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社会系教科における評価のためのツール作成の論理

授業者のための評価法作成方略

定価: 7,150 (本体 6,500 円+税)

「社会認識の形成」は如何なる評価によって確定・保障できるのか。社会系教科に見られる理解・解説・説明・判断の授業場面の分析から具体的な評価法作成方略を示す。

【著者略歴】
井上奈穂(いのうえ なほ)
1976年5月 鹿児島県に生まれる
2001年3月 鹿児島大学大学院教育学研究科教科教育専攻社会科教育専修修了 修士(教育学)
2003年4月 八商学園秀岳館高等学校講師
2010年3月 広島大学大学院教育学研究科博士課程後期文化教育開発専攻修了 博士(教育学)
2010年4月 国立大学法人鳴門教育大学大学院学校教育研究科講師
2013年4月 国立大学法人鳴門教育大学大学院学校教育研究科准教授
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
序章 研究の意義と方法
 第1節 研究主題
 第2節 本研究の意義と特質
 第3節 研究方法と論文構成
第1章 授業者のための評価法作成の特質と課題
 第1節 授業者のための評価法の特質
 第2節 先行研究の到達点と課題
  第1項 子ども/生徒の捉え方についての先行研究
  第2項 単元全体の評価に関する先行研究
  第3項 評価のためのツールに関する先行研究
 第3節 学力保障のための評価の課題
第2章 社会系教科に求められる評価のためのツール
 第1節 社会系教科における学習評価の特質
  第1項 学習評価の対象
  第2項 社会系教科における形成される学力
 第2節 評価のためのツールの特質
  第1項 社会系教科における学習評価の到達点
  第2項 授業場面と評価のためのツールの関係
   1.授業場面の特質
    (1)子ども/生徒が行う活動
    (2)活動のための場
   2.評価のためのツールの特質
    (1)SIATの概要
    (2)SIAT4に見られる評価規準
    (3)評価のためのツールの実際
    (4)それぞれの規準の対応関係
  第3項 評価資料の特質
 第3節 社会系教科における特徴的な授業場面
第3章 共感的理解につながる評価のためのツール
    ―人物に基づく社会認識形成の保証―
 第1節 共感的理解につながる評価のためのツールの条件
  第1項 人物に基づく社会認識形成の特質
  第2項 形成される社会認識
 第2節 授業場面の特質
  第1項 単元全体から見た授業の位置づけ
  第2項 授業場面の実際
   1.発表を中心とした学習活動
   2.意見交換を中心とした学習活動
 第3節 評価のためのツール設計の実際
  第1項 回答行為の設定
  第2項 「ふきだし」「手紙」の実際
 第4節 共感的理解につながる評価のためのツールの作成と活用の論理
第4章 事実の習得につながる評価のためのツール
    ―事実に基づく社会認識形成の保障―
 第1節 事実の習得につながる評価のためのツールの条件
  第1項 事実に基づく社会認識形成の特質
  第2項 形成される社会認識
 第2節 授業場面の特質
  第1項 単元全体から見た授業の位置づけ
  第2項 授業場面の実際
   1.概念用語の確認
   2.概念用語の解説
   3.項目の解説
  第3項 評価対象
 第3節 評価のためのツール設計の実際
  第1項 解答行為の設定
  第2項 客観テストの実際
 第4節 事実の習得につながる評価のためのツール作成と活用の論理
第5章 見方・考え方の習得につながる評価のためのツール
    ―モデルに基づく社会認識形成の保障―
 第1節 見方・考え方の習得につながる評価のためのツールの条件
  第1項 モデルに基づく社会認識形成の特質
  第2項 形成される社会認識
  第3項 授業場面の特質
 第2節 思考過程に依拠したモデルの場合
  第1項 授業場面の特質
  第2項 授業場面の実際
   1.単元「公害」の単元構成
   2.「探求モデル」を通した社会認識形成  
   (1)知識の累積的成長の場合
   (2)知識の変革的成長の場合
  第3項 評価のためのツール設計の実際
   1.「探求モデル」の習得過程
   2.客観テストの設計
   (1)一般的知識と個別的知識の関係の把握
   (2)探求の過程
   (3)評価規準の作成手順
   (4)評価の実際
  第4項 「探求モデル」に基づく社会認識形成の保障
 第3節 学問成果に依拠したモデルの場合
  第1項 分析モデルの場合
   1.授業場面の特質
   2.授業場面の実際
   (1)単元「消費社会論」の構成
   (2)「分析モデル」を通した社会認識形成
   3.評価のためのツール設計の実際
   (1)「分析モデル」の習得過程
   (2)客観テストの設計
   4.「分析モデル」に基づく社会認識形成の保障
  第2項 解釈モデルの場合
   1.授業場面の特質
   2.授業場面の実際
   (1)単元「古代国家の歩み」の構成
   (2)「解釈モデル」を通した社会認識形成
   3.評価のためのツール設計の実際
   (1)「解釈モデル」の習得過程
   (2)客観テストの設計
   4.「解釈モデル」に基づく社会認識形成の保障
 第4節 見方・考え方の習得につながる評価のためのツール作成と活用の論理
第6章 生き方の選択につながる評価のためのツール
    ―判断に基づく社会認識形成の保障―
 第1節 生き方の選択につながる評価のためのツールの条件
  第1項 判断に基づく社会認識形成の特質
  第2項 形成される社会認識
 第2節 授業場面の特質
  第1項 単元全体から見た授業の位置づけ
  第2項 授業場面の実際
   1.子ども/生徒による判断場面
   (1)「個人の判断」の場面―第1次―
   (2)「問題点の判断」の場面―第2次―
   (3)「クラス集団における集団的判断」の場面―第3次―
   (4)「社会のあり方についての判断」の場面―第4次―
   2.「子ども/生徒による判断場面」の流れ
  第3項 評価対象
 第3節 評価のためのツール設計の実際
  第1項 第1次の客観テスト・論文体テスト
  第2項 第2次の客観テスト・論文体テスト
  第3項 第3次の客観テスト・論文体テスト
 第4節 生き方につながる評価のためのツール作成と活用の論理
第7章 社会系教科における授業者のための評価法作成方略
    ―単元「制度について考えよう」を事例に―
 第1節 社会系教科における学習評価の段階
 第2節 評価のためのツールによって保障される社会認識形成
 第3節 評価のためのツールを活用した評価方略
  第1項 単元のねらいと子ども/生徒に形成される社会認識
  第2項 「社会構造の理解」に対応する評価
   1.展開1~4で形成される社会認識
   2.展開1,2に対応する評価のためのツール
     ―事実に基づく社会認識形成―
   (1)学習内容の構造
   (2)評価のためのツールの実際
   3.展開3,4に対応する評価のためのツール
     ―モデルに基づく社会認識形成―
   (1)想定する見方・考え方
   (2)評価のためのツールの実際
  第3項 「価値判断」の評価
   1.展開5,6に対応する評価のためのツール
     ―判断に基づく社会認識形成―
   (1)評価のためのツールの役割
   (2)評価のためのツールの条件
   2.展開5(1),6(1)に対応する評価のためのツール
   (1)評価のためのツールの構成
   (2)評価のためのツールの実際
   (3)評価のためのツールに見られる評価方略
   3.展開5(2),6(2)に対応する評価のためのツール
   (1)評価のためのツールの構成
   (2)評価のためのツールに見られる評価方略
  第4項 評価方略の検証
   1.全体的な傾向
   2.個々の学生の回答
  第5項 評価方略の活用の論理
 第4節 社会系教科における授業者のための評価法作成方略
終章 社会系教科における評価と今後の課題

引用・参考文献
引用・参考論文
報告書ほか
教材資料
あとがき
著者井上奈穂 著
発行年月日2015年01月31日
頁数270頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2063-5

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