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観光回遊論

観光行動の社会工学的研究

定価: 20,900 (本体 19,000 円+税)

観光行動の基本型である「回遊行動」を多角的に分析し、そこに認められる行動特性および人びとを観光回遊へと誘うための方法(誘導手法)を体系的に明らかにする。

【著者略歴】
橋本俊哉(はしもと としや)
立教大学社会学部観光学科助教授 博士(工学)
専攻 観光行動論、観光社会工学

1963年 埼玉県生まれ
1985年 立教大学社会学部観光学科卒業
1988年 同大学大学院社会学研究科博士課程前期課程(応用社会学専攻)修了
1993年 東京工業大学大学院理工学研究科博士後期課程(社会工学専攻)修了
1995年 立教大学社会学部観光学科専任講師、96年より現職。
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
序章
 1.研究の背景と目的
 2.先行研究と本研究の意義
 3.「観光回遊」と「誘導」
 4.研究の構成
第1章 江戸時代の旅にみる回遊行動
 本章の目的と内容
 1-1 江戸時代までの旅
  1.「強制的な旅」からの解放
  2.文人・宗教者による旅
  3.「遊楽的な旅」の普及 
  4.わが国の旅の類型
 1-2 芭蕉の旅にみる行動特性と誘導手法
  1.芭蕉が旅に出た理由
  2.『おくのほそ道』のコースと歌枕の地 
  3.『おくのほそ道』にみられる先人ゆかりの地
  4.芭蕉後の『おくのほそ道』
  5.漂泊俳人にみる回遊の誘導手法
 1-3 伊勢参詣の旅にみる行動特性
  1.分析に用いた史料と分析方法
  2.結果
  3.結果の分析
  4.伊勢参詣の旅に認められる行動特性
 1-4 「めぐり型」の旅行形態にみる回遊の誘導手法 
  1.巡礼のコース設定の特徴
  2.地方霊場の発達
  3.「風景探勝型」の旅の普及 
  4.江戸庶民にみる「めぐり型」の行楽
  5.「めぐり型」の旅行形態にみる回遊の誘導手法 
 1-5 旅行関連情報の掲載内容と表現形態にみる回遊の誘導手法
  1.「旅行案内記」の掲載内容と表現形態 
  2.「名所図会」の掲載内容と表現形態 
  3.旅を題材とした滑稽本の掲載内容と表現形態
  4.「道中双六」および「名所双六」の表現形態
  5.旅行関連情報の掲載内容と表現形態にみる回遊の誘導手法
 第1章 まとめ
 第1章 註
第2章 旅行業者を通してみる観光回遊行動
 本章の目的と内容
 2-1 手配旅行および旅行商品にみる観光回遊の行動特性
  1.分析対象としたデータ
  2.観光ルートの類型化
  3.基本距離と移動範囲の関係 
  4.往復の経路および移動手段の選択傾向
  5.立ち寄り観光対象の選択傾向 
 2-2 旅行商品にみる1日観光回遊圏の標準的な姿 
  1.分析対象としたデータ
  2.観光行動時間と観賞時間比
  3.立ち寄り観光対象の種類
  4.立ち寄り観光対象の価値
  5.観光対象間のつなぎかた
  6.観光対象間の移動時間
 2-3 旅行商品にみる観光回遊の誘導手法
 2-4 江戸時代の旅にみる行動特性・誘導手法との関係
  1.行動特性について
  2.誘導手法について
 第2章 まとめ
 第2章 註
第3章 徒歩スケールの観光回遊行動
 本章の目的と内容 
 3-1 観光者の歩行行動特性
  1.歩行者の行動特性
  2.観光者の歩行行動特性 
 3-2 徒歩スケールにおける観光回遊の実態分析
  1.調査目的と調査の視点 
  2.町並み観光地における回遊行動の分析
  3.テーマパークにおける回遊行動の分析 
  4.観光・レクリエーション場面における徒歩回遊の行動特性 
 3-3 徒歩回遊の事例にみる回遊の誘導手法 
  1.徒歩回遊が誘発されるレジャー行動の事例にみる回遊の誘導手法 
  2.「ブラウン運動的回遊」を誘発するための手法
 3-4 伝統的空間にみる徒歩回遊の誘導手法
  1.神社参道にみる徒歩回遊を誘導するデザイン手法 
  2.回遊式庭園にみる徒歩回遊を誘導するデザイン手法 
  3.伝統的空間におけるデザイン手法と行動特性・誘導手法との関係 
 第3章 まとめ
 第3章 註
第4章 感動生起の構造からみた観光回遊の誘導手法
 本章の目的と内容
 4-1「感動」に関する考察
  1.「時間芸術」について
  2.「感動」の構造に関する理論
  3.「時間芸術」の類型
 4-2「着席観賞型」時間芸術の事例分析
  1.分析対象とした時間芸術 
  2.宴会・食文化 
  3.大相撲
  4.歌舞伎 
  5.クラシック音楽
  6.「着席観賞型」時間芸術にみる感動の構造
 4-3「移動観賞型」時間芸術の事例分析
  1.分析対象とした時間芸術 
  2.神社参道 
  3.祭
  4.「移動観賞型」時間芸術の感動の構造
 4-4 旅行商品にみる「感動」の構造 
  1.分析内容と使用するデータ
  2.観光対象の価値と前後にとる時間幅との関係
  3.1日のカタルシス・カーブのバランス 
  4.旅行全体にみるカタルシス・カーブの特徴 
 4-5 カタルシス論の視点からみた観光回遊コースの設計手法
  1.時間芸術の演出から導かれる観光回遊コースの設計手法 
  2.「感動」演出のタイミング
  3.「定番旅行商品」の分析から導かれる観光回遊コースの設計手法
 第4章 まとめ
 第4章 註
第5章 観光回遊の行動特性と観光回遊計画への応用
 本章の目的と内容 
 5-1 観光回遊の行動特性と誘導手法 
  1.観光回遊の行動特性に関する考察 
  2.観光回遊の誘導手法に関する考察
 5-2 観光者の「回遊の原理」
  1.行動特性からみた「回遊の原理」
  2.誘導手法からみた「回遊の原理」
  3.「回遊の原理」と行動特性,誘導手法との対応関係
 5-3 観光回遊コース設定の手法 
  1.観光回遊コース設定の手順
  2.基本的条件設定の手法 
  3.観光回遊コース成立基準設定の手法
  4.観光回遊コースの魅力を高めるための手法
  5.観光回遊の行動特性から導かれるプロモーション上の原則 
 5-4 課題
資料
参考文献
索引
あとがき
申し訳ございませんが、只今品切れ中です。
著者橋本俊哉 著
発行年月日1997年03月31日
頁数372頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1032-2