博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

  • 新刊一覧

山口仲美著作集 2言葉から迫る平安文学 2

仮名作品

定価:本体 5,800 円+税

 第二巻は、平安時代の仮名で書かれた『源氏物語』以外の日記・随筆・
物語を対象に、言語学的側面からさまざまな問題を追究。四部から成る。
Ⅰ部は、導入部的な論。
 Ⅱ部は、「物語と日記の言葉と文体」。平安文学作品全体の文体にかかわる問題と、竹取物語・和泉式部日記といった個別の作品の言葉と文体にかかわる問題を取り扱う。
 Ⅲ部は、「『枕草子』新しい読み方」。『枕草子』をマナー集として読むという新しい読み方を提示し、『枕草子』の魅力を味わう。
 Ⅳ部は、「研究余滴」。仮名文学作品を読んでいて、疑問に思ったこと、感動したこと、主張したくなったことなどを、エッセイ風にまとめたものを収録。

【著者略歴】
山口仲美(やまぐち なかみ)
1943年静岡県生まれ。お茶の水女子大学卒業。
東京大学大学院修士課程修了。文学博士。
現在―埼玉大学名誉教授。
専門―日本語学( 日本語史・古典の文体・オノマトペの歴史)
著書―『平安文学の文体の研究』( 明治書院、第12回金田一京助博士記念賞)、『平安朝の言葉と文体』(風間書房)、『日本語の歴史』(岩波書店、第
55回日本エッセイスト・クラブ賞)、『犬は「びよ」と鳴いていた』(光文社)、『日本語の古典』(岩波書店)など多数。
2008年紫綬褒章、2016年瑞宝中綬章受章。
専門分野関係のテレビ・ラジオ番組にも多数出演。
目次を表示します。

著作集の刊行にあたって
まえがき

I 序章
 平安の文体・平成の文体
  1 主格を示す助詞がない
  2 主語・目的語が示されない
  3 韻文と融合する
  4 「なむ」を使う
 比喩表現にみる時代性
  1 現代の比喩には人間や動物
  2 平安時代の比喩には自然
  3 平安時代と現代の差異は何を語る?
 仮名の成立と平安朝文学
  1 万葉仮名
  2 草仮名の誕生
  3 和歌・歌物語
  4 日記・随筆
  5 物語
  6 片仮名の誕生
  7 説話

Ⅱ 物語と日記の言葉と文体
 平安朝文体研究の一視点
  1 はじめに
  2 文連接法の種類
  3 文連接の機能
  4 平安文学作品の文連接法―投げ出し型―
  5 平安文学作品の文連接法―接続詞型・指示詞型・重ね型―
  6 歌物語特有の文連接法
  7 歌物語の文連接法を形成する要因―口承性―
  8 口承性の文学の文連接法
  9 おわりに
 仮名文学と形容詞・形容動詞
  1 はじめに
  2 大野晉説の紹介―品詞比率とジャンル―
  3 ジャンル別説の検討―宮島達夫氏のデータから―
  4 形容動詞の比率とその解釈の紹介
  5 形容動詞の比率にみる傾向性―韻文学と散文学との差異―
  6 形容詞・形容動詞(延べ語数)にみられる傾向性―男女の別と訓
    読系言語・和文系言語の別―
  7 平安仮名文における形容詞・形容動詞にみられる傾向性の検討
    (1)―進藤義治説について―
  8 平安仮名文における形容詞・形容動詞にみられる傾向性の検討
    (2)―男女の性別という位相的観点から―
  9 平安仮名文における形容詞・形容動詞にみられる傾向性の検討
    (3)―訓読系言語・和文系言語・口承系言語という文体論的
    観点から―
 仮名文学の朧化性の問題
  1 はじめに
  2 省略による朧化
  3 表現の仕方による朧化
  4 朧化の表現―二重否定表現―
  5 朧化の系譜
 歴史的現在法の文体論的意味
  1 はじめに
  2 現在形とは
  3 文体論的意味(1)
  4 文体論的意味(2)
  5 文体論的意味(3)
  6 おわりに
 『竹取物語』と『伊勢物語』の言葉
  1 はじめに
  2 荒々しいことば
  3 なまなましいことば
  4 かたいことば
  5 やわらかいことば
  6 みやびやかなことば
  7 おわりに
 『竹取物語』の文体と成立過程
  1 はじめに
  2 文体の断層―敬語表現―
  3 文体の断層と記述の矛盾箇所
  4 文体の連続性と変化(1)―文長―
  5 文体の連続性と変化(2)―同一語句の反復―
  6 文体の連続性と変化(3)―和文特有語と対句表現―
  7 文体の微かな変化(1)―同列表現―
  8 文体の微かな変化(2)―対比表現―
  9 文体の連続性と変化の意味
  10 敬語表現が断層を示す理由(1)―後人補筆修正説の検討―
  11 敬語表現が断層を示す理由(2)―漢文原作『竹取物語』の存在
    説の検討―
  12 仮名文『竹取物語』の成立過程に対する疑問
  13 仮名文『竹取物語』の文体と成立過程
 『伊勢物語』の文法
  1 はじめに
  2 調査資料
  3 係結び
  4 連体形止め
  5 敬語
  6 不整な文脈と語法
  7 助詞の表示
  8 おわりに
 『伊勢物語』『大和物語』『平中物語』の文末表現
  1 はじめに
  2 歌物語の文末表現
  3 「けり」止め以外の文末表現
  4 現在形文末表現
  5 現在形文末表現の用いられ方
  6 おわりに
 『平中物語』の文体と成立事情
  1 はじめに
  2 「ぞ…ける」の頻出とその意味
  3 文脈のずれ
  4 接続助詞「ば」の多用
  5 同一内容のくり返し
  6 同一語句の重出
  7 文長とその変化
  8 統合的な表現
  9 登場人物の紹介のしかた
  10 文体と成立事情
 『落窪物語』の会話文
  1 会話文の重み
  2 会話文を要求する文章
  3 写実性を持つ
  4 『竹取物語』の会話文
  5 『宇津保物語』の会話文
  6 人物造型を行なう
  7 姫君の人物像
  8 北の方の人物像
  9 阿漕の人物像
  10 大衆文学の方法
 『蜻蛉日記』の心情表現
  1 はじめに
  2 夫への期待―「つれなし」の分布から―
  3 夫に対抗する―「つれなし」の分布から―
  4 一人恨む―「つらし」の用法から―
  5 一人悩む―「うし」の分布と用法から―
  6 夫から見た妻の心―「つらし」から「うし」ヘ―
  7 夫から妻ヘ―虚しく響く「つらし」のことば―
 『蜻蛉日記』の語法
  1 はじめに
  2 力変「来」の命令形
  3 丁寧語「はんべり」
  4 逆接の接続助詞「と」
  5 指定の助動詞「たり」
  6 形容詞の音便形
 『和泉式部日記』の文体
  1 はじめに
  2 歌と散文の結合
  3 心情表現のヴァリエーション
  4 同語のリフレーン
  5 少ないレトリック
  6 日常会話語で詠む歌
  7 他作品の歌と散文
  8 『源氏物語』の歌と散文
  9 『和泉式部日記』の文体
 『和泉式部日記』作者の意図
  1 はじめに
  2 冒頭文の主語は、誰か
  3 「女」の出現
  4 第三者的な語り手の出現
  5 超越的視点
  6 語り手の批評の言葉
  7 女の視点との融合
  8 物語的場面
  9 女房の分際
  10 おわりに
 『浜松中納言物語』『夜の寝覚』の比喩と作者
  1 はじめに
  2 共通する比喩の性質
  3 比喩のイメージ性
  4 比喩に用いる語句(1)―複合動詞―
  5 比喩に用いる語句(2)―時をあらわす語―
  6 比喩の素材
  7 既成の比喩の継承と創意
  8 比喩の分析から作者別人説へ

Ⅲ 『枕草子』新しい読み方
 プロローグ
  1 現代に蘇らせるには
  2 エチケット集として
  3 感動する心
 男と女のエチケット
  1 こういう男はかっこいい 
   (1)もてる男(一八二段) 
   (2)機転の利く男(二七五段部分) 
   (3)ファッションセンスのある男(七九段部分) 
   (4)芳香で魅する男(一九〇段部分) 
   (5)法師もイケメンがいい(三一段部分) 
   (6)出世した青年(八四段部分) 
   (7)かっこいい男とは
  2 ダメな男 
   (1)あたふたと帰る男(六一段) 
   (2)口のうますぎる男(一二〇段部分) 
   (3)制服でやって来る男(四三段部分) 
   (4)融通の利かない男(六段部分) 
   (5)思いやりのない男(二四八段) 
   (6)ダメな男とは 
  3 こういう女はステキ 
   (1)寂しそうな女(一七一段) 
   (2)ゆかしさを感じさせる女(一九〇段部分) 
   (3)絵になる女(一八九段部分) 
   (4)教養のある女(二一段部分) 
   (5)キャリアのある女(二二段部分) 
   (6)ステキな女とは 
  4 こういう女は見苦しい 
   (1)嫉妬深い女(一二一段部分) 
   (2)年不相応な女(四三段部分) 
   (3)見苦しい女とは 
  5 男と女はこうありたい 
   (1)余韻を味わえる(七〇段) 
   (2)他人の興味をかきたてる(七三段部分) 
   (3)理解しあえる(四七段部分) 
   (4)男と女の理想的なあり方とは 
  6 こういう男と女はみっともない 
   (1)ブサイクな男と女(一〇五段) 
   (2)食事を出す女と食べる男(一八七段) 
   (3)男と女のみっともないあり方とは 
 人としてのマナー
  1 こういう人は許せない 
   (1)相手のことを考えない人(二六段) 
   (2)しつけのできてない子とその親(一四六段) 
   (3)見くびった態度をとる人(九一段部分) 
  2 こういう人はいいわね 
   (1)会話の楽しい人(二九段部分) 
   (2)思いやりのある人(二五一段) 
   (3)気の利く子(二八一段) 
  3 失礼な言葉遣いをしないで 
   (1)敬語をきちんと使って(二四四段) 
   (2)下品な言葉遣いは慎んで(一八六段) 
  4 まあ、許容範囲ね 
   (1)昇進して得意満面(一七八段) 
   (2)子供の競い合い(一三八段) 
  5 人としてのマナー
 感じる心
  1 なんてステキな光景なの! 
   (1)自然美に打たれる(一段) 
   (2)子供の愛らしさ(一四五段) 
  2 もう、がっかりよ 
   (1)当てが外れる(二三段) 
   (2)唖然とする(九三段) 
  3 まあ、うれしい 
   (1)愛されている確信(二五八段) 
  4 ああ、じれったい 
   (1)待ち遠しくて(一五四段) 
  5 ドキッとしちゃう 
   (1)どうなるのか不安(一四四段) 
   (2)胸が高鳴る(二七段) 
  6 清少納言はこんな人
 エピローグ
  1 定子から冊子をいただいたので
  2 悲運は書かない
  3 父親も曽祖父も有名な歌人
  4 結婚は二回、子供は二人

Ⅳ 研究余滴
 鶯の鳴きつる花―『古今和歌集』―
 業平を恋い慕う老女-『伊勢物語』―
 女の気持―『蜻蛉日記』―
 北の方の実在感―『落窪物語』―
 男心は分からない―『枕草子』―
 もの悲しい調べの理由―『和泉式部日記』―
 含み笑い―『源氏物語』―
 語り手の登場―『堤中納言物語』―
 忘れられない恋の歌―『百人一首』―
 中学古典への親しみ方

既発表論文・著書との関係
著者山口仲美 著
発行年月日2018年10月31日
頁数614頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2238-7

関連書籍

山口仲美著作集 1
言葉から迫る平安文学 1

山口仲美 著

定価:本体 5,800 円+税