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小説の維新史

小説はいかに明治維新を生き延びたか

定価: 6,380 (本体 5,800 円+税)

幕末から明治にかけての混沌とした状況の中で、政治・経済・法律・文化等の諸領域がどのように分節され編成されていったかを分析し「小説」の成立までを描き出す。
目次を表示します。
序 
第一章 遊女の遺書―『開明小説春雨文庫』前後―
 一 岩亀楼喜遊
 二 喜遊伝の変遷
 三 開化の遊女
 四 明治維新の基底
第二章 分裂するオリエント東方―文学と東アジア秩序―
 一 アヘン戦争と実録
 二 アへン戦争関連実録と詩文
 三 華夷秩序と物語
 四 華夷秩序の変化と小説
 五 東アジア秩序と草双紙
第三章 政治小説と主体の論理―政治的主体と坪内逍遥―
 一 政治的主体の問題
 二 明治稗史小説の政治
 三 自由党系政治小説の主体
 四 坪内逍遥と政治的主体
第四章 政治小説における革命観の問題
 一 「革命」の定義について
 二 〈革命〉観の移入
 三 虚無党報道の偏向
 四 政治小説における虚無党
 五 『憂世の涕涙』の革命観
 六 革命の代数学
第五章 翻訳の方法―坪内逍遥『甸國皇子はむれっと班烈ものがたり多物語』論―
 一 『班烈多物語』の大序
 二 『班烈多物語』の文体
 三 翻訳者の使命
 四 『班烈多物語』の方法
第六章 個と普遍の弁証法―『小説神髄』の陰画―
 一 登場人物性格論と坪内逍遥
 二 河島敬蔵の『欧洲戯曲ジュリアス、シーザルの劇』
 三 『ジュリアス、シーザルの劇』の飛躍
 四 『ジュリアス、シーザルの劇』と『自由太刀余波鋭鋒』
第七章 ノベル小説と美―『小説神髄』の美学化―
 一 明治十年代における美学
 二 美をめぐる言説
 三 美と感情
 四 『小説神髄』の美学化
第八章 気質にかわるもの―『一読三嘆当世書生気質』以後―
 一 『当世書生気質』以後
 二 明治の気質物
 三 嵯峨の屋おむろの気質物小説
 四 気質と架空癖
初出一覧
あとがき
索引
著者山本良 著
発行年月日2005年02月28日
頁数260頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1488-7