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評伝 成瀬仁蔵

女子高等教育から「社会改良」へ

定価: 4,950 (本体 4,500 円+税)

【日本女子大学創立120周年記念出版】
日本女子大学創立者 成瀬仁蔵の生涯に迫る。 女子教育を通して理想的社会を造るべく「社会改良者」となり、新たな世界観を創造しようとした成瀬仁蔵の精神を紐解く。女性の社会進出が問われる現代に問題を提起する。

(発行:日本女子大学 発売:風間書房)

【著者略歴】
片桐芳雄(かたぎりよしお)

1944年生まれ。東京大学教育学部教育学科教育史・教育哲学コース卒業。同大学院教育学研究科を経て1975年愛知教育大学講師。以後、助教授、教授。2000年日本女子大学人間社会学部教育学科教授。2007年から2011年まで人間社会学部長。2012年3月定年退職。愛知教育大学名誉教授。日本女子大学名誉教授。
専門・教育史。教育学博士(東京大学、1989年)
著書に『自由民権期教育史研究―近代公教育と民衆―』(東京大学出版会、1990年)、『教育と歴史、あるいはその認識と記述』(世織書房、2009年)、『教育から見る日本の社会と歴史・第2 版』(編著、八千代出版、2017年)等。
目次を表示します。
序章 成瀬仁蔵の魅力                  
第一部 成瀬仁蔵の出発
第一章 長州吉敷の成瀬仁蔵―女子高等教育論の原点―
  一 長州吉敷の成瀬家、そして父と母
  二 激動する幕末の長州吉敷と成瀬仁蔵の先輩たち
  三 「遅れてきた青年」成瀬仁蔵
  四 成瀬仁蔵にとっての女子高等教育
第二章 成瀬仁蔵の女子高等教育への道―大阪、大和郡山、そして新潟へ―
  一 成瀬仁蔵の迷いと決意  
  二 梅花女学校の設立へ  
  三 梅花女学校教員を辞職  
  四 布教活動への専心―そして新潟
第三章 新潟の成瀬仁蔵―試練のなかの牧師生活―
  一 新潟へ  
  二 新潟のキリスト教事情―成瀬仁蔵を待ち受けていたもの
  三 新潟の成瀬仁蔵  
  四 成瀬仁蔵の牧師辞任
第四章 北越学館事件の成瀬仁蔵と内村鑑三―「成瀬意見書」の検討を通して―
  一 内村鑑三の成瀬仁蔵評
  二 北越学館設立の経緯
  三 北越学館の設立
  四 内村鑑三の教頭就任
  五 内村教頭着任
  六 「事件」勃発
  七 成瀬仁蔵による内村仮教頭解任勧告
  八 内村辞任―意外な結末
第五章 新潟女学校と成瀬仁蔵―キリスト教教育をめぐって―
  一 女子教育への情熱  
  二 新潟での新たな出会い  
  三 新潟女学校設立主意書の発表  
  四 新潟女学校開校へ  
  五 いよいよ開校  
  六 新潟女学校の教育―キリスト教教育のゆくえ  

第二部 米国の成瀬仁蔵
第六章 成瀬仁蔵の米国留学―タッカーとの出会い―
  一 成瀬仁蔵とキリスト教
  二 渡米直後の成瀬仁蔵
  三 タッカーとの出会い、「社会学」との遭遇
  四 タッカーのキリスト教観
第七章 米国の成瀬仁蔵とキリスト教―「神学上の問題」―
  一 一九世紀米国と「神学上の問題」
  二 成瀬仁蔵の新神学
  三 ムーディーの夏期学校
  四 フィリップス・ブルックスとの面談
  五 ユニテリアンとの交流
  六 壮大なAmbition
第八章 「女性の領域(Woman’s Sphere)」と女子高等教育―米国での模索―
  一 女子大学の創設へ
  二 「女性の領域(Woman’s sphere)」
  三 現実の女性
第九章 米国留学報告書としての『女子教育』の出版―米国で学んだこと―
  一 米国女子高等教育事情と成瀬仁蔵
  二 『女子教育』の出版に向けて
  三 『女子教育』の出版
第一〇章 成瀬仁蔵の女子大学構想と米国―Women’s Universityの夢―  
  一 カレッジとユニヴァーシティ
  二 模索する成瀬仁蔵
  三 成瀬仁蔵と家政学
  四 帰国

第三部 日本女子大学の成瀬仁蔵
第一一章 胸突き八丁の成瀬仁蔵―帰国から日本女子大学校創設まで―   
  一 帰国後の模索
  二 始動・高揚、そして停滞 
  三 再起
第一二章 成瀬仁蔵と巌本善治―女子高等教育をめぐる相剋―
  一 『女学雑誌』と巌本善治
  二 巌本善治の女性論と女子教育論
  三 巌本善治と女子高等教育
 第一三章 日本女子大学校の展開―女子総合大学を目指して(上)―
  一 原型としての梅花女学校改革
  二 Women’s Universityに向けて
  三 「一大飛躍」
第一四章 日本女子大学校の展開―女子総合大学を目指して(下)―
  一 「女子高等教育最寒時代」
  二 めげない成瀬仁蔵 
  三 「普通教育」(ジェネラル・エデュケーション)と「専門教育」(プロフェショナル・エデュケーション)、又は「リベラル・エデュケーション」と「職業教育」
第一五章 日本女子大学校の教育―個人性と社会性―
  一 日本女子大学校の教育
  二 「自治生活」の重視
  三 「個人性」と「社会性」のゆくえ
第一六章 日本女子大学校の体育教育―「容儀体操」を中心に―
  一 成瀬仁蔵と体育教育
  二 日本女子大学校の「容儀体操」

第四部 日本と世界の中の成瀬仁
第一七章 教育調査会と成瀬仁蔵―女子大学の制度化を求めて―    
  一 教育調査会の設置と成瀬仁蔵
  二 第二次大隈重信内閣の下での教育調査会
  三 高田早苗の文相就任と「大学令要項」の諮問
  四 国語改良問題と成瀬仁蔵
第一八章 帰一思想と成瀬仁蔵―「信念」の源泉―
  一 宗教問題の探求
  二 帰一協会の創設
  三 帰一協会の対外活動
第一九章 帰一思想の到達点―「自然の美」と「デモクラシーの根本精神」―
  一 「世界的宗教」の後退と「私の宗教」の深化
  二 「軽井沢山上の生活」
  三 「軽井沢山上の生活」の展開
  四 「デモクラシーの根本精神」に向けて
第二〇章 臨時教育会議と成瀬仁蔵―女子大学への厚い壁―
  一 臨時教育会議の設置
  二 成瀬仁蔵の活躍
  三 女子教育をめぐって
  四 「世界維新」をめざして
第二一章 成瀬仁蔵逝く
  一 体調の異変
  二 デューイ来訪
  三 「今後は真に時間空間を超越ス」
終章 現代に生きる成瀬仁蔵―その女性観・教育観・宗教観―
  一 女性観―「天職」のある女性
  二 教育観―自学自動主義
  三 宗教観―帰一思想

あとがき
参考文献
年譜  
人名・事項索引
著者片桐芳雄 著
発行年月日2021年11月27日
頁数788頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2400-8