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動態的法教育学習理論開発研究

自由で公正な社会の形成者育成のための熟議による法教育研究

定価: 9,350 (本体 8,500 円+税)

子どもの日常的判断と法的判断を比較考量するために熟議民主主義の知見を活用し、動態的な法のダイナミズムを反映させた新しい法教育の学習理論を提示した研究。

著者略歴
中平 一義(なかだいら かずよし)
1974年 東京都に生まれる
1997年 神奈川県公立中学校教諭
2007年 横浜国立大学大学院教育学研究科修士課程社会系教育専攻
     修士(教育学)
2013年 東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科博士課程学校教育学専攻
     単位修得満期退学
2015年 上越教育大学大学院学校教育研究科講師
2017年 上越教育大学大学院学校教育研究科准教授
2021年 上越教育大学大学院学校教育研究科教授
2022年 博士(学校教育学・兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科)
著書
『社会科教科内容構成学の探求-教科専門からの発信』(編著)、風間書房、2018年
『初等社会科教育研究』(編著)、風間書房、2019年
『法教育の理論と実践-自由で公正な社会の担い手のために』(編著)、現代人文社、2020年
『中等社会系教科教育研究-社会科・地理歴史科・公民科』(編著)、風間書房、2021年
『教室から学ぶ法教育2-学校で求められる法的思考』(共編著)、現代人文社、2021年
『社会とつながる-生徒と探究したい22のテーマ』(共著)、明石書店、2023年
目次を表示します。
はじめに
序章 本研究の目的と方法
 第一節 子どもと法
  第一項 自己決定と子どもの判断
  第二項 子どもにとっての法
 第二節 法教育とは何か
  第一項 法教育の潮流
  第二項 法教育の定義
 第三節 法教育の先行研究―法的な判断と子どもの判断をめぐる法教育の課題
  第一項 二つの法教育カリキュラムと法教育の課題
  第二項 法的な判断と子どもの判断の関係
  第三項 法と道徳の関係性
  第四項 立場による法的判断の相違
  第五項 法をどのように教育するのか
 第四節 本研究の目的と方法
  第一項 本研究の目的
  第二項 本研究の対象
  第三項 本研究の方法

第一章 法教育研究の現状と課題1―育成を目指す法的資質から―
 第一節 法教育で育成を目指す法的資質と学習指導要領
  第一項 法教育で育成を目指す法的資質
  第二項 法的資質と「リーガル」との関係
 第二節 中学校学習指導要領で育成を目指す法的資質
  第一項 2008年の中学校学習指導要領の記載内容
  第二項 2008年の学習指導要領における法教育の内容のまとめ
  第三項 2018年の中学校学習指導要領の記載内容
  第四項 2018年の学習指導要領における法教育の内容のまとめ
 第三節 社会科教育における学力と法的資質
  第一項 法教育の学習指導要領上の位置づけと法的資質
  第二項 学習指導要領で育成を目指す資質・能力と社会科教育の学力
  第三項 社会科教育における学力と法的資質
 第四節 小括―法的資質の内実と社会科教育における学力

第二章 法教育研究の現状と課題2―法教育実践研究から―
 第一節 法教育研究実践の分析の視点
 第二節 協議会の法教育実践分析1―「ルールづくり」教材から
  第一項 「ルールづくり」教材の目的
  第二項 「ルールづくり」教材の内容
  第三項 「ルールづくり」教材実践の実際
  第四項 「ルールづくり」教材の効果と課題
 第三節 協議会の法教育実践分析2―「私法と消費者保護」教材から
  第一項 「私法と消費者保護」教材の目的
  第二項 「私法と消費者保護」教材の内容
  第三項 「私法と消費者保護」教材実践の実際
  第四項 「私法と消費者保護」教材の効果と課題
 第四節 協議会の法教育実践分析3―「憲法の意義」教材から
  第一項 「憲法の意義」教材の目的
  第二項 「憲法の意義」教材の内容
  第三項 「憲法の意義」教材実践の実際
  第四項 「憲法の意義」教材の効果と課題
 第五節 協議会の法教育実践分析4―「司法」教材から
  第一項 「司法」教材の目的
  第二項 「司法」教材の内容
  第三項 「司法」教材実践の実際
  第四項 「司法」教材の効果と課題
 第六節 協議会の法教育実践分析
  第一項 協議会の法教育実践に対する三つの視点からの分析
  第二項 協議会の法教育実践に対する社会科教育の学力からの分析
  第三項 協議会の法教育実践の到達点と課題
 第七節 小括―法教育実践から見える可能性

第三章 本研究が目指す法教育の全体像
 第一節 法教育における判断の相違
 第二節 法的判断と子どもの日常的な判断を総合的に扱う法教育の展開
 第三節 本研究が目指す法教育の全体像
 第四節 小括―法教育の現状と課題への対応

第四章 法の系統性とその生成プロセス
 第一節 法の生成プロセスとその構造―法の三要素説から
  第一項 法の生成プロセスの要素
  第二項 (憲)法意識とその内実
  第三項 (憲)法規範とその内実
  第四項 (憲)法制度とその内実
  第五項 法の三要素説の関係性と社会
 第二節 法の構造の内実―憲法的価値・憲法的原理から
  第一項 法の構造の内実としての憲法的価値
  第二項 法の構造の内実としての憲法的原理
  第三項 法の目的と手段―人権主体と主権主体
  第四項 法の目的と手段のあらわれとしての民主主義と立憲主義
  第五項 法教育で求められる法的判断原理としての法的価値の関係性
 第三節 小括―法の生成プロセスの整理

第五章 法的な価値に関する教育―その意義, 制約, 方法
 第一節 価値に関する教育の意義
  第一項 公教育と私教育の領域
  第二項 社会科教育と価値に関する教育の課題
  第三項 政治的中立性と価値に関する教育の課題
  第四項 フィルターバブルとフェイクニュースによる課題
  第五項 法的な価値に関する教育の必要性
 第二節 法的な価値に関する教育の制約
  第一項 教育を受ける権利の整理
  第二項 学習権の捉え方
  第三項 価値に関する教育の留保条件
 第三節 法的な価値教育の内容と方法
 第四節 小括―法的な価値教育の考察

第六章 法的な価値から学ぶ動態的法教育学習理論
 第一節 動態的法教育学習理論構築に向けて
 第二節 法の系統性と教育の系統性を踏まえた法教育のために
  第一項 動態的な法の生成プロセスと法的資質の関係
  第二項 動態的な法の生成プロセスと法的資質の具体的関係
 第三節 法的に考えるツールとしての法的推論
  第一項 IRACという法的推論
  第二項 IRACと事実認定
  第三項 教育の系統性として考えられる内容
 第四節 法的な価値から学ぶ法教育学習理論構築のために
  第一項 Issue(問題)の設定
  第二項 子どもの日常的な判断と法的な判断を架橋する仮説形成
  第三項 推論を明確化するためのツール
 第五節 法教育でIRACから考えるための熟議民主主義
  第一項 民主主義の概念的側面
  第二項 民主主義の実践的側面
  第三項 本研究が参考にする熟議民主主義の理論
  第四項 本研究が参考にする熟議民主主義の場と内容の関係
 第六節 本研究が参考にする熟議の方法―NIFIの熟議
  第一項 NIFIとは何か
  第二項 NIFIの熟議の方法
  第三項 NIFIの熟議の内容の一例
  第四項 法教育における熟議の学習内容としてふさわしいもの
 第七節 法的な価値から学ぶ動態的法教育学習理論
  第一項 これまでの研究の成果を反映した動態的法教育学習理論
  第二項 日常的な判断と法的な判断を比較整理する方法
  第三項 本研究におけるcommon groundと自分事
 第八節 小括―動態的法教育学習理論の構築

第七章 法教育の授業モデル開発
 第一節 開発する法教育授業モデルについて
  第一項 三つの法教育授業モデルのコンセプト
  第二項 男女雇用機会均等法を事例にした場合の法教育授業構造
 第二節 「過去の社会」から「現代の社会」への変遷を学ぶ法教育授業モデル
  第一項 「過去の社会」から「現代の社会」への変遷を学ぶ法教育授業構造
  第二項 「過去の社会」から「現代の社会」への変遷を学ぶ法教育学習指導案
 第三節 「現代の社会」の枠組みを学ぶ法教育授業モデル
  第一項 「現代の社会」の枠組みを学ぶ法教育授業構造
  第二項 「現代の社会」の枠組みを学ぶ法教育学習指導案
 第四節 「現代の社会」から「これからの社会」を考える法教育授業モデル
  第一項 「現代の社会」から「これからの社会」を考える法教育授業構造
  第二項 「現代の社会」から「これからの社会」を考える法教育学習指導案
 第五節 小括―動態的法教育学習理論の可能性

終章 成果と課題
 第一節 本研究の成果
 第二節 本研究の課題

参考・引用文献
謝辞
索引
著者中平一義 著
発行年月日2023年11月30日
頁数364頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2486-2