博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

日中古典女性文学の比較研究

中古期を中心に

定価: 12,100 (本体 11,000 円+税)
両国の女性文学史をその源から掘り起こし、中古期までの各々の展開を跡付け、文学創作の深層動機から文学形式までの異同を比較対照。女性文学の本質を追究する。

【著者略歴】
孫 佩霞(ソン ハイカ)
1961年 中国遼寧省生まれ
1982年 大連外国語学院日本語学科卒業
1999年 日本女子大学大学院文学研究科日本文学専攻博士課程修了
2007年 博士(文学)(日本女子大学)
現 在 大連外国語学院日本語学科教授
目次を表示します。
序言
第一篇 日中女性文学の始発
 緒言
 第一章 日中古代文学の始発における女性群像
  第一節 神話時代の「太母」
  第二節 歌謡時代の「地母神」
  第三節 人間的「母性美」
 第二章 古代女性と文学の誕生
  第一節 「母性美」意識の形成背景
  第二節 古代女性と巫術と文学の創生
  第三節 「嫉妬の権化」と女性の「自己意識」
第二篇 日中中古期女性文学の比較研究
 緒言
 第一章 女性作者の自己意識と社会の現実
  第一節 「情真辞質」の可能
  第二節 「怨深文綺」の矛盾
 第二章 女性文学の文化環境
  第一節 「文章経国」の神話
  第二節 「惜春非秋」の漢詩文
  第三節 「形異神似」の和歌集
  第四節 「文化権力」の許容
 第三章 日中古代の女子教育と女性文学
  第一節 「攀龍附鳳」の条件
  第二節 「玉の輿」の記号
  第三節 「組織」の要求
 第四章 日中中古期女性文学の異同
  第一節 後宮女性の「明暗」
  第二節 婚姻制度の「無徳」
  第三節 日中女性の「背徳」
  第四節 「色好み」の極み
第三篇 紫式部と『源氏物語』
 緒言
 第一章 紫式部の自己意識の形成
  第一節 「愛情充足」の人格形成期
  第二節 友から女性一般へと
  第三節 自己実現への欲求
 第二章 性を越えて生へ
  第一節 父親を通して人生観照
  第二節 父親への愛
  第三節 愛情の理想と現実
 第三章 紫式部の「憂き」意識
  第一節 諸説への質疑
  第二節 高みの孤独
  第三節 存在価値への懐疑
  第四節 制御できない心
 第四章 文学創作の深層心理
  第一節 創造―自己への回帰
  第二節 紫式部日記の多様性
  第三節 紫式部日記の文学性
 第五章 紫式部と中国文化
  第一節 重層的漢文化の位相
  第二節 紫式部の精神構造
  第三節 漢詩文の「心」と「身」の遡及
 第六章 紫式部の宗教観―物の怪を中心に
  第一節 来世への期待
  第二節 離魂の可能
  第三節 自己を獲得した魂の悲劇
  第四節 紫式部周辺の「遊離霊魂」たち
第四篇 日中文学における植物の美意識―桃・桜・楓・桐を中心に
 緒言 
 第一章 桃と桜(その一)
  第一節 平安朝に輝く桜と唐代文学
  第二節 紫式部の桜
 第二章 桃と桜(その二)
  第一節 桃の漢文化的原像
  第二節 桜の美学的原形
  第三節 桃と桜の文学的展開
  第四節 桜の悲劇美の深化
  第五節 中世以降の桜と桃
 第三章 楓について
  第一節 王朝漢詩文の楓
  第二節 源氏物語における楓
 第四章 桐壺更衣造型の核心―『源氏物語』における桐の漢詩文的意味について
  第一節 漢文化における桐
  第二節 桐壺更衣の造型における桐
 終章 超越
  第一節 越境した女性文学
  第二節 時空を越えた同一性
  第三節 雅俗異なる境地
あとがき
著者孫佩霞 著
発行年月日2010年11月15日
頁数498頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1819-9