博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

近代沖縄における児童文化・児童文学の研究

定価: 12,100 (本体 11,000 円+税)
大正期に伊波普猷の「子供の会」を中心に据えながら、その支流を八重山の児童文化活動に見い出し歴史的意味付けを行い、岩崎卓爾・宮良長包の業績も考察した書。
【2004年1月初版刊行】

【著者略歴】
齋木喜美子(さいき きみこ)
1961年 沖縄県志川市に生まれる(旧姓・新星)。
1985年 琉球大学教育学部小学校教員養成課程卒業。
1987年 神戸大学大学院教育学研究科修士課程修了。
小学校教諭を経て聖和大学大学院教育学研究科博士後期課程に入学し、鳥越信教授に師事。甲子園短期大学、神戸大学等の非常勤講師を経て、
現在、中京女子大学人文学部児童学科准教授。
目次を表示します。
序章 本研究の目的と方法
第1部 地域に根ざした児童文化活動の萌芽
 第一章 沖縄の近代教育と児童文化状況
  第一節 明治という時代のもつ意味
  第二節 沖縄近代化準備期(1879年~1894年)の教育
  第三節 沖縄近代化展開期(1895年~1905年)の教育
  第四節 沖縄近代化発展期(1906年以降)の教育
  第五節 自治的児童文化活動の萌芽
  第六節 児童文化に関わる二つの潮流
 第二章 伊波普猷の児童文化活動
  第一節 伊波普猷と彼の受けた「沖縄」の教育
  第二節 伊波普猷の「子ども」への関心の素地
  第三節 伊波普猷の図書館づくり
  第四節 伊波普猷の「子供の会」活動
  第五節 伊波普猷の活動の理念と可能性
 第三章 児童雑誌に見る沖純の児童文学
  第一節 本土発行雑誌に見る沖縄の投稿者たち
  第二節 沖縄発行雑誌「おきなは」について
  第三節 「おきなは」細目
第2部 八重山での児童文化活動の展開
 第一章 岩崎卓爾の児童文化活動
  第一節 八重山研究の意義
  第二節 岩崎卓爾の実践
  第三節 「児童の産業」細目
  第四節 岩崎卓爾の実践の意義
 第二章 宮良長包の教育実践と児童文化活動
  第一節 伊波普猷の活動から小学校の実践へ
  第二節 教師としての宮良長包
  第三節 宮良長包の実践の意義
 第三章 教育現場における児童文化活動の展開事例
  第一節 八重山の児童文化活動と「青い鳥」発行
  第二節 「青い鳥」創刊の背景
  第三節 口演童話の影響
  第四節 「青い鳥」細目
  第五節 「青い鳥」の展開と衰退
第3部 戦後沖縄の児童文化・児童文学
 第一章 本土復帰と児童文化・児童文学
  第一節 本土復帰(1972年)前の児童文化状況と児童文学
  第二節 アメリカの文教政策と児童文化
  第三節 本土復帰(1972年)後の児童文化状況と児童文学
  第四節 雑誌「青い海」に見る児童文化・児童文学
 第二章 儀間比呂志の絵本
  第一節 儀間比呂志の絵本について
  第二節 絵本作家としての歩み
  第三節 儀間比呂志絵本の表現
  第四節 儀間比呂志絵本の絵について
 第三章 儀間比呂志絵本の作品分析(一)
     『ひしょうがつ』(ひかりのくに社、1983年)
  第一節 民話絵本における「再話」の問題
  第二節 沖縄に昔から伝わる民話の再話について
  第三節 『ひしょうがつ』の作品分析
  第四節 儀間比呂志の「再話」 
 第四章 儀間比呂志絵本の作品分析(二) 
     『おにとアンカンぼうず』(福音館書店、1989年)
  第一節 テキストの構造
  第二節 作品分析
  第三節 構造分析からみた儀間比呂志の再話
  第四節 儀間比呂志絵本の成果と課題
 終章 研究の成果と今後の課題
謝辞
著者齋木喜美子 著
発行年月日2004年01月31日
頁数334頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1409-2