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日本文法探究 上巻

定価: 12,320 (本体 11,200 円+税)
言語表現を対象の表現面(叙述)と心意の表現面(陳述)との二階層を成すものと見、著者はこの見地から日本文法の新しい体系〈意識文法〉の樹立を企図する。

【著者略歴】
桑田 明(くわだ あきら)
 大正八年香川県に生れた。
 昭和二十一年東京文理大文学科卒業。以後香川県下公立高校に奉職。
 現在県立高松高校教諭。

※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
緒言 新しい言語観による日本文法の探究について
凡 例
第一編 心意と言語
 第一章 言語過程観と言語資財観
  一 言語の意義と言語の本質の所在
  二 言語行為と言語成果
  三 言語受容と言語所得
  四 言語という概念のひろがり
  五 言語の遂行・受容の過程
  六 心意の表現の過程
  七 その他補遺
     ことばによってものを考えること
     資財言語の客観性はいかにして得られるか
     資財言語と運用言語との関係
     ラングとパロルとの分け方について
 第二章 言語の機能
 第三章 心意と言語
 第四章 言語の成立条件としての場面
  一 言語の場面
  二 言語の成立条件
  三 場面の種々相
  四 場面についての補遺
 第五章 言語表現二階層観
 第六章 言語概念
 第七章 心意の流れの原理
第二編 叙述と陳述(上)
 第一章 対象の分類
 第二章 格の意識と機構
  Ⅰ 該格助詞としての「の・が」
    一 いわゆる主語につく「の・が」の用法
    二 連事格指示の「の・が」
    三 貌格指示の「の・が」
    四 該格指示の「の・が」
  Ⅱ 的格指示の「を」
  Ⅲ 位置格指示の「に」
  Ⅳ 格の意識と格の機構
 第三章 体言化語の意味
  Ⅰ 連体形体言化語と事像者
    一 連体形体言化語(一)
    二 連体形体言化語(二)
    三 形式体言と者
    四 事像者のさす対象
    五 自者・関者その他
  Ⅱ ク語法体言化語・サ語法体言化語と像者
    一 ク語法体言化語
    二 像者・直義像者・用像者
    三 サ語法体言化語
  Ⅲ 「さるは」の意味
 第四章 対象の内部構成―格関係―
  Ⅰ 帰向・移行・輩立
  Ⅱ 素と格関係
 第五章 対象の解析―呼応関係―
  Ⅰ 心意における呼応
  Ⅱ いわゆる係助詞「は」「も」の意味・機能
    一 題目提示の説について
    二 主題の提示
    三 題部の種々相
    四 題啓関係をめぐって
  Ⅲ 前提帰結関係の具体相
    一 前提部の分類
    二 題前提の様相
    三 前素前提の成立
    四 題前提の成立(一)
    五 題前提の成立(二)
    六 「……て」「……ては」「……ても」その他
    七 前提部止め
    八 「××ながら」
    九 「○○の」「……が」
    一〇 「××に」「××で」「……のに」「……ので」
    一一 「……から[てから・からに・からは・ものから・ものの]」
    一二 「××ゆゑ」「……ため」
    一三 題部・前提部についての結び
   Ⅳ 係り結びとは
    一 係りと言い切り
    二 係り結び的現象―「ぞ」の場合
    三 已然形の用法
    四 係り結び的現象―「か」「や」の場合―
    五 係り結び的現象の意味その他―「ぞ」「か」「や」の場合を通して―
    六 限措と標措
    七 係り結び的現象―「こそ」「なむ」の場合―
    八 係り結び的現象と動文
    九 延長係り結び
    一〇 動文一般の考察
    一一 動文としての係り結び的現象構文の処理
    一二 措提助詞の語源
    一三 係り結び的現象の変質
   Ⅴ いわゆる副助詞について
    A 「だに」「すら」「さへ」の語義・機能
     一 従来の所説
     二 「だに」の用法
     三 「さへ」の用法
     四 「すら」の用法
     五 「だに」の語義
     六 「すら」の語義
     七 「さへ」の語義
     八 題助詞「だに」「すら」「さへ」の整理
    B 「し」「い」の語義・機能
     一 感提部「××し」
     二 「はしきやし」「よしゑやし」「あなにやし」
     三 「し」の語義・機能
     四 「い」の用例
     五 「い」の語義・機能
    C 「のみ」「ばかり」「だけ」「ほど」「くらい」の語義・機能
     一 「のみ」の用法
     二 「のみ」の機能と意味(一)
     三 「のみ」の機能と意味(二)
     四 「のみ」の機能と意味(三)
     五 「ばかり」の用法
     六 「ばかり」の語義
     七 「だけ」「ほど」「くらい」
    D 「きり」「しか・はか・ほか」の語義・機能
     一 この語類の用法
     二 この語類の語義
    E 「まで」「など・なんか・なぞ」の語義・機能
    F いわゆる副助詞の改編
   Ⅵ いわゆる間投助詞について
    一 「を」
    二 「や」「よ」
    三 「わ」「ゑ」「な」「さ」「ね」
    四 「は」「も」
    五 俳諧にあらわされる情思の波動
   Ⅶ 部・呼応関係の本質
 第六章 対象の処理
 補説
   1 観照的場面
   2 現回者
   3 映質属者を取上げた「さるは」
   4 並題等の「××も」
   5 先行素的接尾語「は」
   6 評価前提・理由前提の細分
   7 延長係り結び補説
   8 感懐の分類
   9 「風をだに」の解補説
   10 提部の重畳し得る理由
   11 極限肯定映題としての「××さへ[だに]」と「××まで[も]」の差異
 用語索引
 釈詞索引
   一般
   出典別
著者桑田明 著
発行年月日1972年01月31日
頁数730頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-0382-9