はしがき
Ⅰ 心理学がからだの病気の研究において担う問題及び展望に関する検討
1.病気への関心
2.一般医科における“病気観”の変遷
3.からだの病気に対するこれまでの心理学的アプローチ
4.意味体験事象としての病気―「病気像」(Disease Image)への着目
Ⅱ からだの病気の研究にかかわる心理学の方法論としての現象学的方法に関する検討
1.心理学のなかの現象学
1)論者の現象学との出会い
2)心理学と現象学とのかかわり
2.現象学から受けとり,示唆をえて,方法論的基盤を明確化し,これを心理学に具体化する試み
1)科学としての心理学における方法
2)心理学の「危機」とその克服への道(1)
あるがままに:「事象そのものへ」
3)心理学の「危機」とその克服への道(2)問う者が同時に問われる者
4)心理学の「危機」とその克服への道(3)主客融合の思考へ
―その1 人間観をめぐって
5)心理学の「危機」とその克服への道(4)主客融合の思考へ
―その2 心身関係をめぐって
6)心理学の「危機」とその克服への道(5)主客融合の思考へ
―その3 客観性をめぐって
3.現象学から受けとり,えた示唆をからだの病気の患者への援助的理解の心理学に具体化する試み
1)主体としての自我・自己をめぐって
2)身体をめぐって
3)感情をめぐって
4)関係をめぐって
5)いま,ここを,ともに
Ⅲ 現象学的方法の具体化としての「対人・対話関係」に関する検討
1.対人・対話関係の実現にかかわる「体験学習:小集団における気づきの自由な話し合い」の企て
1)「体験学習:小集団における気づきの自由な話し合い」との解逅
2)「体験学習:小集団における気づきの自由な話し合い」とは何か
2.「体験学習:小集軌こおける気づきの自由な話し合い」の実践
―ナースの場合を例に
1)この「体験学習」への導入
2)この「体験学習」のプロセスの概要
3)この「体験学習」のプロセス展開の意味
3.「体験学習:小集団における気づきの自由な話し合い」から開らかれてくる援助的理解の主体のすがた:問う者が問われるとき
1)意識の変容から
2)自我指標の変容から(1)
3)自我指標の変容から(2)
Ⅳ 現象学的方法の視座から,からだの病気の研究に開らける新しい視界と展望に関する検討
1.病気像(Disease Image)提唱の意義と展望
1)外側からの客観的方法の偏重からの脱却
2)心身二元論的な対立からの脱却
3)人にとってリアルで客観的な病気世界へ迫りうること
4)患者への援助的理解が可能となること
5)健康者の病気と密着した生活にアプローチできること
2.病気像の諸検討から開らける援助的理解―「病気との和解」
1)援助的理解をめぐって
2)病気との和解の実現に向けた視界とその実際
3.「病気との和解」の象徴的モデルとしての体験学習
1)「病気であること」と「体験学習に臨むこと」との意味体験状況の類似性
2)「病気であること」と「体験学習に臨むこと」との意味体験状況,プロセス,そしてそこから開らける世界の類似性
―病気との和解的あり方から
3)「病気であること」と「体験学習に臨むこと」との意味体験状況,プロセス,そしてそれから開らける世界の類似性
―「体験学習におけるグループの受容体験」から
Ⅴ 患者の「病気との和解」実現の方途に関するナースの「体験学習」の成果からの検討
1.病気との和解実現の方途を探ぐる検討
―「体験学習」におけるグループの受容体験をモデルとした調査研究
1)問題
2)手続き
3)結果
4)考察
2.患者の病気との和解実現にかかわるナースの体験学習の成果に関する調査研究
―グループの受容体験をえたナースによる「病気像調査票」の実施を通じて
1)問題
2)手続き
3)結果
4)考察
5)今後の展望
おわりに