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古典期ドイツ文学襍記

定価: 3,300 (本体 3,000 円+税)

古典期ドイツ文学現象を対象とし、広義の比較文学的観点にたって論述。―ウィンケルマン、ファウスト、ゲーテ、ヴォルテール、三単一則についての一視点―

【著者略歴】
滝沢寿一(たきざわ じゅいち)
明治44年台北市に生まれ、昭和9年東京帝大文学部独逸文学科卒。
台北高校、五高教授、九大助教授を経て、広島大学部文学部教授(現職)、文学博士。
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
序文
第1章 ウィンケルマンとフランス古典主義
 Ⅰ フランス古典主義文学の影響
  1 フランス文化精神の覇権とドイツの天才たち
  2 グロルマン夫人体験
  3 エーゼル体験
  4 ロンギノスの「崇高論」,ボゥローの「詩法」とウィンケルマン
 Ⅱ フランス純正古典派とウィンケルマンの美学的一致
  1 フランス古典派における「偉大」「優美」「単純」への根本的思考
  2 「場所の単一」論と「静けさ」への志向
  3 古代崇拝と自然観
  4 ウィンケルマンにおける形式への意志と無定形嫌悪
 Ⅲ ウィンケルマンにおけるラ・ブリュイェールの受容
 参考文献
第2章 「ファウスト」結句考
 Ⅰ 「ファウスト」結句の語釈
  1 Gleichnisとは何か?
  2 nurとは何か?
  3 Alles Vergae(アーウムラウト)nglicheとは何か?
 Ⅱ 「ファウスト」結句成立の比較文学的考察
 Ⅲ 諸家の「ファウスト」結句観
 Ⅳ ゲーテ自身の語法
 Ⅴ 「ファウスト」結句と「出家と其弟子」
 参考文献
第3章 「親和力」と「新エロイーズ」
 Ⅰ ルソーのゲーテへの影響の再検討
  1 ルソー理解の不足
  2 mystificateurゲーテ
  3 ゲーテの無意識界に住んだルソー
 Ⅱ ゲーテ的湊合と「親和力」の西方性
  1 湊合性の自覚
  2 「親和力」の西方性
 Ⅲ 「新エロイーズ」「親和力」に共通のモチーフ
  1 親和力
  2 二組男女同居
  3 子どもの水中落下
  4 絶食衰弱死
  5 瀕死の恋女の長広舌
  6 農地経営,造園造庭の描写
  7 結婚神聖の強調
  8 胸にかける小画像
  9 絶望の旅路と旅中の愛人への思慕
  10 比翼塚
 参考文献
第4章 ゲーテとヴォルテール
 Ⅰ 貴族主義
 Ⅱ 快楽主義
 Ⅲ 生きのよさ
 Ⅳ 多面性
 Ⅴ 中庸
 Ⅵ 古典主義
 Ⅶ 非宗教性
 参考文献
第5章 三単一則についての一視点
 Ⅰ 三単一則についての一視点
  1 三単一則批判と古典劇鑑賞
  2 沙翁の三つの三単一劇のもつ意味
  3 沙翁劇と古典劇との関係
  4 現代における三単一則への敬意
  5 les trois unite(eにアクサンテギュ)sの訳語
  6 最近の三単一則論
 Ⅱ 三単一則の美学的意味づけの試み
  1 単純美
  2 集中美
  3 非情美
  4 唯心美
  5 静寂美
  6 対照美
  7 律動美
  8 荘厳美
  9 夢幻美
 参考文献
余録Ⅰ トーマス・マンにおけるヴォルテール
  Ⅱ ジャン・ジャック・ルソーのナルシズムについて
  Ⅲ 批評家アミエルとそのゲーテ像
著者滝沢寿一 著
発行年月日1969年01月15日
頁数360頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-0314-0