどうなるのか
 2.夫の家事遂行とその要因
 3.方法
 4.結果
 5.考察

第12章 夫のワーク・ファミリー・コンフリクトと妻の相対的資源
 1.夫の仕事時間の増加と家事や子育てへの参加
 2.先行研究と仮説の提示
 3.方法
 4.結果
 5.まとめと考察

終章 ジェンダー化された家庭内役割のゆくえ
 1.母親ゲートキーピングはジェンダー化された家庭内役割の平等化をもたらすのか
 2.父親の家族を優先する働き方と男らしさ
 3.父親の収入格差と母親の仕事と家庭の二重負担:ジェンダーと収入の交差性
 4.父親の育児・家事「参加」でいいのだろうか
 5.子育て期の夫婦は外部サポートをどのように利用しているのか
 6.母親の収入増と父親のワーク・ファミリー・コンフリクト
 7.研究成果から得られる示唆と意義
  7-1.教育への示唆と意義
  7-2.政策への示唆と意義
  7-3.実践への示唆と意義
 8.本研究の限界と今後の課題

引用文献
あとがき
索引
著者中川まり 著
発行年月日2021年11月30日
頁数274頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2405-3