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近現代におけるモンゴル人農耕村落社会の形成

定価: 13,200 (本体 12,000 円+税)

内モンゴル東部の農耕モンゴル人村落社会の形成を、文献資料と実態調査を結合させて考察した初の本格的な学術書。中国周縁の少数民族地域の社会動向を知る絶好な分析事例。

【著者略歴】
ボルジギン・ブレンサイン(布仁賽音)
1963年 中国内モンゴル自治区生まれ。
1984年 内モンゴル大学モンゴル語言文学系卒。
2001年 早稲田大学大学院文学研究科史学(東洋史)専攻博士課程修了。
博士(文学)。
現在 日本学術振興会外国人特別研究員。
目次を表示します。
序論
 一 本研究の出発点
 二 研究の対象地域
  2-1「モンゴル」の一部としての東部内モンゴル
  2-2 中国周縁地域の一つとしての東部内モンゴル
  2-3 なぜホルチン左翼中旗なのか
 三 研究方法-文献史料とフィールド調査の結合
  3-1先行研究と文献史料
  3-2 フィールド調査
 四 本論の構成
注釈
略称表凡例

第一部 蒙地開墾と旗地の縮小
第一章 ホルチン左翼中旗の開墾経緯
 はじめに
 第一節 ホルチン部の変遷と清朝初期のホルチン左翼中旗
  1-1ホルチン部の変遷
  1-2 清朝初期におけるホルチン部と清朝の関係
  1-3 清朝初期のホルチン左翼中旗
 第二節 私墾時代の開墾
  2-1史料にみえるジェリム盟の私墾概要
  2-2 ホルチン左翼中旗の開墾
 第三節「新政」の実施と清末一民国期の開墾
  3-1清末の「新政」
  3-2「挑遼端荒」の開墾
  3-3「巴林愛新荒」の開墾
  3-4「河南河北荒」の開墾
  3-5「東爽荒」の開墾
 第四節 熟地をめぐって
  4-1蒙地の在り方をめぐる従来の議論
  4-2 熟地は私有地であるのか
  4-3 蒙地開墾における熟地の扱い方
  4-4 熟地という用語の消滅
 おわりに
注釈

第二章 ウンドゥル王と「西爽荒」の開墾問題
 はじめに
 第一節「西爽荒」の開墾計画及びその問題点
  1-1「西爽荒」の開墾計画の浮上
  1-2 奉天側の対応
 第二節 ウンドゥル王ヤンサンジャブという人物
  2-1ウンドウル王の北京における活動
  2-2 九世パンチェンエルデことの出会い
 第三節 九世パンチェンエルデこの蒙地開墾への関与
  3-1九世パンチェンのホルチン左翼中旗訪問
  3-2 九世パンチェンから奉天当局に宛てた一通の書簡
 第四節 ウンドゥル王の反墾
  4-1「護墾軍」の横行及びモンゴル人「自衛民団」の形成
  4-2 ウンドウル王の「蒙旗軍隊」の実態
  4-3 測量隊への妨害事件
 第五節 ウルゲンバトの逮捕及び「蒙旗軍隊」の解散
  5-1武装解除の経過及び「武器密造」問題
  5-2「蒙旗軍隊」の最終処分
  5-3「西爽荒」の最終的な決着
 おわりに
注釈

第三章「遼北荒」の開墾問題とガーダーメイリン蜂起
 はじめに
 第一節 新開河の誕生と蒙地開墾の拡大
 第二節「遼北荒」開墾問題の発端
 第三節「遼北荒」の開墾計画
 第四節 反墾運動とガーダーメイリン蜂起
 第五節 文書史料でみるガーダーメイリンの反墾闘争
 おわりに
注釈
第二部 農耕村落社会の形成
第四章 移住民社会の形成と地域統合
    ―ランブントブ=ガチャーの村落形成史―
 はじめに
 第一節 初期の村落形成
 第二節 モンゴル人の旗内移動
 第三節 外旗からの移住
 第四節「金丹道暴動」とジョスト盟モンゴル人の北上
  4-1ジョスト盟における漢人のモンゴル化
  4-2 モンゴル人社会と漢人社会の対立―「金丹道暴動」
 第五節「抜戸人」(「八戸人」)と「公主の付き人」
 第六節 満洲人のモンゴル化
 第七節 漢人移住民
  7-1 ランブントブ=ガチャーにおける個別的な漢人移住民
  7-2 漢人の集団移住
 第八節 中華人民共和国成立以後の移住
  8-1 土地改革におけるランブントブ村
  8-2 文化大革命期までの移住
  8-3 1980年代以後の移住
 おわりに
注釈
第五章 通婚関係からみる多民族村落社会の統合過程
 はじめに
 第一節 曹氏を取り巻く通婚関係
  1-1 曹氏の原籍
  1-2 移住民時代の曹氏1
  1-3 曹氏の婚姻関係の展開
 第二節 各民族間の通婚関係
  2-1各民族の分類
  2-2 陳氏をめぐる通婚関係
 おわりに
注釈
第六章 農耕モンゴル人村落の形成過程と農牧の共存
 はじめに
 第一節 村落の原点-tObu、ayil、ger
 第二節 放牧地としてのtobu
 第三節 ランブントブ=ガチャーのtobuの履歴
 おわりに
注釈
附編 農耕モンゴル人村落社会の統合に関する覚書
   ―内モンゴル東部地域におけるフィールド調査記―
 はじめに
 一 現地へ
 二 ランブントブ=ガチャーの調査体験
 三 家譜を探して
 四 ダルハン王府遺跡
 五 ガーダーメイリン記念碑
 六 バヤンタラー農場第六隊(旧二貝子府屯)訪問
 七 阜新モンゴル族自治県訪問
 八 法庫県王爺陵訪問記
 九 アルホルチン旗のバヤンボラク=ガチャー
   (旧ハラトクチン村)訪問
 おわりに
注釈
結論
参考文献

【附属資料1】ホルチン左翼中旗東ジャングタイ=ガチャー
       『徳氏家譜』
【附属資料2】『東原陳氏系譜』(序)(節選)
【附属資料3】「西爽荒」「遼北荒」放荒大網
【附属資料4】達旗丈放遼北荒事務局布告(第五号)
【附属資料5】遼寧省遼北荒務局布告(第六号)
【附属資料6】遼北荒務局測放蒙荒章程
【附表1】ランブントブ=ガチャー編年表(1939-1999)
【附表2】ランブントブ=ガチャー住民各戸の略歴(1999年10月)
【附属系図】ホルチン左翼中旗(科爾氾左翼中旗/達爾軍旗)
       王公系図表
あとがき
索引
申し訳ございませんが、只今品切れ中です。
著者ボルジギン・ブレンサイン 著
発行年月日2003年03月15日
頁数424頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1369-9