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重度脳障害児の定位反射系活動に関する発達神経心理学

定価: 22,000 (本体 20,000 円+税)
重篤な脳機能障害実態の多水準的把握を試み、選択的、能動的応答の発生・発達過程を生理心理学的縦断データをもとに詳述し、発達援助の意義を明らかにした。

【著者略歴】
片桐和雄(かたぎり かずお)
金沢大学教育学部教授(障害児心理学講座)
金沢大学大学院社会環境科学研究科発達障害機構論担当
博士(教育学)(東北大学)
目次を表示します。
発刊によせて 
序章 本研究の目的と本書の構成
第Ⅰ部 定位反射の生理心理学的体系に関する文献的考察と知能障害児に
おける定位反射出現動態の実験的研究
第1章 定位反射の体系とその研究小史
 第1節 定位反射の本質―パブロフの記述
 第2節 定位反射の体系化―ソコロフの業績
 第3節 定位反射の構造と発現様相
第4節 定位反射の生理学的機構と刺激の「神経モデル」仮説
第5節 定位反射の位置づけに関する最近の論議
第2章 知能障害児の定位反射研究動向
 第1節 知能障害児の生理心理学的研究動向とその問題点
 第2節 知能障害児の定位反射研究動向と今後の検討課題
第3章 中・軽度知能障害児の定位反射の特徴(実験Ⅰ)
 第1節 問題と目的
 第2節 対象と方法
第3節 結果
第4節 考察
第5節 結論と今後の検討課題
第4章 重度知能障害児・者における定位反射の病態(実験Ⅱ)
 第1節 問題と目的
 第2節 対象と方法
 第3節 結果
第4節 考察
第5節 結論と今後の検討課題
第5章 知能障害児の定位的眼球運動へ及ぼす言語教示の効果(実験Ⅲ)
 第1節 問題と目的
 第2節 対象と方法
 第3節 結果
 第4節 考察
 第5節 結論と今後の検討課題
第Ⅱ部 聴覚誘発電位指標にもとづく重度脳障害児の聴覚系および脳機能の
多水準的評価の試み―聴性脳幹反応による聴覚閾値と脳幹機能障害
実態の検討を中心に― 
第6章 聴性脳幹反応の本態と障害児発達研究における臨床的応用の意義
 第1節 聴性脳幹反応の本態
 第2節 聴性脳幹反応の経年変化
 第3節 他覚的聴力検査法としての意義と留意点
 第4節 障害児の聴性脳幹反応研究動向
第7章 聴性脳幹反応波間潜時に及ぼす刺激強度の効果(実験Ⅳ)
    ―重障児のABR評価法にかかわる基礎的検討―
 第1節 問題と目的
 第2節 対象と方法
 第3節 結果
第4節 考察
第5節 結論と今後の検討課題
第8章 聴性脳幹反応による重度脳障害児の脳幹機能と聴覚閾値に関する
障害類型の評価(実験Ⅴ)
 第1節 問題と目的
 第2節 対象と方法
 第3節 結果
第4節 考察
第5節 結論と今後の検討課題
第9章 重度脳障害児の聴性中潜時反応と頭項部緩反応(実験Ⅵ)
    ―聴性脳幹反応との関連を中心にして―
 第1節 問題と目的
 第2節 MLRおよびSVRの本態と臨床的意義
 第3節 対象と方法
 第4節 結果
 第5節 考察
 第6節 結論と今後の検討課題
第Ⅲ部 重度脳障害児における定位反射系活動の発生と発達
    ―健常乳児および重篤な脳幹機能障害を有する事例の聴性心拍反応
の縦断的検討を中心に―
第10章 定位反射系活動の発生と発達に関する新たな研究パラダイム
 第1節 発達研究の枠組みとしての定位反射系活動の概念
 第2節 本研究パラダイムの特徴と方法論の概要
 第3節 定位反射系活動の反映としての心拍指標の位置づけ
 第4節 本研究における心拍指標の分析視点と評価法
第11章 日常環境下の聴性心拍反応動態からみた生後半年間における定位反
射系活動の発達(実験Ⅶ)
 第1節 問題と目的
 第2節 対象と方法
 第3節 結果
第4節 考察
第5節 結論と今後の検討課題
第12章 聴性心拍反応からみた重度脳障害児の定位反射系活動の特徴と問題
(実験Ⅷ)
第1節 問題と目的
第2節 対象と方法
第3節 結果
第4節 考察
第5節 結論と今後の検討課題
第13章 重症心身障害Ⅰ型事例における定位反射系活動の発達(縦断的事例
研究Ⅰ)
 第1節 問題と目的
 第2節 行動水準で明確な発達的変化が観察されたⅠ型重障児(事例A)の
心拍反応動態の経年変化
第3節 発達的変化を観察することが困難なⅠ型重障児(事例B)の障害状
況と感覚系及び脳機能の多水準的評価
第4節 事例Bに対する指導経過の概要
第5節 事例Bの聴性心拍反応動態の経年変化
第6節 Ⅰ型重障児の定位反射系活動の発生と発達に関する多水準・多要因
的考察
 第7節 結論と今後の検討課題
第14章 重篤な脳幹機能障害を有する事例における定位反射系活動の病態と
発達(縦断的事例研究Ⅱ)
 第1節 問題と目的
 第2節 重篤な脳幹機能障害を有する重障者(事例C)の心拍反応にみられ
る定位反射系活動の病態
 第3節 重篤な脳幹機能障害を有する重障児(事例D)の障害状況と感覚系
および脳機能の多水準的評価
 第4節 事例Dに対する指導経過の概要
第5節 事例Dの心拍反応動態にみられた経年変化
第6節 重篤な脳幹機能障害を有する事例Dの定位反射系活動の発生と発達
に関する多水準的・多要因的考察
第7節 結論と今後の検討課題
終章 聴性心拍反応動態にもとづく定位反射系活動の発生と発達に関する
神経心理学的モデル
 第1節 正常発達過程の初期段階における定位反射系活動の発生・発達
モデル 
 第2節 重篤な発達性脳機能障害の克服過程としての定位反射系活動の
発生・発達モデル
要約
文献
索引 
あとがき
著者片桐和雄 著
発行年月日1995年03月31日
頁数476頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-0939-5