博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

十九世紀アメリカ聾教育方法史の研究

1840~1860年代を中心に

定価: 20,900 (本体 19,000 円+税)
現在の聾教育にあって手話・口話をどう考えるかという問題意識に立ち、従来無視されていた19世紀中葉の手話時代の教育に注目・評価し今日へ貴重な示唆を与える。

【著者略歴】
上野益雄(うえの ますお)
1932年大阪市に生まれ、山梨市に育つ。
東京教育大学卒業後、都立立川聾学校教諭、
東京教育大学大学院(博士課程)、東京教育大学助手を経て、
現在、筑波大学教授(心身障害学系)。
教育学博士。
目次を表示します。
 序章
  第1節 課題と方法
   1 問題提起
   2 本研究の課題
   3 方法と構成
  第2節 本研究の背景
   1 ヨーロッパ聾唖教育における二つの流れ
   2 本研究の聾教育史上の位置
  序章註
第Ⅰ部 手話法・口話法・併用法をめぐる教育理念
 第1章 アメリカへの手話導入にみる歴史解釈(手話法1)
  第1節 問題提起
  第2節 手話法導入に関する一般的な見解
  第3節 「ロ話法の聾唖施設」設立運動当時における見解
  第4節 T.H.ガローデットによる手話法の導入
  第5節 初期の発音指導の試み
  第6節 まとめ
  第1章 註
 第2章 アメリカ聾教育におけるマニュアル体制の成立要因(手話法2)
  第1節 問題提起
  第2節 アメリカ聾教育初期の概観
   l アメリカ聾教育前史
   2 初期の聾啞教育の概観
  第3節 19世紀前半における社会状況と初等教育
  第4節 施設の慈善的性格と宗教教育
   1 慈善的性格
   2 宗教教育
  第5節 Hartford Asylumの主導性
  第6節 収容生徒の就学年齢と在籍年数
  第7節 まとめと残された課題
  第2章 註
 第3章 手話時代の聾唖教育における宗教の位置づけ(手話法3)
  第1節 問題提起
  第2節 教育の目的
  第3節 H.P.ピートの言語観
  第4節 施設の一日の生活
  第5節 聾唖者の宗教意識(1)
  第6節 聾唖者の宗教意識(2)
  第7節 宗教教育の方法
  第3章 註
 第4章 H.マンの第7年報(1843)と聾唖施設側の反応(口話法1)
  第1節 問題提起
  第2節 H.マンの報告 
  第3節 聾唖施設の教師たちの対応
   1 教師たちの対応
   2 G.E.デイの報告
  第4節 考察
  第4章 註
 第5章 クラーク聾唖院の設立と口話法の理念(口話法2)
  第1節 問題提起
  第2節 口話法による聾唖施設の設立運動(1)
   l  G.G.ハバードによる第1回の請願
  第3節 口話法による聾唖施設の設立運動(2)
   l  Chelmsfordにおける実践
   2 クラーク聾唖院の設立
  第4節 口話法の教育理念
   1 公聴会における両者の主張
   2 慈善委員会報告書にみる口話法の理念
   3 聾唖という障害
  第5節 考察
  第5章 註
 第6章 E.M・ガローデットの報告書(1867)にみる併用法の提案(併用法1)
  第1節 問題提起
  第2節 E.M.ガローデットによる「指導法と視察校」の分類
  第3節 E・M・ガローデットの「併用法による学校」に対する評価と結論
   1 「併用法による学校」に対する評価
   2 E.M.ガローデットの結論
  第4節 E.M.ガロ-デットの教育理念
   1 「E.M.ガローデットの併用法」の教育理念
   2 E.M.ガローデットの発音法推進者に対する見解
  第5節 考察
  第6章 註
 第7章 第1回全国聾唖施設長会議(1868)におけるE・M・ガロ一デットの
     提案(併用法2)
  第1節 問題提起
  第2節 社会的背景
   1 手話から口話への流れ
   2 変化する社会
  第3節 E.M.ガローデットの提案
   1 15年前をE.M.ガロ-デット自身どう見たか
   2 E.M.ガロ-デットの指摘するアメリカ聾唖教育の欠点
   3 E.M.ガロ-デットの提案
  第4節 考察
   1 手話法の基盤に立つ発音指導
   2 手話法の理念に立つ併用法
   3 E.M.ガローデットはこれまでの教育者たちのヨーロッパ視察報告
    をどのように解釈したか
  第5節 残された課題
  第7章 註
 第8章 E.M.ガローデットの併用法提唱(1868)に対する聾教育者たち
     の反応(併用法3)
  第1節 問題提起
  第2節 「E.M.ガロ-デットの併用法の提案」に関する従来の記述
  第3節 クラーク聾唖院の実践をめぐって
  第4節 C.ストーンの追加提案をめぐって
  第5節 考察
   1 発音指導の影響
   2 討論の意味するもの
  第8章 註
第Ⅱ部 言語指導史上における手話論争
 第9章 第2回聾唖教育者会議におけるC.ストーンとL.ウェルドの発表を
     めぐって(言語指導論1)
  第1節 問題提起
  第2節 手話法の基本的教育理念
   1 当時の聾教育の動向
   2 手話法の基本的教育理念
  第3節 C.ストーンによる主張
   1 方法的手法に対するC.ストーンの批判
   2 C.ストーンの“語”(Words)と“観念”(idea)について
  第4節 L.ウェルドによる主張
   l  L.ウェルドによる手話の分類
   2 聾教育における方法的手話
   3 L.ウェルドの方法的手話について
  第5節 両者の共通点と相違点
  第6節 まとめ
  第9章 註
 第10章 言語指導におけるH.P.ピートとW.W.ターナーの論争
     (言語指導論2)
  第1節 問題の所在
  第2節 W.W.ターナーの主張の位置づけ
  第3節 H.P.ピートとW・W・ターナーの共通の基盤
  第4節 W.W.ターナーの言語指導一般に関する提言
  第5節 H.P.ピートの反論
  第6節 H.P.ピートの文法的手話に対するW.W.ターナーの具体的批判
  第7節 両者の相違点についての考察
   1 両者の相違
   2 H.P.ピートの手話言語観
   3 W.W.ターナーの指導論
  第8節 まとめ
  第10章 註
 第11章 語(words)と手話(signs)と概念(ideas)について
     (言語指導論3)
  第1節 問題の所在
  第2節 方法的手話という用語について
  第3節 J.A.ジェイコブスのnatural signsとmethodical signsの定義
  第4節 J.A.ジェイコブスの言語指導の方法
  第5節 J.A.ジェイコブスの言語指導の理論
   1 観念を表すものとしての手話
   2 J.A.ジェイコブスの一般的手話
  第6節 J.R.バーネットの反論
  第7節 H.P.ピートの反論
  第8節 聾教育における両者の指導理論の位置づけ
   1 新しい手話―語順に沿った手話
   2 現在の聾教育との関連
  第9節 まとめ
  第11章 註
 第12章 聾唖教育における手話の位置づけ―第3回聾唖教育者会議より―
     (手話論1)
  第1節 問題提起
   l 現在の状況
   2 目的と方法
  第2節 L.レイにおける手話の位置づけ
   1 C.ストーンの方法的手話批判
   2「L.レイの手話」の位置づけ
   3 L.レイの指導理論
  第3節 思考と言語について
  第4節 J.R.キープとJ.V.ノストランドの対立
   l  J.R.キープの見解
   2 J.Ⅴ.ノストランドの見解
  第5節 二つの発表論文をめぐる討論
   l  H.P.ピート
   2 W.W.ターナー
   3 J.S.ブラウン
  第6節 考察とまとめ
  第7節 残された課題
  第12章 註
 第13章 J.Rキープにおける手話の位置づけⅠ(手話論2)
  第1節 1850年代の状況
   1 1853年の第3回聾啞教育者会議のまとめ
   2 問題提起
  第2節 第4回会議におけるJ・R・キープの発表
  第3節 J.R.キープの発表をめぐっで
  第4節 まとめ
  第13章 註
 第14章 J.R.キープにおける手話の位置づけⅡ(手話論3)
  第1節 問題提起
  第2節 聾唖者の母音―自然的手話―
  第3節 語順に沿った手話の否定
  第4節 言語習得の理論
  第5節 まとめ
  第14章 註
 終章
資料1
 手話時代の聾教育者―その横顔―
資料2
 1868年以後の聾教育の推移
資料3
 H.P.ピートによる手話の分類
 W.W.ターナーによる手話の分類
文献
謝辞
索引
著者上野益雄 著
発行年月日1991年02月28日
頁数552頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-0780-3