博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

プログラミングを活用した図形概念形成についての研究

教材コンテンツ開発と授業実践を通して

定価: 7,700 (本体 7,000 円+税)

プログラミングを活用して図形概念を形成する意義について理論的に示すと共に、教材コンテンツと授業開発についても言及する。

【著者略歴】
杉野裕子(すぎの ゆうこ)
1957年 名古屋市生まれ
1980年 愛知教育大学教育学部数学科卒業
1980年 名古屋市立桜田中学校教諭
1984年 名古屋市立大高中学校教諭
1989年 愛知教育大学大学院修士課程修了
1994年 名古屋自由学院短期大学非常勤講師
2001年 名古屋芸術大学短期大学部非常勤講師
2002年 愛知教育大学非常勤講師
2004年 岐阜聖徳学園大学非常勤講師
2009年 皇学館大学文学部准教授
2011年 皇学館大学教育学部准教授 現在に至る
2016年 愛知教育大学・静岡大学大学院教育学研究科博士課程修了
    愛知教育大学より博士(教育学)の学位授与
※データは刊行当時のものです※
目次を表示します。
序(飯島康之)
序章 研究の目的と方法
 第1節 研究の背景
 第2節 問題の所在
 第3節 研究の目的と方法,および論文構成
     註
     序章の引用・参考文献
第1章 算数・数学学習とプログラミング
 第1節 数学課題とインターラクティブに関わるコンピュータ活用
 (1)個人における情報の流れ
 (2)授業空間と情報の流れ
 (3)授業空間におけるプログラミングの位置づけ
 第2節 LOGO言語とその活用
 (1)LOGO言語の幾何的特徴
 (2)LOGO言語の活用事例
 第3節 LOGO言語活用の問題と解決
 (1)疑似プリミティブ命令による現行カリキュラムへの適合
 (2)プログラミング教授技能の問題
 第4節 第1章のまとめ
     第1章の引用・参考文献
第2章 図形概念についての基礎的考察
 第1節 概念に関する研究の概観
 (1)概念と言語
 (2)概念獲得と経験
 (3)概念とイメージ
 第2節 図形概念に関する研究の概観
 (1)図形概念にとっての実在物や経験
 (2)Vinnerの研究:概念イメージと概念定義
 (3)Fischbeinの研究:Figural Concepts
 第3節 図形概念の表記とその理解
 (1)数学の表現体系との関わり 
 (2)図形概念における,表現様式の翻訳としてのイメージの役割
 (3)図形認知と理解における典型イメージと心的回転
 第4節 図形概念の発達
 (1)個人的概念と数学的(客観的)概念
 (2)van Hieleの幾何学における「学習水準理論」
 第5節 第2章のまとめ
     第2章の引用・参考文献
第3章 「LOGOプログラミング形態の変化」から捉える「図形概念の理解の様相モデル」
 第1節 川嵜の「図形概念の理解の様相モデル」
 第2節 プログラミングと図形概念形式の親和
 (1)図形概念の2面性とプログラミング
 (2)van Hieleの幾何学習水準とLOGOプログラミング
 第3節 LOGOプログラミング活用による,図形概念に関する新たな吟味
 (1)回転による角の構成と,傾いた図形の描画
 (2)位置と図形の移動
 (3)図形概念と変数を用いたプログラミング
 第4節 LOGOプログラミング形態の変化
 (1)プログラミング形態Ⅰ:1命令入力
 (2)プログラミング形態Ⅱ:1命令ごとの複数命令入力
 (3)プログラミング形態Ⅲ:プロシージャ作成
 (4)プログラミング形態Ⅳ:変数を用いたプロシージャ作成
 (5)プログラミング形態Ⅴ:変数を用いた複数のプロシージャどうしの関係理解
 第5節 「図形概念の理解の様相モデル」と「LOGOプログラミング形態の変化」
 第6節 第3章のまとめ
     註
     第3章の引用・参考文献
第4章 プログラミング活用のためのコンテンツ開発
 第1節 プログラミング用教材開発の指針
 (1)算数・数学授業におけるプログラミング
 (2)プログラミング教材をコンテンツにすることの意義
 第2節 “学校図形LOGOコンテンツ”開発の理念
 (1)ボタン入力
 (2)「算数用語」を命令におくこと
 (3)図と言語の,同一画面上の逐次表示
 第3節 1命令ごとの入力コンテンツと,想定される課題や活動
 (1)「長方形・正方形描画」コンテンツ
 (2)「多角形・正多角形描画」コンテンツ
 (3)「画面2分割多角形描画」コンテンツ
 第4節 プロシージャ作成用コンテンツと,想定される課題や活動
 (1)「多角形・正多角形プログラミング」コンテンツ
 (2)「拡大図と縮図プログラミング」コンテンツ
 (3)「変数を用いたプログラミング」コンテンツ
 第5節 第4章のまとめ
     註
     第4章の引用・参考文献
第5章 プログラミング活用による問題解決学習について
 第1節 プログラミング活用による問題解決
 (1)プログラミングによる帰納的試行
 (2)バグの修正による反省思考
 (3)問題解決方法の多様性
 (4)協調的学習の発生
 第2節 遊びを取り入れたプログラミング
 (1)自由描画によって得られること
 (2)プログラミングにおける遊びについて
 第3節 第5章のまとめ
     第5章の引用・参考文献
第6章 プログラミング活用環境下の授業における図形概念形成
 第1節 5年「正多角形」での事例:既習内容と発展課題のプログラミング
 (1)授業概要
 (2)イメージを豊かにする活動
 (3)言語の意味の確認とプロシージャ作成
 (4)個別探求と協調的学習の発生
 (5)メタ認知と情意
 (6)回転概念に関するアンケートの結果
 第2節 6年「図形の拡大・縮小」での事例:単元内でのプログラミング
 (1)授業概要
 (2)拡大や縮小への動機付けゲーム
 (3)変数の機能についての経験
 (4)拡大倍率を変数にしたプロシージャによる言語の確認とイメージ作成
 (5)変数を用いたプロシージャによる遊びを取り入れた活動
 (6)拡大図・縮図の性質についての理解度テストの結果
 第3節 6年「平行四辺形の隣り合う角」での事例:未習内容のプログラミング
 (1)授業概要
 (2)帰納的方法によるプログラミング
 (3)演繹的方法によるプログラミング
 (4)授業実践から得られたこと
 (5)情意と意欲に関するアンケートの結果
 第4節 第6章のまとめ
     第6章の引用・参考文献
終章 研究の成果と今後の課題
 (1)研究の成果
 (2)今後の課題
あとがき
著者杉野裕子 著
発行年月日2016年10月15日
頁数226頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2143-4