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言語を基盤とした教科等横断的指導に関する研究

思考力と表現力の相互育成

定価: 7,700 (本体 7,000 円+税)
言語と思考と表現の関係モデルをもとに、国語科を中心とした教科等横断的指導を構想・実践し、思考力と表現力の相互育成への有効性について実証的に検討する。

【著者略歴】
山田 丈美(やまだ たけみ)
1963年岐阜県生まれ
1986年に愛知教育大学教育学部を卒業後、3年間、岐阜県の公立小学校教諭として勤務。1995年、愛知教育大学大学院教育学研究科国語教育専攻修士課程を修了。修士課程修了後、複数の大学等での非常勤講師を経て、2007年、中部学院大学子ども学部子ども学科准教授として着任。2015年より中部学院大学教育学部子ども教育学科教授、現在に至る。2019年、愛知教育大学大学院及び静岡大学大学院教育学研究科共同教科開発学専攻博士課程を修了し、博士(教育学)取得。
目次を表示します。
研究によせて(愛知教育大学名誉教授 稲葉みどり)

第1章 序論
 第1節 問題の所在
 第2節 領域と教科の位置づけ
 第3節 教科共通の思考スキルについて
 第4節 教科等横断的指導の量的・質的変遷
  1.用語の定義と類型
  2.実践研究の量的推移
  3.1980年代の合科的指導の実践に対する教科学的分析
 第5節 本研究の課題

第2章 小学校教員を対象とする合科的指導の実態調査
 第1節 目的
 第2節 方法
  1.対象
  2.質問紙の構成
  3.結果の処理
 第3節 結果
  1.小学校教員の合科的指導に対する観方
  2.現在の合科的指導の採用有無による差異
 第4節 考察
 第5節 結論と課題

第3章 言葉と数理の論理的思考スキルによる教科等横断的指導
 第1節 国語科と算数科との教科等横断的指導の実践
 第2節 「三年とうげ」を題材とした教科等横断的指導の実践
  1.目的
  2.方法
  3.結果
  4.考察
 第3節 「かけ算」を題材とした教科等横断的指導の実践
  1.目的
  2.方法
  3.結果
  4.考察

第4章 言葉と音の想像的思考スキルによる教科等横断的指導
 第1節 国語科と音楽科との教科等横断的指導の実践
 第2節 「きつつきの商売」を題材とした教科等横断的指導の実践
  1.目的
  2.方法
  3.結果
  4.考察
 第3節 俳句を題材とした教科等横断的指導の実践
  1.目的
  2.方法
  3.結果
  4.考察

第5章 言葉と絵・動作の構造的思考スキルによる教科等横断的指導
 第1節 国語科と図画工作科との教科等横断的指導の実践
 第2節 「ごんぎつね」の挿絵比較による教科等横断的指導の実践
  1.目的
  2.方法
  3.結果
  4.考察
 第3節 「ごんぎつね」の動作化による教科等横断的指導の実践
  第1項 二次元から四次元への構造的動作化
   1.目的
   2.方法
   3.結果
   4.考察
  第2項 人間理解からコンピテンシーの育成へとつながる動作化
   1.目的
   2.方法
   3.結果
   4.考察
 第4節 「モチモチの木」の単元を通した教科等横断的指導
   1.目的
   2.方法
   3.結果
   4.考察
 第5節 源氏物語の場面の絵画による教科等横断的指導
   1.目的
   2.方法
   3.結果
   4.考察

第6章 教科等横断的指導の研究の成果と展望
 第1節 国語科と図画工作科との教科等横断的指導のカリキュラムモデル
 第2節 教科等横断的指導で育成する能力とコンピテンシー
 第3節 言語を基盤とした教科等横断的指導による思考力と表現力の相互育成モデル
 第4節 残された課題と今後の展望

資料
引用文献
初出一覧
謝辞





表目次

表 1 昭和22年度学習指導要領(試案)における「領域」          
表 2 昭和23年度小学校社会科学習指導要領補説における「領域」    
表 3 昭和26年度学習指導要領(試案)における「領域」         
表 4 昭和30年度小学校学習指導要領社会科編改訂版における「領域」  
表 5 昭和31年度幼稚園教育要領における「領域」           
表 6 教科共通の思考スキルとその定義(泰山・小島・黒上,2014)   
表 7 思考スキルの大別                        
表 8 実践校5校の合科的指導の教科学的特徴              
表 9 小学校教員の合科的指導に対する観方              
表10 合科的指導の採用有無別合科的指導に対する観方          
表11 「三年とうげ」の事前・事後テスト                
表12 実験群の事前・事後テストの正答率と有意差検定          
表13 統制群の事前・事後テストの正答率と有意差検定          
表14 事前・事後テストにおける思考力・表現力の評価規準        
表15 実験群の字数変化(n=33)                   
表16 統制群の字数変化(n=33)                   
表17 実験群・統制群の事前・事後テストにおける使用語数        
表18 実験群の事前・事後テストにおける語数変化           
表19 統制群の事前・事後テストにおける語数変化            
表20 実験群の思考力・表現力評価規準による分布(%)         
表21 統制群の思考力・表現力評価規準による分布(%)         
表22 実験群の事前・事後有意差検定(Wilcoxon の符号付き順位検定)                               
表23 統制群の事前・事後問題別有意差検定(Wilcoxon の符号付き順位検定)                              
表24 国語と音楽の教科等横断的指導の評価方法              
表25 実験群の事前・事後テストの項目別有意差検定           
表26 統制群の事前・事後テストの項目別有意差検定           
表27 「きつつきの商売」感想抽出語リスト               
表28 俳句を題材とした音楽と国語の教科等横断的指導の評価方法     
表29 実験群の事前・事後テストの項目別有意差検定           
表30 統制群の事前・事後テストの項目別有意差検定           
表31 「俳句せんりつづくり」感想抽出語リスト             
表32 「俳句せんりつづくり」感想一覧                 
表33 事前・事後テスト(ワークシート)                
表34 事前・事後テストの問題別平均文字数               
表35 事前・事後テストの問題別レベルの度数(人数)          
表36 事前・事後テストの問題別レベルの差(Wilcoxon の符号付き順位検定)                              
表37 「兵十D」に関する解答記述と授業感想記述            
表38 事前・事後レベルと授業感想記述における図画語との相関       
表39「笛を吹く少年」絵画の二次元の動作化の授業記録          
表40「ごんぎつね」挿絵の四次元の動作化の授業            
表41「ふりかえりシート」の平均値と標準偏差              
表42「ごんぎつね」動作後及び授業後の感想記述            
表43 事前・事後テストの得点と検定結果(CochranのQ検定)      
表44 事前・事後テストの検定結果(Wilcoxon の符号付き順位検定)   
表45 事前・事後テストの理由記述から抽出された語           
表46 動作前後の感想記述の平均文字数(t検定)              
表47 動作前後の感想記述における品詞別語数(KHcoderによる)    
表48 動作前後における感想記述と字数変化               
表49 思考力・表現力の評価基準
表50 実験群の事前・事後テストの字数変化(n=17)
表51 統制群の事前・事後テスト①~③の字数変化(n=19)
表52 実験群・統制群の事前・事後テストの字数差平均値とt検定
表53 実験群・統制群の事前・事後テストにおける使用語数
表54 問題①で使用された語彙の意味分類
表55 問題②で使用された語彙の意味分類
表56 問題③で使用された語彙の意味分類
表57 実験群の思考力・表現力評価規準分布(%)(n=17)
表58 統制群の思考力・表現力評価規準分布(%)(n=19)
表59 作業ごとの記述文字数の平均値 
表60 作業別記述文字数の比較
表61 1組の品詞別抽出語句出現回数(50位以内)
表62 2組の品詞別抽出語句出現回数(50位以内)
表63 原文と絵画提示後の感想文


図目次

図 1 昭和20年代の幼・小の領域・教科「融合」モデル
図 2 昭和30年代以降の幼・小の領域・教科「移行」モデル
図 3 小学校国語科内の3領域
図 4 小学校教育課程における教科と教科外の領域
図 5 類似概念の関係図(静岡県総合教育センター)
図 6  合科的指導論文・実践研究・講座の数的推移
図 7 現在の教科別指導における思考・表現のモデル
図 8 「三年とうげ」授業風景
図 9 実験群の児童3人の学習プリント
図10 論理的思考にかかわる授業内の資料
図11 かけ算問題作成の事前・事後テスト
図12 「きつつきの商売」授業風景
図13 「きつつきの商売」感想抽出語共起ネットワーク
図14 「俳句のせんりつづくり」の流れ
図15 ごんぎつねの挿絵比較資料(抜粋)
図16 国語科と図画工作科の教科等横断的指導の授業構成
図17 人物理解に関する思考力・表現力の深化レベル
図18 授業で使用した学習プリント
図19 「笛を吹く少年」絵画の動作化後の感想記述に使用された語彙の共起ネットワーク
図20 「ごんぎつね」挿絵の動作化・言語化後の感想記述に使用された語彙の共起ネットワーク
図21 「ふりかえりシート」のひとこと感想記述に使用された語句の共起ネットワーク 図22 授業で使用したパワーポイントのスライド(抜粋)
図23 事前・事後テスト
図24 実験群と統制群のワークシート
図25 実験群A児の事前・事後テスト
図26 実験群;問題①:事前テストの共起ネットワーク
図27 実験群;問題①:事後テストの共起ネットワーク
図28 統制群;問題①:事前テストの共起ネットワーク
図29 統制群;問題①:事後テストの共起ネットワーク
図30 実験群;問題②:事前テストの共起ネットワーク
図31 実験群;問題②:事後テストの共起ネットワーク
図32 統制群;問題②:事前テストの共起ネットワーク
図33 統制群;問題②:事後テストの共起ネットワーク
図34 実験群;問題③:事前テストの共起ネットワーク
図35 実験群;問題③:事後テストの共起ネットワーク
図36 統制群;問題③:事前テストの共起ネットワーク
図37 統制群;問題③:事後テストの共起ネットワーク
図38 『源氏物語図屏風 若菜上』
図39 『源氏物語画帖 若菜上』
図40 作業別文字数
図41 国語科と図画工作科の教科等横断的指導のカリキュムモデル (山田,2017)
図42 教科等横断的指導による思考力と表現力の相互育成モデル




資料目次

資料 1 合科的指導の実践校の特色(刊行物からの抜粋)        
資料 2 小学校教員の合科的指導に対する捉え方の実態調査         
資料 3 「三年とうげ」の教科等横断的指導案              
資料 4 「2けたの数をかける計算」の教科等横断的指導案        
資料 5 「きつつきの商売」の教科等横断的指導案            
資料 6 「きつつきの商売」感想一覧                  
資料 7 俳句の教科等横断的指導案                   
資料 8 「モチモチの木」の単元指導計画(7時間)            
資料 9 「モチモチの木」実験群の事前・事後テスト問題①の記述     
資料 10 「モチモチの木」実験群の事前・事後テスト問題②の記述     
資料 11 「モチモチの木」実験群の事前・事後テスト問題③の記述     
資料 12 「モチモチの木」統制群の事前・事後テスト問題①の記述     
資料 13 「モチモチの木」統制群の事前・事後テスト問題②の記述     
資料 14 「モチモチの木」実験群の事前・事後テスト問題③の記述 
著者山田丈美 著
発行年月日2022年01月15日
頁数244頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2419-0