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発達障害等の子どもの食の困難と発達支援

定価: 8,800 (本体 8,000 円+税)

発達障害等の子どもはどのような食の困難を有し、いかなる支援を求めているのか。当事者、保護者、特別支援学校・学級の教師、学校栄養職員への調査をもとに総合的に明らかにする。

【著者略歴】

田部 絢子 (TABE Ayako)

1980年 東京都豊島区生まれ
2002年 女子栄養大学栄養学部栄養学科卒業 管理栄養士
2010年 東京学芸大学大学院教育学研究科修士課程特別支援教育専攻修了
2013年 東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科博士課程発達支援講座修了 博士(教育学)
   私立中学校・高校家庭科教諭,大阪体育大学教育学部准教授を経て
現 在 立命館大学産業社会学部准教授,東京学芸大学非常勤講師
    日本特別ニーズ教育学会理事・編集幹事,一般社団法人日本特殊教育学会代議員・幹事
専 門 特別ニーズ教育,特別支援教育,家庭科教育,北欧の特別ケア
主 著 『私立学校の特別支援教育システムに関する実証的研究』 風間書房(2014年)

高橋 智 (TAKAHASHI Satoru)
1954年 北海道岩見沢市生まれ
1978年 早稲田大学第一文学部教育学専攻卒業
1981年 東京学芸大学大学院教育学研究科修士課程障害児教育専攻修了
1986年 東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程教育学専攻単位取得退学 博士(教育学)
    日本学術振興会特別研究員,東京都立大学人文学部助手,日本福祉大学社会福祉学部助教授,東京学芸大学教育学部助教授を経て
現 在 東京学芸大学教育学部教授(特別支援科学講座),放送大学客員教授
    日本特別ニーズ教育学会代表理事,一般社団法人日本特殊教育学会理事・常任編集委員
専 門 特別ニーズ教育,発達教育学,当事者調査研究,特別教育史,北欧の特別ケア
主 著 『わが国における「精神薄弱」概念の歴史的研究』 多賀出版(共著)
    『城戸幡太郎と日本の障害者教育科学』 多賀出版(共著)
    『講座・転換期の障害児教育』 全11巻,三友社(共編著)
    『インクルージョン時代の障害理解と生涯発達支援』
    日本文化科学社(編著)
    『特別支援教育大事典』 旬報社(共編著)
    『特別支援・特別ニーズ教育の源流(史料・日本近代と「弱者」)』
    全10巻,緑蔭書房(共編著)
    『障害百科事典』 全5巻,丸善(共訳編)
    『特別支援教育総論』 放送大学教育振興会(共編著)
目次を表示します。
序章 研究の課題と方法
 1. 問題の所在
 2. 研究の目的と分析の視点
 3. 研究の方法
 4. 本書の構成

第1章 発達障害等の子どもの食の困難と支援に関する研究動向
 1. 基本的恒常性維持システムと食の困難
 2. 摂食機能(咀嚼・嚥下)の発達困難と「口腔機能発達不全症」
 3. ASD児の食物選択性(偏食)と感覚情報処理(感覚過敏・低反応)
   に起因した食の困難
 4. 発達障害当事者の手記,当事者調査にみる食の困難・支援ニーズ
 5. 食の困難を有する発達障害児の保護者が抱える困難
   と支援ニーズ
 6. 発達障害等の子どもの食の困難・支援ニーズと学校における対応
 7. おわりに

第2章 高校生以上の発達障害当事者調査からみた食の困難の実態と
     支援ニーズ
 1. はじめに
 2. 方法
 3. 結果
   3.1 体の構造と食物
    3.1.1 摂食中枢
    3.1.2 感覚器系
    3.1.3 咀嚼・嚥下,消化器系
    3.1.4 循環器系
    3.1.5 免疫・アレルギー
    3.1.6 その他
   3.2 食生活
    3.2.1 食嗜好
    3.2.2 食事量
    3.2.3 食べ方
   3.3 食事と環境
    3.3.1 食卓用品
    3.3.2 食に関する場所
    3.3.3 食に関する人の問題
    3.3.4 食に関する状況の問題
    3.3.5 その他
   3.4 発達障害当事者の困難度が高い上位20項目

 4. 食の困難の理解・支援に関する調査の結果
   4.1 体の構造と食物
    4.1.1 摂食中枢
    4.1.2 感覚器系
    4.1.3 咀嚼・嚥下,消化器系
    4.1.4 循環器系
    4.1.5 免疫・アレルギー
   4.2 食生活
    4.2.1 食嗜好
    4.2.2 食事量
   4.3 食事と環境
    4.3.1 食卓用品
    4.3.2 食事場所
    4.3.3 食事の状況
   4.4 発達障害当事者が求める理解・支援の上位20項目
 5. 考察
   5.1 摂食中枢系の食の困難と支援
   5.2 感覚器系の食の困難と支援
   5.3 咀嚼・嚥下,消化器系の食の困難と支援
   5.4 循環器系の食の困難と支援
   5.5 免疫・アレルギー系の食の困難と支援
   5.6 食生活における食の困難と支援
 6. おわりに

第3章 学齢期を含む発達障害の当事者調査からみた食の困難の実態
     と支援ニーズ
 1. はじめに
 2. 方法
 3. 結果
   3.1 発達障害当事者の属性
   3.2 発達障害当事者の有する各種の発達困難
   3.3 発達障害当事者の有する食の困難
   3.4 食の困難に対する理解と支援
 4. 考察
 5. おわりに

第4章 発達障害等の子どもの保護者調査からみた食の困難の実態と
     支援ニーズ
 1. はじめに
 2. 方法
 3. 結果
   3.1 保護者の属性
   3.2 子どもの有する各種の発達困難
   3.3 保護者が認識している子どもの食に関する困難
   3.4 食に関する困難への対応と支援
 4. 考察
 5. おわりに

第5章 特別支援学校・学級等の教師調査からみた発達障害等の
     子どもの食の困難の実態と支援の課題
 1. はじめに
 2. 方法
 3. 結果
   3.1 回答校の概要
   3.2 食に関する注意の必要な発達障害等の子どもの在籍状況
   3.3 食に関する困難・気がかり
   3.4 学校給食に関する発達障害等の子どもへの指導・支援
   3.5 発達障害等の児童生徒の食の支援体制
 4. 考察
   4.1 発達障害等の子どもの食の困難と支援ニーズに関する実態
      把握
   4.2 食に関する困難・気がかり
   4.3 学校給食に関する発達障害等の子どもへの指導・支援
   4.4 発達障害等の子どもが有する食の困難・ニーズへの支援
      体制
 5. おわりに

第6章 特別支援学校等の学校栄養職員調査からみた発達障害等の
     子どもの食の困難の実態と支援の課題
 1. はじめに
 2. 方法
 3. 結果
   3.1 回答校の概要
   3.2 食に関する注意の必要な発達障害等の子どもの在籍状況
   3.3 食に関する困難・気がかり
   3.4 学校給食に関する発達障害等の子どもへの指導・支援
   3.5 発達障害等の子どもの食の支援体制
 4. 考察
   4.1 発達障害等の子どもの食の困難に関する実態把握
   4.2 食に関する困難・気がかり
   4.3 学校給食に関する発達障害等の子どもへの指導・支援
   4.4 発達障害等の児童生徒が有する食の困難への支援体制
 5. おわりに

終章 研究の総括と今後の課題
 1. 本研究のまとめ
 2. 子どもの食の困難に関する発達支援構築の課題
   (1) 摂食における「安心・安全・信頼」の保障
   (2) 当事者の「声」を起点にする発達支援のあり方
   (3) 食の困難に伴う保護者の育児不安・ストレスへの対応と支援

文献
資料 各種質問紙調査票
 調査票1:第2章 「食」の困難・ニーズに関する実態調査
 調査票2:第3章 「食」の困難・ニーズに関する実態調査
       【発達障害本人対象】
 調査票3:第4章 「食」の困難・ニーズに関する実態調査【保護者対象】
 調査票4:第5章 発達障害児者の「食」の困難・ニーズと支援に関する
       調査
      小・中学校の特別支援学級(自閉症・情緒障害)・
      通級指導学級(情緒障害等),知的障害特別支援学校
      (小学部・中学部・高等部)の学校給食担当責任者対象
 調査票5:第6章 発達障害児者の食・食行動の困難・ニーズと支援に
       関する調査
      小学校・中学校・特別支援学校の栄養士・管理栄養士・
      栄養教諭対象
あとがき
索引
著者田部絢子・髙橋智 著
発行年月日2019年02月10日
頁数358頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2279-0

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