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ハンス・カロッサ

文体標識:不定詞名詞,als obおよび“reif”に即しての作家論の試み

定価: 16,500 (本体 15,000 円+税)

文芸作品の言語的な研究が従来の文学研究のどの範囲にまで及び得るかをハンス・カロッサに即して、特定の具体的文体標識を発掘し個々に検討を加え人間像を解明。

【著者紹介】
小島公一郎(こじま こういちろう)
南山大学教授 文学博士
※刊行当時のものです※
目次を表示します。
まえがき
1章 序論
1.1 カロッサ,その毀誉褒貶
1.2 カロッサの散文文体,その概観
1.2.1 成熟と時間の経過
  1.2.2 熟慮と推敲 
  1.2.3 高雅
1.2.4 簡潔のための諸要素
   1)述語動詞の省略 
   2)分詞の諸形態
   3)形容詞の名詞化と不定詞名詞
   4)複合の形容詞
   5)その他
  1.2.5 受動性と観察者;非政治性
   1)文法上の受動態 
   2)再帰型などの受動的語法
   3)非人称型
   4)補足語型
  1.2.6 その他の文体特徴
  1.2.7 文体上の影響
 1.3 純真率直の過度,若きカロッサの危機
 1章 補注
2章 カロッサにおける不定詞名詞
 2.1 不定詞名詞について
  2.1.1 各種の文法書
  2.1.2 不定詞名詞の性格
2.2 カロッサにおける不定詞名詞,1:その数と種類;他の3作家との
比較
2.3 不定詞名詞の具象的用法,カロッサに即して
2.3.1 規定詞の付加
2.3.2 合成 
2.4 カロッサにおける不定詞名詞,2:その数量的調査
2.5 他の3作家における不定詞名詞
2.5.1 》マルテの手記《
2.5.2 Th.マン
2.5.3 ヘッセ
2.6 カロッサにおける不定詞名詞,3:その具体例
2.6.1 》ルーマニア日記《
2.6.1.1 概観
2.6.1.1.1 連続使用
2・6・1・1・2 前置詞をかぶせた例
2.6.1.1.3 機能動詞語法
2.6.1.2  Lebenの例
2.6.2 慣用の不定詞名詞の例
2.6.2.1  Leben
2.6.2.2  Lachen/La(¨)cheln
2.6.3 動きの追求
2.6.3.1  Leuchten
2.6.3.2 同一語の反復,計画的な用語の布置
2.6.3.3  Irren
2.6.3.4  Unterspchen
 2.7 不定詞名詞の文論的用法
2.7.1 ショーペンハワー
 2章 補注
3章 カロッサにおける生の基本形態
3.l  Verwandlungとその類語
3.2 基本形態Grundfigur
3.3 継続動態das FlieBen
3.4 付論.生の流れ,その系譜をたどって
3.4.1 同時代から:フッサールとディルタイ
3.4.1.1 フッサール
3.4.1.2 ディルタイ
3.4.2 原流をもとめて
3.4.2.1 ショーペンハワー(1788~1860)
3.4.2.2 シェリング(1775~1854)
3.4.2.3 フィヒテ(1762~1814)
3.4.2.4 ヘーゲル(1770~1831)
3.4.2.5 カント(1724~1804)
3.4.2.6 ハーマン(1730~1788)
3.4.2.7 ライブニツ(1646~1716)
3.4.2.8  J.べ-メ(1575~1624)
3.4.2.9 》ボヘミアのアッカーマン《
3.4.2.10 神秘家 
3.4.3 伝統の断絶?継承?―U(¨)berfluBの問題を中心に
 3章 補注 
4章 カロッサにおけるals ob
4.1 カロッサにおける夢の意義
4.1.1 若きカロッサの心の遍歴
4.1.2 3 女性との愛の夢―》ルーマニア日記《の第二主題
4.2 》die traumverwandten Mittel der Kunst《
4.3 als obの機能について
4.3.1 従来の見解
4.3.2 非現実のはたらきかけ;かさなりの緊張
4.3.2.1 ファイヒンガー》Als Obの哲学《
4.3.2.2.1 比較,1:シュニツラー
4.3.2.2.2 比較,2:ホーフマンスタール
4.3.2.3  als ob類の機能
4.3.2.4  als ob類の変異形
4.3.2.5  als obの文形態的分類
4.3.2.5.1  als ob第1種の典型例
4.3.2.5.2  als ob第2種の典型例
4.3.2.5.3  als obの第3種の典型例
4.3.2.5.4  als obの第4種の典型例
4.3.2.5.5  als obの変種
4.4 数量的詞査;他の3作家との比較
4.5 具体例,》ルーマニア日記《から
4.6 》成年の秘密《
4.6.1 リルケ:女性たちとの愛の現実
4.6.2 》勘と地霊《
4.6.3 リルケの現実とカロッサの非現実
4.6.4 カロッサ芸術とエス
4.7 als obの限界;カロッサの限界
4.7.l  als obの限界
4.7.2 》狂った世界《:非政治的人間の政治的考察
4.7.3 》美しき惑いの年《
4.7.3.1 回顧と展望
4.7.3.2 最高級的als ob―ユーモアか,ウィットか
4.7.3.3 ich tat,als〔ob〕
4.7.3.4 》ユーモア《プラス・アルファ;非政治性の破綻
4.7.3.5 文章圧縮の不足
4.7.3.6 》美しき《 》成熟せる《標題
 4章補注
5章 カロッサにおけるreif―結論にかえて
5.1 その数量と種類
5.2 reif,reifend,gereiftその他
5.3 reif:》地上の楽園《
5.4 》成熟せる生の秘密《の秘密
5.5 リルケにおける reif
5.6 むすび
 5章 補注 
6章 付論.不定詞名詞,その慣用の概観とその略史
   ―ung型動作名詞,機能動詞語法,および付加語分詞(=冠飾)句に
関連せしめて―
6.1 概観 
6.2 現代語における不定詞名詞の位置
    ―エガースの例;付加語分詞(=冠飾)句の位置―
6.3 慣用の不定詞名詞
6.3.1 辞書の記載について
6.3.2 》慣用《の規定
6.3.2.1 慣用の範囲
6.3.2.2 慣用への制限
6.4 ung型(およびその他の動作名詞)
6.4.1 概観
6.4.2 ung型その他の分類―辞書に即して
6.4.2.1 辞書の記載について
6.4.2.2 分類の結果
6.5 不定詞名詞の略史
6.5.1 古高ドイツ語期
6.5.2 中高ドイツ語期
6.5.3 神秘家
6・5.4 初期新高ドイツ語期
6.6 特定の個人に即して
6.6.1 》ボヘミアのアッカーマン《
6.6.2 パラツェルズス(1529/34)
6.6.3 M.オーピツ(1624)
6.6.4 ショッテル(1641/63)
6.6.5 ライプニツ(1680/97)
6.6.6 ゴットシェット(1729/51)
6.6.7 レヅシング:ラオコオン(1766)
6.6.8 クロプシトック:メシアス,Ⅰ~Ⅲ,(1748)
6.6.9 ゲーテ:》若きウェルターの悩み《,(1774)
6.6.10 ゲーテ:》教育州《,(1820/21)
6.7 むすび
 6章 補注 
 補遺 カロッサにおけるung型
7章 カロッサ関係資料
7.1 不定詞(カロッサ)
7.2 文論的用法の不定詞名詞(カロッサ)Der satzwertige
    substantiviete Infinitiv(mit erweitertem attributivem
    Partizip-Satzglied)
7.3 付加語分詞句(カロッサ)
7.4 前置詞格検使動詞語法(カロッサ)
7.5 als ob全例文(カロッサ)
7.6 ung型(カロッサ)
8章 不定詞名詞,ung型一般資料
 8.1 慣用の不定詞名詞
 8.2 ung型その他の動作名詞
 8.3 ahd.unga型 
 8.4 中高ドイツ語のunge型名詞
 8.5 mhd.不定詞名詞
 8.6 fru(¨)hnhd.不定詞名詞
 8.7  fru(¨)hnhd.ung(e)型
 8.8 ショッテルの文法におけるung型の表
著者小島公一郎 著
発行年月日1975年03月31日
頁数800頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-0432-1