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ホトクタイ=セチェン=ホンタイジの研究

定価: 19,800 (本体 18,000 円+税)

16世紀後半を生きたあるモンゴル人王侯の事績から、当時のモンゴルの社会、経済、宗教、文化、中国・チベットなど周辺諸地域との関係などの諸問題を考察した。

【著者略歴】
井上 治(いのうえ おさむ)
早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了
博士(文学)
早稲田大学文学部、東京大学文学部、東海大学文学部、専修大学文学部講師
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
序論
略号表
凡例
第一章 ホトクタイ=セチェン=ホンタイジとは
 第一節 ホトクタイ=セチェン=ホンタイジ前史
  1.元朝北遷から‘モンゴル’と‘オイラド’の分裂まで
  2.アロクタイの活躍―‘モンゴル’の優勢
  3.エセンの統一―‘オイラド’の優勢
  4.モーリハイの活躍
  5.ムスリム王侯の台頭
  6.ダヤン=ハーン 
  7.バルスボルドの右翼支配
 第二節 ホトクタイ=セチェン=ホンタイジの生涯
  1.家系
  2.幼少期・青年期に関するETの記述について
  3.第一次オイラド遠征
  4.‘シリムジ’進出
  5.隆慶の和議におけるセチェン
  6.セナェンの西行―『武功録』「切尽黄台吉列伝」より―
  7.トグマグ報復戦―ETより―
  8.第二次オイラド遠征
  9.敗帰後のセチェン
  10.ダライラマとの会見に向けて
  11.アルタンとダライラマとの会見におけるセチェン
  12.万暦6(1578)年から万暦9(1581)年までのセチェンの動き
  13.アルタンの死とセチェンのトゥメド干渉
  14.ダライラマのモンゴル巡錫におけるセチェン 
  15.『武功録』「切尽黄台吉列伝」に見える晩年のセチェン
  16.セチェンの死
  17.略年表
第二章 ホトクタイ=セチェン=ホンタイジの西方での諸活動
 はじめに
 第一節 トグマグ報復戦と第二次オイラド遠征
 第二節 青海居住への努力
  1.甘粛と青海地方における寺院建立の要求
  2.甘粛における互市の要求
  3.アルタンとダライラマとのチャブチャール会見
 おわりに 
第三章 ホトクタイ=セチェン=ホンタイジの西方進出の理由
 はじめに
 第一節 オルドス、右翼モンゴルの実状―隆慶和議のはらむ問題(1)―
 第二節 外部俘虜・逃亡者、モンゴル人逃亡者
 第三節 右翼モンゴルの貧困層
 第四節 右翼モンゴルと中原産品
  1.農業生産物(穀類)について
  2.鍋について
  3.布製品(布類・衣料)について
  4.本節のまとめ
 第五節 右翼モンゴル諸侯が西を目指す理由
―隆慶和議のはらむ問題(2)―
 第六節 西方の魅力(1)―青海の利とは何か―
 第七節 西方の魅力(2)―東トルキスタンのオアシス都市方面―
 おわりに
第四章 ホトクタイ=セチェン=ホンタイジの活動と政治的立場
 はじめに
 第一節 メルゲン死後のオルドス=トゥメン
 第二節 シリムジ遠征と仏教に対する態度の変化
 第三節 隆慶の和議におけるセチェン
  1.隆慶の和議に果たしたセチェンの働き
  2.隆慶和議後のセチェンの立場と対明姿勢
 第四節 チャブチャール会見とその前後のセチェン
  1.チヤプチヤール会見に見るセチェンの動向から 
  2.トゥメド内部の諸問題におけるセチェンの動向から 
 第五節 セチェンとボショグト=ジノンとの関係
  1.ボショグトのジノン即位をめぐって 
  2.ボショグト=ジノンとの摩擦
 おわりに
第五章 ホトクタイ=セチェン=ホンタイジと16世紀末モンゴル仏教
 はじめに
 第一節 アルタンと仏教との接触
  1.最初の仏教との接触
  2.隆慶の和議とアルタンの仏教信仰
  3.本節のまとめ 
 第二節 ホトクタイ=セチェン=ホンタイジと仏教
  1.セチェンとヴチル=トゥメイ―仏教との接触―
  2.『武功録』「切尽黄台吉列伝」に見えるセチェンと仏教
  3.チャブチャール会見とモンゴル仏教
  4.チャブチャール会見後のモンゴルにおける仏教の展開
  5.晩年における仏教との関係
   ―ダライラマの巡錫とオルドスにおける仏教の展開―
おわりに 
結論
参考文献
あとがき
地図1~10
系図1~4
著者井上治 著
発行年月日2002年03月15日
頁数588頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1318-7