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健常及びダウン症新生児の防御反射と定位反応の発達心理学的研究

定価: 10,450 (本体 9,500 円+税)
新生児からの健常及びダウン症児の防御反射、定位反応、探索活動には共通した発達段階のあることが解明された。障害の早期発見や重障児・者療育にも新地平を拓く書。

【著者略歴】
鎌田文聰(かまだ ふみさと)
1946年 宮城県に生まれる
1974年 東北大学大学院博士前期課程(心身障害学専攻)修了,教育学修士
1974年 東京都心身障害者福祉センター勤務
1977年 岩手大学教育学部勤務
1979年 文部省長期内地研究員(京都大学)
1996年 博士(教育学)学位取得(東北大学)
1996年 文部省長期在外研究員(英国:ノッティンガム,ロンドン大学他)

現 職  岩手大学教育学部助教授
目次を表示します。
はじめに 
序章 本研究の意義
第1章 新生児および胎児の発達と研究
 第1節 教育・心理学領域における諸外国の新生児研究動向
  1.はじめに
  2.目的
  3.方法
  4.結果と考察
   1)健常及び障害新生児に関する諸外国での研究動向 
   (1)幼児及び乳児研究における新生児研究の割合 
   (2)新生児研究の各年代毎の推移
   (3)新生児研究の内容面から見た動向
   2)新生児の定位反射・反応研究に関する諸外国の動向 
   (1)視覚定位反射・反応研究内容及びその動向 
   (2)聴覚定位反射・反応研究内容及びその動向 
  5.要約
 第2節 新生児の定位反応発生の生理学的条件としての胎生期の発達
  1.はじめに
  2.胎生期における各感覚器官の発達
   1) 触覚,温度感覚,痛感覚の発達
   2)聴覚の発達
   3)視覚の発達
   4)感覚器官の発達についての若干のまとめ
   5)運動感覚の発達
  3.胎生期における反射の発達
   1)吸い込み(吸啜)反射の発達
   2)限瞼防御反射の発達 
   3)把握反射の発達 
  4.胎生期における運動反応の発達
   1)顔の各表面部位の刺激に対する運動反応の発達について
   2)胎動の発達
  5.要約
第2章 健常およびダウン症新生児の防御反射と定位反応の発達に関する発達
    心理学的研究
 第1節 問題
 第2節 目的
 第3節 方法
   1)対象児
   2)提示刺激材料及び手順 
   3)観察および記録 
   4)反応評定
 第4節 結果
  1.健常新生児の視覚刺激に対する防御反射と定位反応の発達
   1)視性行動反応の発達 
   2)静止光刺激に対する限瞼瞬目反射・反応
   3)静止光刺激に対する注視
   4)移動光刺激に対する追視
  2.健常新生児の聴覚刺激に対する防御反射と定位反応の発達
   1)聴性行動反応の発達
   2)眼瞼瞬目反応の発達
   3)頭部回転反応の発達
   4)眼球運動反応の発達 
  3.ダウン症新生児の視覚刺激に対する防御反射と定位反応の発達
   1)視性行動反応の発達 
   2)静止光刺激に対する眼瞼瞬目反射・反応
   3)静止光刺激に対する注視
   4)移動光刺激に対する追視
  4.ダウン症新生児の聴覚刺激に対する防御反射と定位反応の発達
   1)聴性行動反応の発達
   2)限瞼瞬目反応の発達
   3)頭部回転反応の発達
   4)眼球運動反応の発達 
  5.健常およびダウン症新生児の視覚刺激に対する防御反射と定位反応に
    関する発達心理学的比較
   1)視覚刺激に対する防御反射
   (1)生後1日齢から36日齢までの防御反射の各得点率の変動
     ①健常新生児
     ②ダウン症新生児
   (2)生後1日齢から36日齢までの各防御反射の得点率の累積の変動 
     ①健常新生児
     ②ダウン症新生児
   (3)生後1日齢から36日齢までの防御反射の平均得点率の日齢比率の
      変動
     ①健常新生児 
     ②ダウン症新生児 
   2)視覚刺激に対する定位反応
   (1)生後1日齢から36日齢までの定位反応の各得点率の変動
     ①健常新生児 
     ②ダウン症新生児 
   (2)生後1日齢から36日齢までの各定位反応の得点率の累積の変動 
     ①健常新生児 
     ②ダウン症新生児 
   (3)生後1日齢から36日齢までの定位反応の平均得点率の日齢比率の
      変動 
     ①健常新生児 
     ②ダウン症新生児 
  6.健常およびダウン症新生児の聴覚刺激に対する防御反射と
    定位反応に関する発達心理学的比較
   1)聴覚刺激に対する防御反射
   (1)生後1日齢から36日齢までの防御反射の各得点率の変勒
     ①健常新生児 
     ②ダウン症新生児 
   (2)生後1日齢から36日齢までの各防御反射の得点率の累積の変動
     ①健常新生児 
     ②ダウン症新生児 
   (3)生後1日齢から36日齢までの防御反射の平均得点率の日齢比率の
      変動
     ①健常新生児
     ②ダウン症新生児 
   2)聴覚刺激に対する定位反応
   (1)生後1日齢から36日齢までの各定位反応の得点率の変動
     ①健常新生児 
     ②ダウン症新生児
   (2)生後1日齢から36日齢までの各定位反応の得点率の累積の変動
     ①健常新生児
     ②ダウン症新生児 
   (3)生後1日齢から36日齢までの定位反応の平均得点率の日齢比率の
      変動
     ①健常新生児
     ②ダウン症新生児
 第5節 考察
 第6節 要約
第3章 乳幼児期の定位―探索活動の発達と教育
 第1節 乳児期前半の定位―探索活動の発達 
  1.定位反応の第一発達段階
           (健常乳児  :出生~1カ月齢頃まで)
           (ダウン症乳児:出生~生後2カ月齢頃まで)
   1)出生~1週齢頃(ダウン症乳児の場合:出生~2週齢頃まで)
   2)生後2~3週齢頃(ダウン症乳児の場合:生後4~5週齢頃まで)
   3)生後4~5週齢頃(ダウン症乳児の場合‥生後7~8週齢頃まで)
  2.定位反応の第二発達段階
           (健常乳児  :ほぼ生後1~2カ月齢頃まで)
           (ダウン症乳児:ほぼ生後3~4カ月齢頃まで)
   l)生後5~6週齢頃(ダウン症乳児の場合:生後8~10週齢頃まで)
   2)生後6~7週齢頃(ダウン症乳児の場合:生後11~14週齢頃まで)
   3)生後8~9週齢頃(ダウン症乳児の場合:生後15~18週齢頃まで)
  3.定位反応の第三発達段階
           (健常乳児  :ほぼ生後3~5カ月齢頃まで)
           (ダウン症乳児:ほぼ生後5~9カ月齢頃まで)
   1)生後9~12過齢頃(ダウン症乳児の場合:生後18~23週齢頃まで)
   2)生後13~16週齢頃(ダウン症乳児の場合:生後23~30週齢頃まで)
   3)生後17~20週齢頃(ダウソ症乳児の場合‥生後31~36適齢頃まで)
 第2節 乳児期の定位―探索活動の発達と前言語的認識の発達と教育 
  1.定位―探索活動の各期における前言語的認識の発達
   1)第1期:出生から生後1カ月齢頃まで(防御反射から定位反応へ)
   2)第2期:生後1カ月齢から2カ月齢頃まで(定位反応から探索活動
        初期段階へ)
   3)第3期:生後3カ月齢頃から5カ月齢頃まで(探索活動Ⅰ期段階)
   4)第4期:生後5カ月齢頃から10カ月齢頃まで(探索活動Ⅱ期段階)
   5)第5期:生後10カ月齢頃から1歳4カ月齢頃まで(探索活動Ⅲ期
        段階)
  2.まとめ(各期でのとりくみで大切にしたいポイント)
  (第1期)出生から生後1カ月齢頃までで大切にしたいこと
  (第2期)生後1カ月齢頃から生後2カ月齢頃までで大切にしたいこと
  (第3期)生後3カ月齢頃から生後5カ月齢頃までで大切にしたいこと
  (第4期)生後6カ月齢頃から生後10カ月齢頃までで大切にしたいこと
  (第5期)生後11カ月齢頃から生後1歳4,5カ月齢頃までで大切にしたい
       こと 
 第3節 乳幼児期の定位―探索活動の発達研究と重度・重複障害児の遊びの
     発達と教育
  1.障害児教育における「遊び」の位置付け
   1)新たに加わった三つの教育階梯 
   2)発達要求・課題としての「遊び」の位置付け 
  2.「遊び」のとらえ方 
  3.「定位―探索活動」に基づく乳幼児の「遊び」の発達段階 
  4.事例を通しての重度・重複障害児の遊びの発達と教育
   1)重度・重複障害のK・Oちゃん(4歳6カ月時)の快・不快時の反 
   2)「快なとき」を高めるはたらきかけ 
 第4節 重症心身障害児・者の発達と教育―定位・探索・操作面での
     長期間にわたる縦断的変動過程に関する事例研究を通して―
  1.問題
  2.事例
  3.方法
  4.結果
  5.考察
第4章 今後の課題と展望
おわりに 
文献
著者鎌田文聰 著
発行年月日1998年10月15日
頁数258頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1101-5