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第二言語習得過程における言語転移の研究

日本語学習者による「の」の過剰使用を対象に

定価: 7,700 (本体 7,000 円+税)

第二言語としての日本語の習得過程における言語転移の様相を、習得に関わる様々な要因を含め、新たな視点から実証的に追究。言語転移のメカニズムを探る。

【著者略歴】
奥野由紀子(おくの ゆきこ)
1973年 大阪府高槻市生まれ
1996年 京都外国語大学日本語学科卒業
2003年 広島大学大学院教育学研究科日本言語文化教育学専攻博士課程修了
    博士(教育学)

ニュージーランド、ウェリントン・ヴィクトリア大学T.A.、京都外国語大学非常勤講師を経て、現在、横浜国立大学留学生センター講師。
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
第1章 序論
 第1節 研究の目的
 第2節 研究の方法
  1.2.1 調査の方法
  1.2.2 OPI
 第3節 本書の構成
第2章 言語転移の捉え方
 第1節 言語転移研究の史的変遷
  2.1.1 従来の言語転移とその批判 
   2.1.1.1 対照言語分析期の言語転移 
   2.1.1.2 生得主義的言語習得観の台頭 
   2.1.1.3 誤用分析期の言語転移
  2.1.2 中間言語の概念と言語転移 
   2.1.2.1 中間言語の概念
   2.1.2.2 言語転移の捉え方
 第2節 言語転移の作用
  2.2.1 誤用
  2.2.2 回避 
  2.2.3 過剰表出 
  2.2.4 促進作用 
  2.2.5 過程的転移 
  2.2.6 母語以外からの言語転移
 第3節 言語転移研究の課題 
第3章 言語転移研究における認証方法と課題
 第1節 言語転移の認証に必要な条件
  3.1.1 言語数と言語構造 
  3.1.2 習得レベル
  3.1.3 調査方法とその他の要因
 第2節 日本語を第二言語とした言語転移に関する研究
  3.2.1 分類の観点 
  3.2.2 分類の結果と考察
 第3節 認証方法の課題
第4章 「の」の過剰使用に関する習得研究
 第1節 第一言語習得過程における「の」の過剰使用
 第2節 第二言語習得過程における「の」の過剰使用
 第3節 先行研究からの課題
第5章 日本語学習者における「の」の過剰使用の特徴
 第1節 縦断的な発話調査に基づく「の」の過剰使用の特徴
  5.1.1 調査の目的
  5.1.2 調査の方法
  5.1.3 調査の結果 
  5.1.4 横断研究との比較
 第2節 「の」の過剰使用に関する諸要因
  5.2.1 格助詞の過剰般化
  5.2.2 言語処理のストラテジー 
  5.2.3 同一修飾部における多様性
  5.2.4 言語転移の可能性 
 第3節 5章のまとめ 
第6章 「の」の過剰使用にみられる言語転移の可能性 
 第1節 名詞修飾の比較 
 第2節 横断的な文法性判断調査 
  6.2.1 調査の目的 
  6.2.2 調査の方法
   6.2.2.1 調査対象者 
   6.2.2.2 手続き 
   6.2.2.3 調査に用いた名詞修飾
   6.2.3.4 要因計画 
  6.2.3 調査の結果 
 第3節 上級レベルにおける言語転移の可能性
  6.3.1 正の転移と負の転移 
  6.3.2 過程的転移 
 第4節 6章のまとめ 
第7章 上級学習者の「の」の過剰使用にみられる言語転移の様相
 第1節 横断的な誤用訂正調査
  7.1.1 調査の目的
  7.1.2 調査の方法
  7.1.3 調査の結果
 第2節 横断的な発話調査
  7.2.1 調査の目的 
  7.2.2 調査の方法 
  7.2.3 調査の結果
   7.2.3.1 母語別の内訳
   7.2.3.2 定式表現の内訳
   7.2.3.3 修飾部の品詞別内訳
 第3節 上級レベルの言語転移の様相 
  7.3.1 言語転移と言語処理の自動化
  7.3.2 複合的要因
 第4節 7章のまとめ 
第8章 結論
 第1節 結論
 第2節 本書の意義と今後の課題
参考文献
資 料 
あとがき

申し訳ございませんが、只今品切れ中です。
著者奥野由紀子 著
発行年月日2005年03月15日
頁数194頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1486-3