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明治大学社会科学研究所叢書近代日本の専門職とジェンダー

医師・弁護士・看護職への女性の参入

定価: 3,850 (本体 3,500 円+税)

医師や弁護士において女性の進出を阻む壁は何処にあり、そして看護師に女性が集中するのは何故か。本書は、それぞれの職業に女性がどのように参入し、その地位を確立していったのかを時代とのかかわりのなかで明らかにする。

【この書籍は現在品切、重版は未定です】

【執筆者一覧】
岡山禮子 明治大学名誉教授(経営学博士)
吉田恵子 元明治大学情報コミュニケーション学部教授
平川景子 明治大学文学部専任教授(社会教育主事課程)
武田政明 明治大学情報コミュニケーション学部准教授
細野はるみ 明治大学情報コミュニケーション学部教授
長沼秀明 明治大学文学部兼任講師、川口短期大学こども学科准教授
目次を表示します。

はじめに  武田政明

Ⅰ部 近代日本における女性医師職の形成過程を探る
   ―医育政策・制度との連関において―  岡山禮子

はじめに

第1章 公許女洋医の誕生とその時代
 第1節 女医の公許とその意義
  1 公許女医第1号の誕生
  2 国家の医学・皇漢学から西洋医学へ
 第2節 近代的医事制度構築への助走
  1 明治政府の登場
  2 幕末期の西洋医学伝習
  3 「大学」閉鎖から文部省設立へ
  4 医制の発布そして医術開業試験の実施へ
  5 医術開業試験の全国的統一化への歩みと「学歴」による試験
    免除

第2章 近代的医学教育制度の形成と女性の位相
 第1節 近代的医学教育制度構築への営為
  1 ドイツ医学への準拠
  2 モデルはプロシャ陸軍軍医学校
  3 医学教育機関の多層化と精粗
 第2節 医育制度の確立とジェンダー
  1 医学校通則の制定とその後
  2 専門学校令と医師法の制定
  3 明治期医育制度の展開とジェンダー
  4 ジェンダーギャップの克服にむけて
参考文献

 I―補論 公許女洋医の群像  細野はるみ
 1 荻野吟子
 2 生沢クノ
 3 高橋瑞子
 4 本多詮子
 5 竹内茂代
 6 当時の医師育成と「女医」
 参考文献

Ⅱ部 女性弁護士の誕生とジェンダー
   ―女性弁護士誕生の推進主体をめぐって―  吉田恵子

はじめに

第1章 女性弁護士を生み出した時代―大正中期~昭和初期―
 第1節 女性の法的地位
  1 明治民法のもとでの女性
  2 臨時法制審議会と改正要綱
  3 人事調停法の制定
 第2節 女性の職業
  1 職業観の変化
  2 女性の職業の拡大
  3 女性の職業拡大の社会的背景
 第3節 女性の高等教育
  1 大学への女子入学
  2 臨時教育会議と教育審議会

第2章 女性弁護士誕生
 第1節 弁護士という職業と女性
  1 弁護士業の確立と女性の排除
  2 弁護士をめぐる社会的状況―法曹界での地位
  3 弁護士をめぐる社会的状況―過剰問題の浮上
 第2節 明治大学専門部女子部の誕生
  1 設立の目的
  2 カリキュラム
  3 入学者の出身階層と入学目的
 第3節 女性弁護士誕生前夜
  1 高等試験令の公布
  2 弁護士法改正調査委員会の設置
  3 改正弁護士法の成立
 第4節 女性弁護士誕生
  1 女性弁護士の誕生
  2 女性への弁護士開放に対する反対論
  3 男性職域への脅威としての反対論

第3章 女性弁護士誕生の推進主体とジェンダー
 第1節 女性弁護士を誕生させたもの
  1 女性弁護士誕生の推進主体―弁護士界の立場
  2 女性弁護士誕生の推進主体―女性運動の役割
  3 女性弁護士誕生の推進主体―官僚・学者
  4 穂積重遠
 第2節 ジェンダー視点から見た問題点
  1 国家の意図による限界
  2 特性論による限界
 第3節 初期の女性法曹人
  1 初期女性法曹人の群像
  2 新たな課題
おわりに
参考文献

 Ⅱ―補論 鵜沢総明の女子教育論  長沼秀明
 1 その生い立ちと経歴
 2 臨時教育会議と鵜沢総明
 参考文献

Ⅲ部 看護職の専門性とアイデンティティの形成過程
   ―戊辰戦争から「看護婦規則」成立前後まで―  平川景子

はじめに―看護職の専門性と「女性向け」専門職

第1章 専門職の性別職務分離―看護職を検討する視点―
 第1節 性別職務分離に対する機会均等論
 第2節 「女性職」と専門職論
 第3節 専門職の成立過程への注目

第2章 看護職の形成と軍隊・医療―性別職業分離の形成―
 第1節 女性の務めとしての「看護」
 第2節 戊辰戦争・西南戦争時の看病婦
  1 戦時役割分業と病院看護
  2 杉本かね―大病院看護方取締―
  3 増田サハ―鹿児島警視病院看病婦―
 第3節 看護婦養成機関の成立―性別職業分離の形成―
  1 看病人看護人
  2 看護婦養成機関の成立―ナイチンゲール方式の導入―
  3 日赤看護婦と軍隊
  4 専門職の女性化の課題

第3章 派出看護婦と「看護婦規則」からみた雇用と養成
 第1節 「女性職」としての看護の形成と専門性の制度化
 第2節 看護婦資格の二重構造の起源
  1 派出看護婦の雇用と養成
  2 「東京府看護婦規則 理由」の検討
 第3節 派出看護婦のしごととアイデンティティ
     ―伝染病看護を中心に―
  1 避病舎におけるトレィンド・ナースたちによる看護
  2 家庭への派出―「奉公人」への包摂
  3 看護婦のアイデンティティをめぐって
おわりに―ベッドサイドケアとしての看護職の専門性
参考文献

結びに代えて  武田政明
あとがき  執筆者一同
索引
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著者岡山禮子・吉田恵子・平川景子・武田政明・細野はるみ・長沼秀明 著
発行年月日2019年03月20日
頁数332頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2276-9