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中学生の充実感と担任教師による自律支援的指導態度

定価: 8,250 (本体 7,500 円+税)

中学生の自律を支援し学級を育成していくプロセスモデルを作成し、実証データに基づいた行動レベルでの具体的介入を提案した、担任教師へのヒントとなる研究書。

【著者略歴】
鹿嶋 真弓(かしま まゆみ)

筑波大学大学院教育研究科カウンセリング専攻修了
筑波大学大学院博士後期課程人間総合科学研究科生涯発達科学専攻修了
博士(カウンセリング科学)
ガイダンスカウンセラー、認定カウンセラー、学級経営スーパーバイザー
平成19年度 東京都教育委員会職員表彰(学校経営・指導力向上)受賞
       足立区教育委員会褒賞(教育相談分野における指導技法の
       研究・教師の指導力の育成への貢献)
       NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」に出演
平成21年度 文部科学大臣優秀教員表彰(生徒指導・進路指導)受賞
平成22年度 日本カウンセリング学会 学校カウンセリング松原記念賞受賞
平成24年度 筑波大学大学院人間総合科学研究科 研究科長賞受賞
平成25年1月 高知大学教育学部准教授
平成29年11月 TILA教育研究所設立初代所長
平成30年4月 高知大学大学院教職実践高度化専攻(教職大学院)教授
平成31年4月 立正大学心理学部特任教授
令和4年度 立正大学蘊奥賞受賞
令和4年4月 立正大学心理学部臨床心理学科教授

[専門分野]
学級経営、教育心理学、カウンセリング心理学
主な研究領域は、学級経営、自立支援、人間関係づくり、教師の指導行動、問いを創る授業 など
目次を表示します。
はじめに

第Ⅰ部 理論的検討
 
 第1章 先行研究の動向と問題の所在
  1 中学生の充実感に関する研究の動向と問題の所在
   1.1 中学生の充実感研究の位置づけ
   1.2 充実感の実証的研究
   1.3 中学生の充実感に関する文献研究が本論文に示唆するもの
  2 学級集団に関する研究の動向と問題の所在
   2.1 学級集団に関する研究の位置づけ
   2.2 学級集団に関する文献研究が本論文に示唆するもの
  3 教師の指導行動に関する研究の動向と問題の所在
   3.1 教師の指導行動の定義・概念の提言
   3.2 教師の指導行動の実証的研究
   3.3 学級集団づくりにおける教師の指導行動に関する実践的研究
   3.4 本論文での教師の指導行動の指標
   3.5 教師の指導行動に関する文献研究が本論文に示唆するもの
  4 中学生の自律に関する研究の動向と問題の所在
   4.1 道徳教育や学級経営の立場からの自律に関する研究
   4.2 自己決定理論における動機づけに基づく自律に関する研究
   4.3 中学生の自律に関する文献研究が本論文に示唆するもの

 第2章 基本概念の定義および本論文の目的と構成
  1 基本概念の定義
   1.1 充実感 (Fulfillment sentiment )
   1.2 学級集団 (Classroom group)
   1.3 教師による自律支援的指導態度(Autonomous supporting guidance attitude)
   1.4 中学生の自律 (Student's autonomy)
  2 本論文の目的と構成
   2.1 本論文の目的
   2.2 本論文の構成

第Ⅱ部 実証的検討

 第3章 中学生の充実感と教師の指導態度の関係
 【研究1】中学生の充実感尺度の作成と信頼性・妥当性の検討
  1 目的
  2 方法
   2.1 調査協力者
   2.2 調査時期
   2.3 手続き
   2.4 質問紙の構成
  3 結果と考察
   3.1 因子分析と信頼性の検討
   3.2 内容的妥当性の検討
   3.3 研究1のまとめと示された課題
 【研究2】中学生の充実感と教師の指導態度の関係
  1 目的
  2 方法
   2.1 調査協力者
   2.2 調査時期
   2.3 手続き
   2.4 質問紙の構成
  3 結果
   3.1 各変数の記述統計量
   3.2 尺度の構成
   3.3 充実感の各下位尺度を従属変数としたパス解析
  4 考察
   4.1 幸福希求実行を媒介する過程
   4.2 社会化期待実行を媒介する過程
   4.3 直接的に生きがい感,主体性,自己否定感を促進あるいは抑制する過程
   4.4 研究2のまとめと示された課題

 第4章 中学生の充実感と学級集団意識の関係
 【研究3】中学生用学級集団意識尺度の作成と信頼性・妥当性の検討
  1 目的
  2 方法
   2.1 調査協力者
   2.2 調査時期
   2.3 手続き
   2.4 質問紙の構成
  3 結果
   3.1 中学生用学級集団意識尺度における因子構造の検討
   3.2 中学生用学級集団意識尺度(短縮版)の信頼性と妥当性の検討
  4 考察
   4.1 中学生用学級集団意識尺度(短縮版)の因子構造
   4.2 中学生用学級集団意識尺度(短縮版)の信頼性と妥当性
   4.3 研究3のまとめと示された課題
 【研究4】中学生の充実感と学級集団意識の関係
  1 目的
  2 方法
   2.1 調査協力者
   2.2 調査時期
   2.3 手続き
   2.4 質問紙の構成
  3 結果と考察
   3.1 生きがい感を従属変数としたパス解析
   3.2 主体性を従属変数としたパス解析
   3.3 自己否定感を従属変数としたパス解析
   3.4 研究4のまとめと示された課題

 第5章 中学生の充実感と担任教師による自律支援的指導態度と学級集団意識の関係
 【研究5】中学生に対する担任教師による自律支援的指導態度モデルの作成
  1 目的
  2 方法
   2.1 調査協力者
   2.2 調査期間
   2.3 インタビューの手続き
   2.4 倫理的配慮
   2.5 分配方法
   2.6 分析手順
   2.7 分析者の立場
   2.8 分析の質の保障
  3 結果
   3.1 各ステップの分析結果
   3.2 仮説モデルの生成
   3.3 各カテゴリーにおける指導態度の枠組み
  4 考察
   4.1 本研究が対象とする自律支援的指導態度の範囲
   4.2 自律支援的指導態度の教育的意義
   4.3 研究5のまとめと示された課題
 【研究6-1】中学生に対する担任教師による自律支援的指導態度の抽出
  1 目的
  2 方法
   2.1 調査協力者
   2.2 調査期間
   2.3 手続き
   2.4 分析の方法
  3 結果と考察
 【研究6-2】中学生に対する担任教師による自律支援的指導態度尺度の作成と信頼性・妥当性の検討
  1 目的
  2 方法
   2.1 調査協力者
   2.2 調査時期
   2.3 手続き
   2.4 質問紙の構成
   2.5 分析の方法
  3 結果と考察
   3.1 担任教師による自律支援的指導態度尺度における因子構造の検討
   3.2 担任教師による自律支援的指導態度尺度の信頼性と妥当性の検討
   3.3 研究6-1および研究6-2のまとめと示された課題
 【研究7】中学生の充実感と担任教師による自律支援的指導態度と学級集団意識の関係
  1 目的
  2 方法
   2.1 調査協力者
   2.2 調査時期
   2.3 手続き
   2.4 質問紙の構成
  3 結果と考察
   3.1 各変数の記述統計量
   3.2 充実感尺度と学級集団意識尺度の質的検討
   3.3 担任教師による自律支援的指導態度次元が学級集団意識次元,充実感に影響をおよぼすプロセス
   3.4 研究7のまとめと示された課題

 第6章 中学校の自律支援的学級育成モデルおよび学級のトラブル場面に直面した際の自律支援的学級育成モデルの検証
 【研究8】学級のトラブル場面に直面した際の自律支援的学級育成モデルの作成
  1 目的
  2 方法
   2.1 調査協力者
   2.2 調査期間
   2.3 インタビューの手続き
   2.4 倫理的配慮
   2.5 分配方法
   2.6 分析手順
   2.7 分析者の立場
   2.8 分析の質の保障
  3 結果
   3.1 各ステップの分析結果
   3.2 仮説モデルの生成
   3.3 各カテゴリーグループにおける担任教師の自律支援的指導態度の枠組み
  4 考察
   4.1 本研究が対象とする自律支援的指導態度の範囲
   4.2 トラブル場面を活用した自律支援的指導態度の教育的意義
   4.3 研究8のまとめと示された課題
 【研究9】中学校の自律支援的学級育成モデルおよび学級のトラブル場面に直面した際の自律支援的学級育成モデルの検証
  1 目的
  2 方法
   2.1 調査協力者
   2.2 介入期間
   2.3 介入計画
   2.4 手続き
   2.5 質問紙の構成
   2.6 相談計画
   2.7 倫理的配慮
   2.8 分析手順
  3 結果と考察
   3.1 介入群・統制群の学級の概要とトラブル対応
   3.2 個別相談期間前後の担任教師による自律支援的指導態度・学級集団意識および中学生の充実感の変化について
   3.3 セッション1からセッション8までの相談内容と担任教師の指導態度
   3.4 中学校の自律支援的学級育成のための担任教師の指導態度
   3.5 中学校のトラブル場面に直面した際の自律支援的学級育成のための担任教師の指導態度
   3.6 研究9のまとめ

第Ⅲ部 総括的討論

 第7章 総括的討論
  1 本論文の概略
  2 本論文の意義
   2.1 中学生の充実感研究への寄与
   2.2 教育実践への示唆
  3 本論文の限界と今後の展開

引用文献

資料
 資料1【研究2】研究等における倫理的配慮
 資料2【研究3】達成動機測定尺度項目
 資料3【研究5】中学校の自律支援的学級育成モデルの概念化と基礎データ
 資料4【研究5】Fig.5-1 中学校の自律支援的学級育成モデル
 資料5【研究6-1】担任教師による自律支援的指導態度の抽出のための
インタビュー結果
 資料6【研究6-2】抽出された担任教師による自律支援的指導態度項目
 資料7【研究6-2】中学校の集団効力感
 資料8【研究8】学級のトラブル場面に直面した際の自律支援的学級育成モデルの概念化と基礎データ
 資料9【研究8】 Fig.6-1 学級のトラブル場面に直面した際の自律支援的学級育成モデル
 資料10【研究9】相談計画
 資料11【研究9】運動会「嬉しかった」メッセージ
 資料12【研究9】「班の解散メッセージ」カード

本論文を構成する研究の発表状況

謝 辞
著者鹿嶋真弓 著
発行年月日2024年02月15日
頁数282頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2502-9