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道徳性の発達に関する実証的・理論的研究

定価:本体 15,000 円+税
コールバーグ理論に関し先駆的に研究してきた著者が日本の青少年の道徳判断の発達をめぐり西欧的な個の発達理論を実証的に検討した20年間の研究の集大成。

【著者略歴】
山岸明子(やまぎし あきこ)
1948年 東京に生まれる
1971年 東京大学教育学部教育心理学科卒業
1979年 東京大学大学院博士課程単位取得退学
1994年 教育学博士(東京大学)
現在 順天堂医療短期大学教授
(発達心理学、教育心理学専攻)
目次を表示します。

Ⅰ部 コールバーグ理論の概要と特徴
 1章 コールバーグ理論の出発点としてのピアジェの道徳性発達理論
  1節 他律的道徳性と自律的道徳性 
  2節 ピアジェ理論の意義と限界 
 2章 コールバーグの道徳性発達理論
  1節 コールバーグの基本的立場 
  2節 コールバーグの研究方法
  3節 6つの発達段階
  4節 発達を促す要因
 3章 コールバーグ理論と関連した実証的研究のレヴュー
  1節 発達段階の妥当性
   1)発達段階の順序性
   2)発達段階の階層性
   3)発達段階の構造的斉一性
   4)発達段階の文化普遍性
  2節 発達段階の基礎にある能力 
   1)認知能力
   2)役割取得能力
  3節 発達を促す要因
   1)認知的葛藤の経験
   2)社会的・環境的要因
   (1)役割取得の機会
   (2)道徳的環境
  4節 社会的発達の他の側面との関連
   1)行動との関連
   2)感情的・動機的側面との関連
   3)パーソナリティ,態度との関連
Ⅱ部 日本の青少年の道徳判断の発達の実証的研究
  A コールバーグの方法による日本の青少年の道徳判断の発達の研究
 4章 日本の青少年の道徳判断の発達
  1節 目的
  2節 方法
  3節 結果と考察
 5章 青年期における道徳判断―3年後の変化
  1節 目的
  2節 方法
  3節 結果と考察
 6章 日本の青少年の道徳判断の特徴
  1節 対人関係的価値への志向
   1)児童期におけるステージ3の優位性
   2)功利的反応の出現時期の遅れ
   3)高いレベルとステージ3の共有
   4)対人関係的価値の他のステージへの関与
  2節 現実的・状況的解決 
   1)状況への対し方のタイプ
   2)青年期における発達の2つのタイプ
   3)現実的・状況的解決
  3節 日本のデータから見たコールバーグ理論の妥当性 
   1)ステージ3の優位性の問題
   2)ステージ3の概念化の問題
   3)他者への配慮に関する問題
   4)コールバーグが記述した道徳性と違う道徳性の位置づけの問題
 7章 青年の道徳判断の発達を測定するための質問紙の作成とその検討
  1節 問題と目的 
  2節 方法 
  3節 結果と考察
  B 幼児・児童の社会的認知・道徳判断の発達の研究
 8章 役割取得能力の発達
  1節 問題と目的
  2節 方法
  3節 結果と考察
 9章 約束概念の発達 
  1節 目的
  2節 方法
  3節 結果と考察
 10章 規則概念の発達
  1節 目的
  2節 方法
  3節 結果と考察
Ⅱ部 要約
Ⅲ部 道徳性発達に影響する社会的要因に関する実証的研究
 11章 道徳判断の発達に影響を及ぼす社会的相互作用の検討
     ―「役割取得の機会」の観点からの分析―
  1節 問題と目的
  2節 方法
  3節 結果と考察
 12章 役割取得能力の発達としつけ方略・仲間との相互作用の関連
     ―「役割取得の機会」の観点からの分析―
  1節 問題と目的
  2節 方法
  3節 結果と考察
 13章 道徳判断の発達と親の態度
    ―「役割取得の機会」の観点からの分析― 
  1節 理論的問題―コールバーグ理論から導くことができる2つの仮説―
  2節 目的
  3節 方法
  4節 結果と考察
 Ⅲ部 要約
Ⅳ部 コールバーグ理論への批判とコールバーグ理論の展開
 14章 青年期から成人期の発達再考
     ―コールバーグ理論とエリクソン理論における
     「成人性―おとなになるということ」をめぐって―
  1節 青年期,成人期の道徳判断
  2節 同一性危機およびステージ4 1/2における「自己」と「他者」
    「現実」
  3節 最も成熟した道徳的思考,道徳的選択とはどのようなものか
  4節 現実を引き受けるということ
     ―コールバーグの原則的水準,文脈的相対主義,エリクソンの
      成人性レベルにおいて「他者」「状況」「現実」がもつ意味―
  5節 青年期から成人期への発達の類型
  6節 結論
 15章 ギリガンによるコールバーグ批判
  1節 ギリガンのコールバーグ批判―女性の道徳性発達
  2節 道徳性の性差をめぐる実証的研究
  3節 2つの道徳性を考えることの意義
 16章 コールバーグ理論の展開
  1節 ギリガンの批判に対するコールバーグの回答
  2節 コールバーグ理論の展開
 17章 日本の青少年の道徳判断の発達再考
    ―新しい評定法による日本の青少年の道徳判断―
  1節 目的
  2節 方法
  3節 結果と考察
   1)ステージへの分布
   2)公正さ以外の道徳的志向の位置づけの問題
   3)ステージとして評定することの問題
 18章 コールバーグ理論と人間の発達過程
  1節 コールバーグの人間観・発達観・道徳観
  2節 コールバーグが記述したものと記述しなかったもの
     ―対人関係の基本的な型と人間の発達過程―
   1)「自分から切り離された他者」対「自分との関係性の中にある
     他者」
   2)「自分と同質な他者」対「自分とは異なった相補的な他者」
Ⅳ部 要約
 19章 結論
引用文献
資料
 1 コールバーグの課題 4,5,6,17章
 2 コールバーグの評定法(Issue Scoring:1971) 4章
 3 DIT日本版 7,11章
 4 役割取得能力の課題 8,12章
 5 約束概念の質問紙 9章
 6 規則概念の質問紙 10章
  7 社会的相互作用に関する質問紙 11章
  8 しつけ方略,仲間との相互作用の質問紙 12章
  9 13章で使われたDIT 13章
  l0 コールバーグの評定法
   (Standard Issue Scoring:1983) 17章
あとがき 
著者山岸明子 著
発行年月日1995年03月15日
頁数382頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-0925-8