博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

保育所等における乳幼児ソーシャルワークに関する研究

要支援子ども・家庭への切れ目のない支援をめざして

定価: 7,150 (本体 6,500 円+税)

要支援子ども・家庭の支援者に対してインタビュー調査や質問紙調査を行い、支援プロセスや連携等の実態を解明。保育所等における要支援子ども・家庭に対する支援について、ソーシャルワークが機能する支援システムを考案し、提言する。

【著者略歴】
鶴田 智子(つるた ともこ)

明星大学大学院教育学研究科教育学専攻博士後期課程(通信教育課程)修了 博士(教育学)
保育士 社会福祉士 精神保健福祉士 公認心理師
福岡市こども総合相談センター(福岡市児童相談所)調整課総合相談係長
児童福祉司

主な著書
『学校トラウマの実際と対応 児童・生徒への支援と理解』(分担執筆)(2020年、誠信書房)
目次を表示します。
序章
 1 はじめに
 2 研究の背景

第1章 本研究の目的と構成
 1 目的と研究法
  1.1 研究の目的
  1.2 研究デザイン
  1.3 データ収集と分析
 2 本研究の構成
  2.1 研究の構成
  2.2 倫理的配慮

第2章 乳幼児期を中心とした子ども虐待防止における研究動向と課題
 1 子ども虐待防止に関するわが国の施策動向および課題
  1.1 子育て世代包括支援センター・子ども家庭総合支援拠点
  1.2 乳児家庭全戸訪問事業・養育支援訪問事業
  1.3 地域子育て支援拠点事業
  1.4 要保護児童対策地域協議会
 2 イギリスの子どもの貧困対策およびわが国の施設、教育機関の子ども虐待予防に関する研究動向
  2.1 イギリスの支援施策 シュアスタート
  2.2 児童養護施設等の家庭支援専門相談員に関する研究動向
  2.3 スクールソーシャルワークの研究動向
  2.4 保育ソーシャルワークの研究動向
 3 小括

第3章 保育所における要支援子ども・家庭への支援の実態
    ―4つの自治体および1つの行政区における支援ネットワークの比較から―(研究1)
 1 問題と目的
 2 研究方法
  2.1 調査対象
  2.2 調査内容と方法
 3 結果と考察
  3.1 他機関連携、ネットワーク
  3.2 連携のパイプ的役割
  3.3 保育所内における対象保護者支援および担当保育士へのスーパーバイズ機能
  3.4 巡回訪問の役割
 4 総合考察
  4.1 保育所内の支援システム、関係機関との連携の現状
  4.2 保育所におけるネットワークのあり方や課題

第4章 スクールソーシャルワーカーの支援プロセス
 1 スクールソーシャルワーカーの配置形態に対する意識の変容と支援プロセスの検討―複線径路等至性アプローチ(TEA)による分析の試み―(研究2)
  1.1 問題と目的
  1.2 研究方法
  1.3 結果と考察
  1.4 総合考察
 2 保育士経験を持つスクールソーシャルワーカーの支援プロセス―ケアワーク経験がソーシャルワークを豊かにする視点―(研究3)
  2.1 問題と目的
  2.2 研究方法
  2.3 結果と考察
  2.4 総合考察
 3 小括

第5章 保育所におけるソーシャルワーク的支援の可能性
    ―要支援子ども・家庭を支援する保育士の変容プロセス―(研究4)
 1 問題と目的
 2 研究方法
  2.1 調査対象と方法
  2.2 分析方法
 3 結果と考察
  3.1 家庭支援担当保育士として支援するプロセス―TEM図を用いて―
  3.2 保育士の意識の変容―TLMGを用いて―
 4 総合考察
  4.1 保育士の家庭における支援プロセス―TEM図 SD、SGを中心に―
  4.2 保育士の意識の変容―TLMG図を中心に―
  4.3 保育所におけるソーシャルワークの担い手
  4.4 保育所に求められるソーシャルワーク的な家庭支援
  4.5 母子保健と保育所の連携
 5 研究の限界と今後の課題

第6章 要支援子ども・家庭における母子保健と保育所の連携に関する調査―乳幼児期からの切れ目のない支援にむけて―(研究5)
 1 問題と目的
 2 調査内容と方法 
  2.1 基本属性
  2.2 連携項目の抽出
  2.3 研究4のインタビューに基づく連携の要素の抽出
  2.4 保育士、保健師による項目の再確認
  2.5 回答形式
  2.6 調査対象者
  2.7 実施日
  2.8 方法
 3 アンケートの結果(フェイスシート)
  3.1 回答者の所属
  3.2 回答者の職種
  3.3 回答者の役職
  3.4 回答者の年齢
  3.5 回答者の経験年数
 4 分析方法
 5 結果
  5.1 要支援子ども・家庭の支援体制に関する所属ごとの設問の得点差の比較
  5.2 要支援子ども・家庭の支援体制に関する公立と民間の設問の得点差の比較
  5.3 要支援の未就園児に関する所属ごとの設問の得点差の比較
  5.4 特定妊婦に関する所属ごとの設問の得点差の比較
 6 考察
  6.1 母子保健担当部署と保育所等の連携の認識
  6.2 公立保育所等と民間保育所等の保育所におけるソーシャルワークの必要性、その担い手に関する意識
  6.3 本研究の課題

第7章 本研究における総括的考察
 1 本研究における知見
  1.1 各章の総括
  1.2 乳幼児期におけるソーシャルワークの考案
  1.3 保育所等を中心とした切れ目のない支援
 2 要支援子ども・家庭の保育所等支援モデル
  2.1 保育所等における「乳幼児ソーシャルワーク」の定義
  2.2 予防的かつ積極的支援に基づく「乳幼児ソーシャルワーク」の定義の独自性
  2.3 予防的かつ積極的支援に基づく「乳幼児ソーシャルワーカー」の考案
 3 本研究の課題と提言
   ―乳幼児期からの切れ目のない支援の実現にむけて―
  3.1 本研究の意義
  3.2 本研究の課題
  3.3 乳幼児ソーシャルワークの実現にむけた提言

あとがき
引用文献
初出一覧
著者鶴田智子 著
発行年月日2021年01月25日
頁数226
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2353-7