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アイヌ民族の言語復興と歴史教育の研究

教育から考える先住民族とエンパワーメント

定価: 7,700 (本体 7,000 円+税)

アイヌ民族の文化復興活動と教育活動の中に内在化しているエンパワーメントに視点を置き、先住民族としての権利の実現および回復を図るための方策を考察する。

【著者略歴】
上野昌之(うえの まさゆき)
東京都出身。1983年学習院大学文学部卒業。学習院大学大学院人文科学研究科博士前期課程修了。東京都立高等学校教諭として20余年社会科(地歴科・公民科)教育などにあたる。在職中に早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程にて多文化教育・アイヌ教育の研究を始める。日本大学大学院総合社会情報研究科博士後期課程修了。博士(総合社会文化)。日本大学文理学部、首都大学東京都市教養学部、早稲田大学教育学部等で講師を兼任。
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
序章
第1節 研究の背景と目的
第2節 研究の意義
第3節 研究視点と展開
第4節 先行研究
第5節 本書の着想

第1章 アイヌ教化とアイヌ民族
はじめに
第1節 アイヌ教化とアイヌ民族
(1)幕藩期のアイヌ支配の構造
(2)明治期の教化政策
第2節 アイヌ教育政策とアイヌ語の衰退
(1)「旧土人児童教育規程」の成立とその性格
(2)吉田 巌の教育実践とアイヌ語教育
(3)「旧土人児童教育規程」とアイヌ語衰退との関連
まとめ

第2章 「危機言語」としてのアイヌ語とアイヌ語の復興
はじめに
第1節 「消滅の危機に瀕した言語」としてのアイヌ語
(1)「危機言語」としてのアイヌ語
(2)言語権の重要性
第2節 アイヌ民族とアイヌ語学習
(1)アイヌ民族にとってのアイヌ語
(2)アイヌ語学習の方法
(3)アイヌ語教室とアイヌ語の復興
まとめ

第3章 メディア利用によるアイヌ語復興とアイヌ・コミュニティの再生
はじめに
第1節 『アイヌタイムズ』とアイヌ語表現
(1)『アイヌタイムズ』とは
(2) 現代事象に対するアイヌ語表現とその対応
第2節 アイヌ・メディアとしての「FM二風谷放送」
(1)「FM二風谷放送」とは
(2)放送教育としてのアイヌ語プログラム
(3)コミュニティ・メディアとしての機能と役割
まとめ

資料
第4章 アイヌ民族をめぐる教育
はじめに
第1節 アイヌ民族の教育問題への取り組み
(1)学校教育に対する北海道ウタリ協会(現、北海道アイヌ協会)の取り組み
(2)「アイヌ新法」に見る教育上の要求
第2節 アイヌ民族と教育権の保障
(1)アイヌ民族の置かれている教育的現状
(2)アイヌ民族の子どもたちの受けてきた教育
(3)アイヌ民族の教育を受ける権利
まとめ

第5章 アイヌ民族をめぐる歴史教育
はじめに
第1節 戦後の学校教育とアイヌ民族
第2節 アイヌ民族に関する教科書記述と教室活動
第3節 学校教育における歴史理念とアイヌの歴史実践比較
まとめ

第6章 アイヌ民族と副読本の歴史認識
はじめに
第1節 アイヌ民族と歴史教育
(1)戦前の歴史教育
(2)戦後の歴史教育とアイヌ民族
第2節 北海道内社会科副読本
(1)アイヌ民族の社会科副読本との関わり
(2)道内社会科副読本の研究
第3節 『アイヌ民族副読本』と歴史認識
(1)『アイヌ民族副読本』の作成と内容
(2)『アイヌ民族副読本』と開拓史観
まとめ

第7章 アイヌ民族の文化復興活動と先住民族の権利
はじめに
第1節 1980年以降のアイヌ民族活動の展開
(1)1980年代の動向
(2)1990年代の動向
(3)2000年代の動向
第2節 アイヌ民族の文化と教育の権利
(1)教育問題と国際法規からみるアイヌ民族の集団的な権利
(2)「二風谷ダム裁判」からみる文化享有権
(3)「アイヌ文化振興法」と「先住民族の権利宣言」の比較
まとめ

終章
第1節 本研究のまとめ
第2節 今後の展望と課題―アイヌ民族教育機関設立に向けて―
(1) アイヌ民族の学校教育ニーズ
(2) 学会等におけるアイヌ民族教育機関の研究
まとめ

参考文献
あとがき
著者上野昌之 著
発行年月日2014年12月25日
頁数278頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2056-7

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