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中学生期における「暗示」の教育的効果

Evidenceの可能性

定価:本体 8,500 円+税

公立中学校で12年間に及ぶ実験を実施し、自己効力感研究のブレイクスルーを図った。潜在意識と顕在意識の相違にも着目してEvidenceとしての可能性を論述。

【著者略歴】
内田 昭利(うちだ・あきとし)

2017年 博士(文学)北海道大学大学院文学研究科論文博士
現在 長野市立更北中学校教諭

《主著・論文》
 Uchida A., Michael R., & Mori M., An Induced Successful Performance Enhances Student Self-Efficacy and Boosts Academic Achievement, AERA Open, Vol. 4 (4), 1-9, 2018
 Uchida A., Mori K., Detection and treatment of fake math-dislikes among Japanese junior high school students, International Journal of Science and Mathematics Education, Vol. 16 (6), 1115-1126, 2018.
 Uchida A., Michael R., & Mori M., Scholastic Achievement Levels and Conformity of Junior High School Students in the Asch Experiment. Psychology, Vol. 11, 1285-1299, 2020
 Uchida A., A Review of the Studies on the Development of Concepts of Decimals and Fractions in Japanese Elementary School Children, Advances in Social Sciences Research Journal, Vol. 7 (8), 302-314, 2020.
目次を表示します。
Ⅰ 序論
第1章 はじめに
 1-1 学業成績と自己効力感
 1-2 成功体験-自己効力感-学業成績の因果関係研究の欠如
 1-3 因果関係検証を試みた先行研究
 1-4 本研究の位置づけ:
     新しい実験手法による因果関係検証実験研究
 1-5 本論文の構成
第2章 自己効力感(self-efficacy)について
 2-1 自己効力感理論
 2-2 社会的認知理論における自己効力感理論
 2-3 自己効力感の情報源(The source of Self-efficacy)
第3章 中学生を対象とした自己効力感研究の動向
 3-1 論文検索について
 3-2 自己効力感研究の研究領域について
 3-3 学習領域における自己効力感研究について
 3-4 自己効力感測定のための尺度について
 3-5 成功体験と自己効力感
 3-6 本邦における自己効力感研究
 3-7 最近の教育に関する研究動向
 3-8 自己効力感研究の手法
 3-9 まとめ
第4章 暗示研究の動向
 4-1 自己効力感研究と暗示の関係
 4-2 中学生を対象とした暗示研究について
 4-3 暗示研究の研究分野について
 4-4 中学生期における暗示研究の重要性
 4-5 まとめ
第5章 本研究の目的
 5-1 本研究の仮説(モデル)
 5-2 目的

Ⅱ 「他者暗示」による教育的効果に関する実験
第6章 成績中下位生に対する他者暗示の効果(実験1)
 6-1 目的
 6-2 方法
  6-2-1 研究協力中学校に対する事前説明
  6-2-2 被験者
  6-2-3 実験,調査および趣旨説明の実施時期
  6-2-4 自己効力感尺度について
  6-2-5 学業成績について
  6-2-6 アナグラム課題(文字の並び替えで意味のある言葉を作る遊び)の作成について
  6-2-7 fMORIテクニックを活用した人為的な成功体験の実験方法
  6-2-8 他者暗示
  6-2-9 分析方法
 6-3 結果
  6-3-1 アナグラム課題の正答数と事前および実験直後の自己効力感との相関
  6-3-2 実験群と統制群のアナグラム課題の正答数
  6-3-3 自己効力感の変化
  6-3-4 学業成績の変化
  6-3-5 抽選群と推薦群の違い
 6-4 考察
  6-4-1 問題提示トリックによる人為的な成功体験と直後の社会的説得は,
        成績中下位中学生の自己効力感を向上させることができたか
  6-4-2 向上した自己効力感が,どの程度の期間維持され,
        対象・状況・行動を超えて広がりを持つか
  6-4-3 モデリングが起こり,他の生徒の自己効力感は向上したか
  6-4-4 自己効力感の向上により,学業成績も向上するか
  6-4-5 ピグマリオン効果は起こっているのか
 6-5 残された課題
第7章 成績中下位生に対する計算課題を活用した他者暗示の効果(実験2)
 7-1 目的
 7-2 方法
  7-2-1 研究協力中学校に対する事前説明
  7-2-2 被験者
  7-2-3 実験,調査および趣旨説明の実施時期
  7-2-4 自己効力感尺度について
  7-2-5 学業成績について
  7-2-6 計算課題の作成について
  7-2-7 fMORIテクニックを活用した人為的な成功体験の実験方法
  7-2-8 他者暗示
  7-2-9 分析方法
 7-3 結果
  7-3-1 実験群と統制群の計算課題の正答数
  7-3-2 自己効力感の変化
  7-3-3 学業成績の変化
 7-4 考察
  7-4-1 自己効力感はもともと低かったのか
  7-4-2 好成績体験はどう評価されたのか
  7-4-3 学校生活が及ぼす影響の可能性
  7-4-4 結論
 7-5 残された課題
第8章 成績中位生に対する他者暗示の効果(実験3)
 8-1 目的
 8-2 方法
  8-2-1 研究協力中学校に対する事前説明
  8-2-2 被験者
  8-2-3 実験,調査および趣旨説明の実施時期
  8-2-4 自己効力感尺度について
  8-2-5 学業成績について
  8-2-6 アナグラム課題の作成について
  8-2-7 fMORIテクニックを活用した人為的な成功体験の実験方法
  8-2-8 他者暗示
  8-2-9 分析方法
 8-3 結果
  8-3-1 アナグラム課題の正答数
  8-3-2 自己効力感の変化
  8-3-3 学業成績の変化
 8-4 考察
  8-4-1 実験群は成功体験を実感したのか
  8-4-2 予期しない成功体験と社会的説得(称賛)による
        他者からの暗示によって,自己効力感が向上するのか
  8-4-3 なぜ自己効力感は向上し,長期にわたり維持したのか
  8-4-4 手紙による提示トリック開示情報はどう判断されたのか
  8-4-5 自己効力感の向上によってもたらされる学業成績の改善 
  8-4-6 自己効力感の役割における性差
 8-5 残された課題
  8-5-1 実験に参加することで学力は低下したのか
  8-5-2 将来の研究のための限界と方向
第9章 成績中位中学生の学業成績(偏差値)の変化(調査1)
 9-1 目的
 9-2 方法
  9-2-1 データの取得
  9-2-2 データの整理
  9-2-3 分析方法
 9-3 結果
  9-3-1 中位生徒の見かけ上の成績の低下:先頭集団効果
  9-3-2 性別と成績群ごとの成績変化の特徴:成績群×性別×実施時期の交互作用
  9-3-3 性別と成績群ごとの成績変化の特徴:まとめ
 9-4 考察
  9-4-1 標準化された学業成績の指標である偏差値に変化はあったのか
  9-4-2 欠席者が与える影響
  9-4-3 分布の歪みによる先頭集団効果:The leading group effect
 9-5 残された課題
第10章 実験参加者の学業成績の低下は「先頭集団効果」で説明できるのか(調査2)
 10-1 目的
 10-2 方法
  10-2-1 研究協力中学校に対する説明
  10-2-2 データの整理
  10-2-3 分析方法
 10-3 結果
 10-4 考察
  10-4-1 アナグラム課題に参加した生徒は学業成績を低下させたのか
  10-4-2 実験群の男子生徒の学業成績の向上
 10-5 残された課題
第11章 自己効力感の向上が学業成績のに及ぼす影響
     ~教科成績における性差の検討~(調査3)
 11-1 目的
 11-2 方法
  11-2-1 研究協力中学校に対する説明
  11-2-2 データの整理
  11-2-3 分析方法
 11-3 結果
  11-3-1 男子生徒の学業成績の変化
  11-3-2 女子生徒の学業成績の変化
  11-3-3 まとめ
 11-4 考察
  11-4-1 実験群の男子生徒は,なぜ学業成績を向上させたのか
  11-4-2 実験群の女子生徒は,なぜ学業成績を向上させられなかったのか
  11-4-3 実験群の女子生徒は,級友からの称賛をどう思ったのか
 11-5 残された課題

Ⅲ 「自己暗示」による教育的効果に関する実験
第12章 集団式潜在連想テストを活用した自己暗示の検出(調査4)
 12-1 はじめに
 12-2 潜在的態度測定法について
  12-2-1 潜在的態度測定法の開発の背景
  12-2-2 潜在連想テスト(IAT:Implicit Association Test)の理論
  12-2-3 IATの問題点と解決~集団式潜在連想テストの開発~
  12-2-4 集団式潜在連想テストを用いた先行研究
  12-2-5 中学生の「数学嫌い」「理科嫌い」は本当か
 12-3 自己暗示の検出への活用
 12-4 方法
  12-4-1 研究協力中学校に対する事前説明
  12-4-2 調査参加者
  12-4-3 実施時期及び実施者
  12-4-4 顕在意識調査
  12-4-5 潜在意識調査
  12-4-6 理科についての顕在・潜在意識調査
 12-5 結果
  12-5-1 「数学」に対する顕在意識(アンケート)
  12-5-2 不完全なデータの削除
  12-5-3 「数学」に対する潜在意識(集団式潜在連想テスト)
  12-5-4 偽装数学嫌いと偽装理科嫌い
  12-5-5 偽装数学嫌いの男女差
  12-5-6 偽装数学嫌いの学年差
 12-6 考察
  12-6-1 「数学」と「理科」で,中学生の意識は異なるのか
  12-6-2 「偽装数学嫌い」はなぜ起こるのか
 12-7 残された課題
第13章 数学に対する顕在意識と潜在意識の違いにより学業成績は異なるのか(調査5)
 13-1 目的  
 13-2 方法
  13-2-1 研究協力中学校に対する説明
  13-2-2 調査参加者
  13-2-3 実施時期及び実施者
  13-2-4 顕在意識調査
  13-2-5 潜在意識調査
  13-2-6 学業成績
  13-2-7 分析方法
13-3 結果
  13-3-1 データの整理
  13-3-2 グループ毎の学業成績
 13-4 考察
  13-4-1 数学に対する意識と成績に違いはあるのか
  13-4-2 中間群は「数学嫌い」予備軍なのか
  13-4-3 「偽装数学嫌い」中学生の未来はどうなるのか
 13-5 残された課題
第14章 教育的介入による否定的自己暗示からの解放(実験4)
 14-1 目的
 14-2 方法
  14-2-1 研究協力中学校に対する説明
  14-2-2 実験参加者
  14-2-3 実施時期及び実施者
  14-2-4 数学の学業成績
  14-2-5 偽装数学嫌いの生徒の検出と実験群の選出
  14-2-6 教育的介入
  14-2-7 分析方法
 14-3 結果
  14-3-1 偽装数学嫌いの生徒のマッチング
  14-3-2 学業成績の向上下降の集計
  14-3-3 教育的介入の学業成績への影響
   14-3-3-1 「偽装数学嫌い」における学業成績への影響
   14-3-3-2 「偽装数学嫌い予備軍」における学業成績への影響
   14-3-3-3 「真の数学嫌い」における学業成績への影響
   14-3-3-4 回帰効果の可能性
 14-4 考察
  14-4-1 「偽装数学嫌い」から「真の数学嫌い」になることを防げたのか
  14-4-2 正しくない情報は学業成績に影響を与えたのか
  14-4-3 なぜ「偽装数学嫌い」「偽装数学嫌い予備軍」は成績を向上させたのか
 14-5 残された課題

Ⅳ 総合考察
第15章 本研究から見出されたEvidenceとしての可能性
 15-1 本研究の展開
 15-2 Evidenceとしての本研究の価値
  15-2-1 公立中学校生徒を研究対象としたことの意義
  15-2-2 自己制御学習理論との関係
  15-2-3 成功体験における社会的説得(称賛)の重要性
  15-2-4 自己暗示の検出と教育的介入
第16章 Evidenceとしての展望
 16-1 残された課題
 16-2 予期しない成功体験と他者暗示による自己効力感の向上を教育現場で活用する
 16-3 自己暗示の検出と対策を教育現場でどう活用するのか
 16-4 集団式潜在連想テストの活用
第17章 要約及び結論
 17-1 本研究の要約
 17-2 結論

文献
謝辞
資料
著者内田昭利 著
発行年月日2020年11月18日
頁数326頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2344-5