博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

修復的司法の総合的研究

刑罰を超え 新たな正義を求めて

定価: 7,150 (本体 6,500 円+税)
犯罪被害者と加害者およびコミュニティの「対話による償い」を目指す修復的司法は、刑事司法の世界のみならず家庭、学校、職場で受け入れられつつある。本書は修復的司法の各国の動向を概観し、実証データをふまえ、我が国の現状と今後の展望について研究者と実務家など32名の執筆者が多角的に論じた専門書である。CD付。
目次を表示します。
序(西村春夫)
第1部 修復的司法の理論的検討
第1章 修復的司法の理念,実態,正当性(西村春夫)
 広狭の理念的目標
 事の始まり
 修復的司法とは何か
第2章 修復的司法の思想(ジョン・ブレイスウェイト)
 はじめに
 修復的司法におけるカンファレンス
 修復的司法における価値
 被害者のニーズ
 修復的司法における責任
 結論
第3章 修復的司法の社会学的理解(細井洋子)
 修復的司法をめぐる世界の状況,日本の状況
 修復的司法という「ものの考え方」
 修復的司法の理論と実践的試み
 コミュニタリアニズムと犯罪統制:近代化,後期近代社会,
 リスク社会を視野において
第4章 修復的司法と裁判外紛争処理(ADR)(前原宏一)
 はじめに
 ADRの意義
 RJとADRの重なり合い
 むすびにかえて
第5章 被害者問題と修復的司法(ヘザー・ストラング)
 はじめに
 被害者の刑事司法に対する要請
 修復的司法―新しいパラダイム
 修復的司法は被害者のために,さらなる貢献を果たせるのか
 原理および実践面での将来的挑戦
 結論
第6章 ゼロ・トレランスと修復的司法(ピーター・グラボスキー)
 ゼロ・トレランスとは何か
 重大な少年犯罪を理解する
 修復的司法
 おわりに
第2部 修復的司法の実践と課題
第7章 犯罪被害者と修復的司法(片山徒有)
 はじめに
 修復的司法の意義
 被害者,そして修復的司法との出会い
 現状の司法に欠けているもの
 民事訴訟と被害者
 報道と修復的司法
 地域社会と被害者
 被害者支援と修復的司法
 修復的司法のあるべき姿について
 修復的司法の可能性
 修復的司法の課題と目的
 さいごに
第8章 被害者支援と修復的司法(冨田信穂)
 はじめに
 被害者に配慮した被害者・加害者和解プログラム
 おわりに
第9章 修復的司法のNPOからのアプローチ(山田由紀子)
 NPO法人「被害者加害者対話の会運営センター」の設立と組織
 センターの修復的司法プログラム
 「対話の会」の進行役
 進行役の募集と研修
 「対話の会」実践の現状
 進行役としての実践から見えてくるもの
 現行少年法手続きとNPOによる修復的司法
 犯罪以外の地域紛争とNPOによる修復的司法
第10章 紛争処理仲裁センターにおける試み(高原勝哉)
 はじめに
 被害者加害者調停の目的
 被害者の「怒り」について
 調停者の条件
 「日本の二路線方式」について
 むすび
第11章 裁判所における調停と修復的司法(井口壮太郎)
 裁判所における「調停」の目的と機能
 裁判所における「調停」の現状
 裁判所における「調停」の限界
 和解・調停の分野におけるRJの可能性
第12章 弁護士業務を通してみた少年事件の加害者・被害者(杉浦ひとみ)
 はじめに
 被害者と加害者が対面することによって事件の解決に影響を与えたと思われる例
 犯罪被害の生じた地域住民との関係修復が重要であると思われた事例
 RJ的要素を持つ活動についての留意点
第13章 警察と修復的司法(太田裕之)
 日本警察とRJとの親和性
 警察におけるRJの位置づけ
 日本警察へのRJ導入のための試みと現行法制下における課題
 RJの実践に向けての課題
第14章 家庭裁判所と修復的司法(藤原正範)
 少年司法と被害者の声
 改正少年法のインパクト
 修復的アプローチの出発点としての被害者調査
 少年司法への修復的司法の導入
第15章 少年審判と修復的司法(井垣康弘)
 ある少年の強盗事件における被害者対応
 成人の刑事手続きにおける弁償
 少年の保護手続きにおける謝罪と償い
 被害者対応の現状
 当事者の積極性の大切さ
 審判廷で被害者の父親が加害少年に激励の言葉を贈った事案
 少年が少年院在院中に母親が代わって「謝罪と弁償」に回った事案
 審判後の追加的指示
第16章 少年矯正と修復的司法(指宿照久)
 少年矯正における最近の動向
 被害者遺族に直接謝罪する機会を設けた事例
 少年院の矯正教育に生じた変化
 今まで少年院で被害者への直接謝罪が行われにくかった理由
 少年院におけるRJの可能性
第17章 成人矯正と修復的司法(浜井浩一)
 はじめに
 矯正にとって被害者とは
 現在矯正で行われている被害者施策
 被害者の視点を取り入れた処遇の目的
 矯正における修復的司法
第18章 更生保護と修復的司法(小長井賀與)
 更生保護と修復的司法
 更生保護における被害者対応
 近年の被害者対応施策
 今後の課題
第3部 修復的司法の実証的研究
第19章 日豪調査(辰野文理/津富 宏)
 調査の概要
 分析結果
第20章 受刑者調査(鴨志田康弘/津富 宏)
 受刑者調査の意義
 エラー・コーディングについて
 エラー・コーディングから見えてきたもの
 分析結果
第21章 実務家調査(辰野文理/樫村志郎)
 実務家調査の目的と方法
 「A日本の刑事司法は修復的か」
 「B被害者・加害者との話し合いはどのような効果をもたらすのか」
 「C被害者問題(支援の現状認識,参加の自由,参加前後のケアなど)
とRJをどう考えるか」
 「D日本において修復的司法の制度化は必要か,実現は可能か」
 実務家調査の結果の要約
第22章 調査結果の全体的集約(細井洋子/西村春夫/樫村志郎/辰野文理)
 調査と意義
 各調査の目的と結果
 調査を通じて見えてきたもの
第4部 世界の修復的司法
第23章 世界の修復的司法の概観(染田 惠)
 はじめに
 世界各国の修復的司法の実情―第11回国連犯罪防止会議から
 世界各国の修復的司法の実情―理論的整理
第24章 オーストラリア(細井洋子)
 世界の動向とオーストラリアの位置
 各州のプログラムの運用状況および評価研究
 修復的司法をめぐる新たな動きと課題
 オーストラリア首都(ACT)の犯罪者法(修復的司法法)の導入
第25章 ベルギー(太田達也)
 ベルギーの国内事情と修復的司法
 修復的司法制度の概要
 将来の展望
第26章 カナダ(岸本基予子)
 はじめに
 沿革
 先住民族問題と修復的司法
 修復的司法モデル
 プログラム評価
 おわりに
第27章 フランス(河合幹雄)
 はじめに
 刑事和解制度の成立
 効率的処理
 理想主義
 世論と専門家
 加害者対策の変化
 警察の積極性
 法化
 地域と権威の再生
 司法の役割
第28章 ドイツ1(高橋則夫)
 はじめに
 修復的司法の萌芽
 修復的司法の法的整備
 修復的司法の実践
 刑事法における修復的司法の地位
 おわりに
第29章 ドイツ2(マヌエル・メツラー)
 TOAとはなにか
 1993年から1999年までの統計とその背景
 機関別TOAケース
 TOAを開く時点
 TOAを提案する者
 犯罪別の効果
 被害者・者・加害者がTOAを受諾する率
 交渉のあり方
 和解交渉の結果
 おわりに
第30章 ハワイ(山本英政)
 はじめに(修復的司法の源泉)
 ハワイの実践
 未来に向けて
第31章 韓国(太田達也)
 被害者支援の動向
 犯罪被害者支援センターと加害者=被害者和解
 修復的司法の模索
第32章 二ュージーランド(高橋貞彦)
 少年司法の分野
 成人の刑事司法システムへの修復的司法の導入(代替)
 ニュージーランドの成人に対する刑事司法の改革
 2002年の刑事司法制度改正の帰結
 ニュージーランドの成人の刑事事件における修復的司法の実践
 おわりに
第33章 ノルウェー(小長井賀與)
 はじめに
 修復的司法の特徴
 被害者関連施策
 和解プログラムの実際
第34章 シンガポール(太田達也)
 はじめに
 刑事調停
 地域調停センター
 家族協議制度
第35章 南アフリカ共和国(津富 宏)
 移行的司法
 コミュニティ司法
 児童司法
第36章 スウェーデン(矢野恵美)
 はじめに
 メデイエーションの登場から1998年の全国試行まで
 1998年の全国試行とその報告書
 新法施行前のメディエーションにおける問題点
 犯罪原因を含むメデイエーションについての法律
 新法施行後の動向
 新法の問題点
 被害者政策とメデイエーション
 まとめ
第37章 タイ(染田 恵)
 はじめに
 修復的司法が導入された理由
 修復的司法の特徴
 修復的司法の実践及びその準備例
 修復的司法導入に伴う課題と対応策
 修復的司法の展望
 おわりに
第38章 英国(小宮信夫/鴨志田康弘)
 前史
 犯罪及び秩序違反法
 テムズバレー警察
 割れ窓理論と発達的犯罪防止
 被害者支援と修復的司法
 メディエーションと修復的司法
 英国政府による新たな戦略
 効果と課題
第39章 アメリカ合衆国(細井洋子)
 はじめに
 修復的実践の歴史と主たるモデルについて
 各種プログラムの実施状況-シフーペイズモアの調査から
 VOMモデルによる重大事案への実践
 おわりに―「修復的司法」は司法界に新しい流れをもたらしうるか
第5部 要約と提言(細井洋子,西村春夫,樫村志郎,辰野文理)
あとがき(細井洋子〉
用語解説(西村春夫・鴨志田康弘)
索引

申し訳ございませんが、只今品切れ中です。
著者細井洋子・西村春夫・樫村志郎・辰野文理 編著
発行年月日2006年01月31日
頁数638頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1548-8